敵味方よりも、戦争そのものをはっきりと
『戦場にかける橋』を午前10時の映画祭で鑑賞しました。
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今回の記事では、本作の感想やあらすじをお伝えします。
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あらすじはこんな感じ!
物語:1943年、ビルマ。ニコルソン大佐率いる英国軍捕虜が収容所に移送されてきた。所長の斉藤大佐は、彼らに米軍捕虜のシアーズ中佐らと共にクワイ河に架ける橋の建設現場で働くことを強要する。捕虜たちに生き甲斐を与えようと考えていたニコルソンはこれを承諾、工事は着々と進んでいたが、収容所を脱走したシアーズの手引きによって、連合軍による橋の爆破計画が進行していた。
デヴィッド・リーン監督は、この作品の大ヒット、アカデミー賞・作品賞、監督賞ほか7部門の受賞により、真の巨匠の地位を確立した。https://asa10.eiga.com/2024/cinema/1313/
まず、本作は実話の出来事を基に作られています。
第2次世界大戦中の1943年、旧日本軍の捕虜となったイギリス軍兵士や現地の人々を働かせ、タイとビルマ(当時のミャンマー)の国境を流れるクワイ川に鉄道用の橋をかけようとした。という出来事ですね。
この映画では、大きく2つの軸で物語が進行します。
1つは橋の建設に向けた、イギリス軍捕虜たちと日本軍の関り。
そしてもう1つは脱走した米兵ですね。
イギリス軍捕虜たちと日本軍のサイドでは、それぞれの葛藤を上手く描いています。
初めこそ、意地と意地のぶつかり合いのようなんですが、お互いの大事にしていることには違いがあることが浮かび上がってくるんです。
捕虜という立場の中、如何にして健全な心と身体を保てるよう部下を守るかというイギリス軍人ニコルソン大佐。
それに反して尊厳と威信のウエイトが強い日本軍人サイトウ大佐。
といった感じで。
デヴィッド・リーンの作品なので、壮大なスケールはもちろん楽しめるんですが、それよりももっと人間ドラマの方にフォーカスした作品でしたね。
こういった作品の場合、日本軍人ってめちゃくちゃ悪いように描かれることが多い印象ですが、この映画は少し違う雰囲気。
分かりやすい勧善懲悪ではなく、どちらの立場にも複雑な事情があるという感じに仕上がってるんですよね。サイトウが悔し涙を流すシーンは、なかなかグッとくるものがありました。
そして、もう一方のストーリー、アメリカ軍の中佐であるシアーズ。
彼は脱走に成功し、見事安全な場所までたどり着くんですが、再び基のキャンプに戻ってしまうことに。
これがはじめこそ滑稽なんですけど、次第にシリアスになっていく。
そして、両方のストーリーが重なる時、あまりにも虚しく切ない悲劇が起こると。
こっちのストーリーに関しては、戦争の愚かさやもの悲しさを強調していましたね。
どっちかというと日英軍の関りは、戦争の中でも美しいものがあるんだぞみたいな、戦争も悪いことばっかじゃないよねって印象を受けなくもないんです。
でも、やっぱりそれで終わらせてはいけない。戦争は悪だ。虚しい。命令を下すだけの上層部は何も考えずに指示を出し、散っていくのは若者や弱いものである。
日英の対立に関しては、勧善懲悪は描かないものの、戦争というものに対してははっきりと悪であるとつきつける。
このストーリー、流石だなと思いました。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
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興味がある人はぜひ午前十時の映画祭やサブスクで観てみてね!
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