Netflixで配信されていたので、『新宿野戦病院』を3日ほどかけて鑑賞しました。
宮藤官九郎が脚本を務めていて、笑いどころの多い作品なんです。
でもね、こちら、かなりシリアスな問題とか、野放しにされている社会問題に切り込んでて、そこがめちゃくちゃ面白いんですよ。
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今回の記事では、『新宿野戦病院』で扱われていた社会問題について、紹介していきます。
歌舞伎町って本当にあんな街なの?
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あのドラマを観ると、
「歌舞伎町やべ~。おっかね~」って思いますよね。
私は数年前都内に住んでおり、新宿にもしょっちゅう足を運んでいました。
実際歌舞伎町の治安とか実態でどんなものかというと、そこまで恐ろしい場所ではないです。
確かにホストやキャバクラ、その他風俗もたくさん見かけますが、普通の飲み屋とかラーメン屋、映画館に劇場なんかもたくさんあって、楽しい場所です。
ただ、夜の世界に染まりやすい場所であることは確か。
作中描かれていたパパ活女子も実際たくさんいますし、ホストやキャバクラにハマって抜け出せないなんてこともたくさんあるんだと思います。
でも、そこまで危ない場所ではないので、東京に訪れた際はぜひ一度足を運んでみてくださいね。
何より、映画館がたっくさんありますから。劇中で高橋愛と濱田岳が行ってた武蔵野館も歌舞伎町のすぐ傍にありますよ。
パパ活
さて、『新宿野戦病院』の序盤でよく触れられるのがパパ活です。
ずばり、援助交際ですね。トー横キッズって聞いたことありませんか?
家出した少女たちが、お金を稼ぐため、その日に泊まる場所を確保するために、身体を売る行為です。そして、女の子を目当てに男性たちが声をかけると。そういった人々が出会いやすい場所として、歌舞伎町の大久保公園あたりがメジャーなんです。
私はこのパパ活っていう呼称が嫌なんですよ。めちゃくちゃポップなものに感じてしまうから。推し活、ヌイ活、朝活なんかと同じ響きで使う言葉では、ないですよね。
パパ活って言えば、深刻な雰囲気が和らぐじゃないですか。そこが一番の問題なんじゃないかと。男女双方にとって、軽いもんだと感じてしまう。
パパ活自体も問題ですが、パパ活に至るまでの状況を予防できるかどうか。これが社会的な課題かなと。
でも、ホストやアイドルなど、推しに貢ぐための、つまり推し活のためのパパ活もあるんでしょうね。こればっかりは本人の判断による責任が大きいので止めようがありませんが。
適切に恐がる
『新宿野戦病院』を観てて、一番印象的だったのが柄本明演じる高峰啓介が言ったセリフ。
「今度は、適切に恐がらないといけないね」
ルミナウイルスという新種のウイルスが広がりつつある状況で言ったセリフなんです。
『新宿野戦病院』の後半は、コロナの頃の日本を風刺したような内容でしたよね。
過剰に恐がるあまり、マスクをしていない人を凶弾したり、外でもどこでもマスクを付けたり、外国人を追い出せといきり立ったり。
あのカオスな状況。
しかも、コロナを経た今でも、同じような現象が起こるように描いていました。
あの時は人のことまで心配する余裕って、なかったように思います。
はたして、次に同じようなパンデミックが起こった時、私たちは冷静に、適切に恐がりながらウイルスと闘うことができるでしょうか。
いや、そうでなくてはいけませんよね。じゃないとあの時の不幸せが無駄になる。
ジェンダー
『新宿野戦病院』には、塚地武雅演じる堀井しのぶというキャラクターが登場します。
序盤は、塚地が演じているにも関わらず、女性的な見た目をしていて、所作や話し方も女性らしいので、ハッキリさせないまま終わる感じなのかなと思ってたんですが、中盤に堀井しのぶにスポットを当てた回があるんです。
で、結果的に、生物学的には男性として生まれたけど、性自認は女性。というキャラクターだということが分かりました。
はじめ、堀井しのぶのキャラクターについて、フジテレビの番組公式ページで「男か女か分からない」って書かれてて、それが問題になったそうで、「ジェンダー・アイデンティティ」と修正されたものの、それもまた違うだろうと指摘され、現在はそのあたりに関してはノータッチになってます。
まあ、確かに、特に何も触れずにそのままいっちゃうのがいいんだろうなと。彼女の能力や性格だけを受け止めて、自然に当然に働いている仲間。そういう描き方をすればなおよかったんでしょうね。
でも、まだまだ日本はフェーズとして「あえて言及しなければならない」んだと判断されることが多いんだと思います。
そして、強く抗議する人も一定数いると。
いざという時、動けるか?
全体的な感想としては、めちゃくちゃ好きなドラマでした。
やっぱり私は宮藤官九郎のドラマが好きです。
小池栄子のキャラクターが本当、いいですよね。カラッとしてて。
柄本明が出てるのも最高。彼が出てるとグッと引き締まるというか、作品としてのステージが一つ上がる感じがします。
伊東蒼は、また、幸薄い系の役をやらされてましたね…。でも巧すぎるから仕方ないんでしょうね。
実際、海外の医師免許しか持ってなかったら治療してはいけないのかどうかが、めちゃくちゃ気になりました。
なんというか、私たちの生活でもこういう場面ってなくなはいと思うんですよね。
例えば海とかプールとか温泉で誰かが溺れた時。積極的な人命救助、できますか?自分が触れたことで関わったのに、助からなかったら恐いですよね。思いっきり心臓マッサージするのって、かなり勇気がいると思うんですよ。そもそも、安全な場所へ運ぶときに、頭を打ったらどうしよう。とか、実際その現場になると様々な考えが巡ると思うんですよね。
車で誰かとぶつかってしまったら?安全な場所に運んで救急隊が来るまで人命救助できますかね。
下手に手を出さない方がいいだろう。私は多くの人がこの判断を選択するだろうと思います。そのほうが都合がいいですもん。
そこいくと、やっぱりヨウコ先生はすごいよなぁと思います。自分にとってもハイリスクなのに、目の前の命を救うために条件反射のように体が動いてしまう。損得ではなく、志で動ける。そんな強さを感じました。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
『新宿野戦病院』について解説しました。
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とってもオススメの作品なので、興味のある方はぜひ鑑賞してみてください。
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