『MOTHER マザー』ラストの表情が物語ること

ドキュメント・ノンフィクション系映画

お母さんを好きだってことも、間違いなんですかね

MOTHER マザー』をNetflixで鑑賞しました。

長澤まさみの演技に加えて、今日曜ドラマでも大活躍中の期待の若手、奥平大兼の演技が凄まじい本作。

どうしようもない母親と、その息子のドラマを描いた作品で、あまりにも悲劇的な内容ゆえに、もう二度と観たくないという人多数の結構キツイ映画です。

bitotabi
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でも面白いんですよ…。今回の記事では、『Mother マザー』の基になった事件や、ラストシーンの長澤まさみの表情について解説していきます。

ダニー
ダニー

確かに、あの最後の顔、気になったな…。

作品概要

– 公開年: 2020年
– 監督: 大森立嗣
– 脚本: 港岳彦・大森立嗣
– 出演: 長澤まさみ、奥平大兼、阿部サダヲ、夏帆
– 原作: 山寺香『誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』
– 受賞歴: 2020年度日本アカデミー賞優秀助演女優賞(長澤まさみ)

本作にて長澤まさみがアカデミー賞優秀賞を、奥平兼が新人俳優賞をそれぞれ獲得しています。

脚本は『ゴールド・ボーイ』『正欲』の港岳彦で、本作も非常に優れた脚本に仕上がっていたように感じました。しかしながら、上記二作品と違って、本作はとにかく破滅的で救いがない。だからこそ終わり方がグッと印象に残りました。

 



基づいた事件、事例

映画は2014年に埼玉県川口市で起きた実話の祖父母殺害事件を基にしています。

事件の背景として、母親が息子に「殺してでも金を借りてこい」と脅したという驚愕の出来事が描かれています。

結果として、息子は懲役15年、母親には懲役4年6ヶ月の判決が下っています。

よく似ていますよね。

しかしながら、原作の執筆者は夏帆が演じていた福祉職員ではないようです。

山寺香という人の「誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか」を原案としています。

共依存とは

終盤で、母親に対し、

「あなたと周平くんは共依存よ」

というセリフがあったのを覚えていますでしょうか?

共依存とは、親と子どもが互いに依存し合い、健全な関係を築けない状態を指します。

この映画では、シングルマザーの秋子(長澤まさみ)と息子の周平(奥平大兼)が共依存の典型例として描かれています。

bitotabi
bitotabi

これがなんともやるせないんですよ。

お母さんを好きだってことも、間違いなんですかね

というセリフは、胸が苦しくなりました。

 



現状

映画のように、子どもに学校に行かせず働かせる親の現状についてのデータを紹介します。

文部科学省の調査によると、2024年時点で日本には約35万人の小中学生が不登校であり、不登校の主な要因として、心理的な問題(不安や抑うつ)や学校でのいじめが挙げられます。

また、不登校の子どもたちの多くは、家庭の経済状況が厳しい場合が多く、親が働きづめで子どものサポートが難しい状況にあることが多いです。

なかなか映画のように子どもに金を稼がせるうような家庭は日本ではイメージしにくいですが、少なからず存在すると考えられるのではないでしょうか。

ラストの表情について

映画のラストシーンで、長澤まさみさんが演じる秋子の表情は、ほとんど心が動いていないように見えます。

泣きも笑いもしないのです。

彼女の心はすでに壊れており、子どもから愛を伝えられても少しも心が揺れないようになっている。

この表情は観客に強い印象を与え、映画全体を通じて描かれた共依存や家庭の崩壊を象徴するものです。

割と救いのないラストですが、そのリアリティが物語の深みを増しています。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます。

『MOTHER マザー』について解説しました。

bitotabi
bitotabi

ずっしり思い映画ですが、演技は圧巻。ぜひ一度ご鑑賞ください。

ダニー
ダニー

子どもの未来を支えていきたいよね。

 

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