「20センチュリー・ウーマン」を鑑賞しました。
前作では父、今作では母、そして間もなく公開する最新作「C’mon C’mon」では叔父と甥の関係を描きます。
家族ドラマを描くことの多い、マイク・ミルズ監督。
なぜ彼はこんなに「家族」にこだわるのか。
そんな視点で解説します。
はじめに
1979年のサンタバーバラを舞台に、15歳の少年ジェイミーとシングルマザーのドロシア、そして彼らを取り巻く人々の特別な夏を描いた。思春期の息子ジェイミーの教育に悩むシングルマザーのドロシアは、ルームシェアで暮らす写真家アビーと、近所に暮らすジェイミーの幼なじみのジュリーに、ジェイミーを助けてやってほしいと頼む。母ドロシアに扮した主演アネット・ベニングは、ゴールデングローブ賞の主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)にノミネート。ジュリーを「マレフィセント」のエル・ファニング、アビーを「フランシス・ハ」のグレタ・ガーウィグが演じた。https://eiga.com/movie/86002/
思春期の息子の教育や自分の老いに悩む女性目線の映画。意外と珍しいジャンルです。
とても身近で、すぐそこにありそうな悩みを絶妙に描いています。
独身アラサーの私ですらそう思ったので、共感できる人は多いでしょう。
この映画を鑑賞するきっかけとなったのは、「C’mon C’mon」の予告を映画館で観たからです。同じ監督の作品を鑑賞しておきたいと思い、鑑賞しました。素晴らしすぎる予告。予告で泣けます笑
JOKERの次となるホアキンの演技も気になります。はやく観たいです。
マイク・ミルズ監督が家族を描く理由
ここからは、マイク・ミルズ監督がなぜ家族にこだわって映画を作るのかを解説していきます。
まず、前作「人生はビギナーズ」。この作品は、父親にゲイであることをカミングアウトされた、監督の実体験を基にした作品です。
父が晩年、勇敢にもゲイだとカミングアウトして、本能のままに強く生きて、強烈に死んでいった。誰かが死んだ悲しみって、アルコール以上に人を酔わせるというか、勇気だったり強い意志を持たせることがあるんですよね。悲しみのなかで、「誰がなんと言おうとかまわない! 僕は映画を撮るぞ!」と思ってできたのが、『人生はビギナーズ』。特別で素敵なストーリーだし、素晴らしい映画だし、まさに父の人生そのものだった。それが多くの人に受け入れてもらえたことで、こういう映画なら僕にもつくれるかもしれないと思えたんです。父が生きていたらすごく喜んでこの映画を観ただろうから。母はあまり語られたくないトリッキーな人だから、そう簡単にはいかないんですけど。https://fashionpost.jp/portraits/105328
やはり、映画をとる根っこに、父親に勇気づけられた動機があるようですね。パワーの源なのかもしれません。
世間を気にしないボヘミアンな母は男性のようなショートパンツを愛用する働き者の建築家で、父はゲイ。家庭内での性別的役割分担が、反転してたんですよね。僕は晩年にできた子どもで年上の姉が二人いて、当時どの友達にも、第二次世界大戦と大恐慌についての話ばかりしている親はいなかった。だから僕は常に孤独を感じていた…https://fashionpost.jp/portraits/105328
母親もかなりファンキーな人で、マイク・ミルズ監督が近づくほど、離れていく。いつも強く、弱さや本音を語らないタイプの母親だったそうです。
僕がこの映画で言っているのは、親と子、特に親と子どもってお互いにすごく愛し合えるからこそ、すごく深く肝心なところで、母は子を人として、子は母を女として理解することはできないというトラップがあるということ。自分が子どもを持つと、その視点がわかるようになる。年を重ねただけ、親を見る目は変わりますよね。https://fashionpost.jp/portraits/105328
そして、そんな母親に年齢が近づくにつれ、共感できることや、自分の感情の変化が表れてきた。
監督のその時の想いを、ストレートにぶつけているのかもしれません。
そう思って観ると、確かに、正直すぎて恥ずかしいような、セリフが要所要所に観られます。
また、監督には、歳の離れた2人の姉がいるそうです。
これはもうまさに、「20センチュリー・ウーマン」の母以外の女性2人に投影しているのでしょう。あんなにタイプの違う姉が2人いたら、戸惑うでしょうね…。
女性の気持ちを捉えるのがうますぎる理由が分かった気がします。
Amazon Prime Videoで観ることができますのでぜひ。
最後までお読みいただきありがとうございます!
ブログでは更に、この映画における監督の強い思いを解説しています。ぜひご覧ください。
正直な家族ドラマを描くマイク・ミルズ監督の次回作「C’mon C’mon」とても楽しみです!
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