『ホールドオーバーズ』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
映画館で見逃してしまったことを非常に後悔してたんですよ。なぜならフォロワーさんみんなこれの評価やたらと高かったから。
まったく予習せずに観たんですが、これ、なかなかいいです。派手さは全くないけど、じわじわと心が温まっていくような感じ。

今回の記事は、『ホールドオーバーズ』の解説記事です。

気になるあの「ビール」についても説明するよ!
1970年、ボストン近郊にある名門バートン校。誰もが家族の待つ家に帰り、クリスマスと新年を過ごす。しかし、留まらざるを得ない者もいた。生真面目で融通が利かず、生徒からも教師仲間からも嫌われている古代史の教師ハナムは冬休み返上で、寮で過ごすことに。勉強はできるが反抗的な生徒アンガスは母と過ごすセント・キッツ島を楽しみにしていたが、母に冷たくあしらわれ寮に残ることを余儀なくされる。そして、ベトナム戦争でひとり息子カーティスを失ったばかりの料理長メアリーは息子と最後に過ごした学校で年を越すため残る。孤独な彼らにはそれぞれに他者に心を開かない理由がある。雪に閉ざされた学校で、反発し合いながらも、彼らの関係は少しずつ変化してゆく—-。Amazon Prime Videoより引用
タイトルの意味
「ホールドオーバーズ」は、長期休みも学校に残る学生を指します。アレクサンダー・ペイン監督のこの映画では、クリスマス休暇中に学校に残る学生たちとその監督者の物語が描かれています。
でも実はこれ以外にも意味があってですね、
- 留任者、残留者、残っている人
- 遺物、残っているもの
- 過去から生き残った何か
- 前の時期や時代からの持ち越し、引き継ぎ者
- 留年学生
- 演劇や映画の延長公演
などなど。こんな感じなんです。
結構この映画の登場人物に当てはめやすいですよね。
キャラクター分析
ポール (ポール・ジアマッティ):
休暇中に残る厳格で嫌われ者の教師。彼のキャラクターは「いまを生きる」に登場するロビン・ウィリアムズ演じる素晴らしい先生とは対照的にみえました。
ポールは、生徒や他者から学ばされることで成長していく様子が描かれています。
アンガス (ドミニク・セッサ):
母親の再婚のために家に帰れない生徒で、彼の反抗的な性格や過去のトラウマが複雑で興味深いキャラクターを作り上げています。「時計じかけのオレンジ」の主人公に似ていますが、二人に直接的なつながりはありません。ギリギリでオーディションで決まったそうです。
メアリー (ダ・バイン・ジョイ・ランドルフ):
息子をベトナム戦争で失い、心の痛みを抱えながら学校に残る料理担当の女性。彼女の思いやりのある性格がポールとアンガスの間の橋渡し役となります。気丈に見えて、心の中は悲しみで溢れていて、最後の1滴で溢れてしまうような。あの演技は素晴らしい。
実際のホールドオーバー
寄宿学校に通う生徒が冬休みに帰れないという状況は、それほど珍しいことではないそうです。
映画は、家族と過ごせないクリスマスや年越しの感情的な負担を描き、休暇中の人間関係の重要性を強調しています。
『ハリーポッター』でもありましたよね。
日本でも最近割と流行ってるみたいですよ。自然豊かな場所で全寮制で学ぶスタイル。
ミラー・ハイライフについて
映画の中に度々登場したミラーというビール。

ミラー・ハイライフ(Miller High Life)は、アメリカのビールブランドで、1903年に発売されました。このビールは「ビールのシャンパン」として知られており、シャンパンのような軽やかで爽やかな味わいが特徴。
ミラー・ハイライフは、アメリカで広く親しまれており、そのキャッチフレーズが示す通り、特別な日の乾杯にもふさわしいビールです。
今も販売されていますよ。
特定のビールが出てくるのって、なんかいいですよね。飲んでみたくなる。
感想
この映画、面白いなと思ったのが、主人公をあえて定めないような作り方をしてるんですよね。
だから、3人の関わりを、完全に俯瞰して観ることができるんですよ。
ポールの嫌なとこも、アンガスの意地わるいところも、メアリーのドライなところも、平等に見える。
そして、彼らもまた、お互いの心の中や境遇を詳しくは知らなかった。
立場も性格も全然違う三者が、氷解していくように歩み寄っていく様がとってもじ~んときましたね。
ところで、エリート校の教師と生徒といえば、『いまを生きる』が思い浮かんだんです。
ロビン・ウィリアムズが演じた先生は、まさにカリスマで、生徒たちは次第に彼の魅力に染まっていくわけですが、『ホールドオーバーズ』のポールはまるでそんなんじゃない。
斜視で臭いと陰でバカにされ、指導の方も厳し過ぎて嫌われまくり。そんな先生と問題児が如何にして向き合い、どのように関係が変わっていくのか。こういうテーマの作品って、意外と今までなかったような気がするんですよね。
頑固とか怖い印象の人が変わっていくってのはあったと思うんですけど、小馬鹿にされている人ってのが面白い。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
『ホールドオーバーズ』について解説しました。

心がジンと暖まる、そんな映画です。

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