『September』と『YOYO』が、あまりにも切なく
『ロボット・ドリームズ』を鑑賞しました。
私は2月13日にこちらを観に行ったんですが、なんとこの作品2024年の11月8日に公開されたんですよ。
4か月のロングラン上映、加えてSNSのフォロワーさんたちも2024年に鑑賞した作品の中でトップ10に入れる人がとっても多くてですね、完全にタイミングは逃してたんですが、上映終了日に滑り込みで鑑賞することができました。
いやー、観て良かったです。みなさんが高く評価されるわけが分かりましたし、めちゃくちゃ泣けました。
そして、ストーリーのみならず、80年代の映画や音楽など、ポップカルチャーがふんだんに出てくるのがたまりません。
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今回の記事では、『ロボット・ドリームズ』に出てきた80年代のポップカルチャーや、魅力を語っていきたいと思います。
![ダニー](https://www.three-minutes-philosophy.com/wp-content/uploads/2022/11/danny.png)
公式サイトの作品概要はこちらだよ!
Introduction:第96回アカデミー賞®長編アニメーション映画賞ノミネートを果たし、
アニー賞、ヨーロッパ映画賞、ゴヤ賞ほか名だたる映画賞を席巻。
孤独なドッグと、その元へやってきたロボットとの友情を描き、
世界中の批評家と観客から愛された本作。監督を務めたのはヨーロッパを代表する名匠パブロ・ベルヘル。
アニメーション映画へは初挑戦ながら、
「制約のないアニメーションで、物語を描く無限の可能性を探求したかった」
と語るとおり、切ないながらも温かく、
観るものの心を揺さぶる類まれな傑作として結実させた。Story:大都会ニューヨーク。ひとりぼっちのドッグは、
孤独感に押しつぶされそうになっていた。
そんな物憂げな夜、ドッグはふと目にしたテレビCMに心を動かされる。数日後、ドッグの元に届けられた大きな箱―― それは友達ロボットだった。
セントラルパーク、エンパイアステートビル、クイーンズボロ橋……
ニューヨークの名所を巡りながら、深い友情を育んでいくドッグとロボット。
ふたりの世界はリズミカルに色づき、輝きを増していく。しかし、夏の終わり、海水浴を楽しんだ帰りに
ロボットが錆びて動けなくなり、
ビーチも翌夏まで閉鎖されてしまう。
離れ離れになったドッグとロボットは、
再会を心待ちにしながら、それぞれの時を過ごす。
やがてまた巡りくる夏。ふたりを待ち受ける結末とは―― 。
80年代のポップカルチャー
『ロボット・ドリームズ』には80年代のポップカルチャーがたくさん登場します。
というのも、本作はパブロ・ベルヘル監督が学生時代に過ごした80年代のニューヨークを舞台に描いているんですね。
監督にとって思い出深い80年代の音楽やアートをふんだんに盛り込んでいるです。
例えばキース・へリング。ユニクロのTシャツとコラボするなど、現在も人気の高い彼ですが、元々はグラフィックアーティストなんです。
『ロボット・ドリームズ』では、キース・へリングやジェフ・クーパー、デイヴ・マシューズなどのグラフィックを観ることができます。
また、ヒップホップのカルチャーが花開いた時代でもあり、そういった登場人物がたくさん出てくるんですよ。
というのも、あの時期のニューヨークは、とっても家賃が安かったそうで、音楽や芸術など、アーティストがたくさん集まったそうなんです。
80年代直前は、治安が最悪で、そのせいでみんな郊外に引っ越していき、結果多くの物件が遊んでいる状態になり、家賃も下がったと、そういうわけなんですね。
ちなみに、主人公の犬の部屋にはピンクフロイドの『Dark Side Of The Moon(狂気)』のポスターが貼られていますよ。
たくさんの映画ネタ
『ロボット・ドリームズ』には音楽とアートのみならず、映画ネタもたくさん登場します。
というのも、監督はニューヨークにある「キムズ・ビデオ」というお店で働いていたそうで、昔っから映画好きなんですね。やっぱりこういう人が映画監督になるんだなと感じます。
で、劇中登場する映画のパロディはというと、
『シャイニング』(ハロウィンの夜に双子の仮装)
『エルム街の悪夢』(こちらもハロウィンの仮装)
『IT』(これもハロウィン)
『サイコ』(有名なシャワーのカット)
『マンハッタン』(犬とロボットが二人で橋を眺める)
『ペットセメタリー』(小説ですが、犬が読んでます)
『JAWS』(海水浴場で沈んでいる看板)
などなど。
当時監督が楽しんだ作品なんでしょうね~。
ホラー映画が多めです。
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他にも気づいた作品があったらぜひ教えてくださいね。
『September』が表すもの
『ロボット・ドリームズ』で何度も使われるテーマ曲がEarth, Wind & Fireの『September』です。
あの曲、アッパーでノリノリなんですけど、実は切ない歌詞なんですよ。あの歌詞を知ってると知ってないのとでは、大分印象が変わってくると思います。
それに関してはこちらの記事で詳しく解説しますのでぜひお読みください。
『YOYO』のポスターが表すもの
もう一つ『ロボット・ドリームズ』で何度も登場して印象的なのが「YOYO」と書かれたポスター。
主人公の犬の部屋に貼ってあって、何度も出てきます。
これ、「You Only Yawn Once」の頭文字をとって「YOYO」なんですよ。
「You Only Yawn Once」は、「一度だけあくびをする」という意味です。これは、一般的なフレーズ「You Only Live Once」(YOLO)をもじったものです。元のフレーズは、「人生は一度きり」という意味で、人生を楽しんでリスクを取ることを勧めるものです。
「YOYO」はこれをユーモラスに変えたもので、あくびのような日常的で一度しかない出来事に焦点を当てています。これは、ロボットが人間のような感情や夢を持つ可能性を探求する物語の中で、ユーモラスで風刺的な要素として機能しています。
そして、ある出来事以降、この「YOYO」がピンクフロイドのポスターに変わるんです。そう、ロボットと決別したタイミングですね。
これはなかなか…。切ないです。
様々な動物にした理由
『ロボット・ドリームズ』には、人間の代わりに様々な生き物が出てきましたよね。
馬や山羊、ウサギなどの草食動物から、ライオンやクマ、アリクイのような肉食・雑食動物まで。
身体が大きいのもいれば、小さいのもいる。
これもきっと、ニューヨークという町の人種の多様さを描いているだと思うんです。
さらに、それぞれ種別を超えて一緒に暮らしたり愛し合ったりしているんですよね。
そして、その究極がロボットと犬の関係だと思うんです。あの二人の関係を、あなたはどのように捉えましたか?
セリフがないからこそ感じられたもの
『ロボット・ドリームズ』は、セリフが全くありません。
だから、あの二人が恋愛関係なのか、それとも友だち関係なのかが、分からないような作りになっているんです。何だったら、どっちでもないようにもとれます。
だから、いろんな人が共感できるようになっているんでしょうね。
でも、セリフがないからこそ、違う生き物である二人の感じていることを推し量ろうとする力が自然に働いていたように思います。
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もう、完全に没頭してしまいましたよね。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
『ロボット・ドリームズ』について、80年代のポップカルチャーや使用されている曲について詳しく解説しました。
![bitotabi](https://www.three-minutes-philosophy.com/wp-content/uploads/2023/07/SP-Studio-4.png)
映画館で見逃した人は、ぜひ配信でお楽しみください!
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この記事で紹介したものを確認するために再鑑賞もしてみてね!
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