「鈴木敏夫とジブリ展」に行ってきました!
ジブリの作品を、鈴木敏夫さんの経歴をもとに紹介していく展覧会。
作品公開までの裏話や、プロデューサー業とはいかなるものかをたっぷり堪能できました。
見どころや、学んだことをお伝えさせていただきます♫
はじめに
「鈴木敏夫とジブリ展」は2022年4月23日~6月19日に京都文化博物館で開催される展覧会です。
東京では7月1日から9月7日に開催予定です。
高畑勲・宮﨑駿両監督と共に、世界を代表する数々のアニメーション映画を世に送り出してきたスタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫。
https://www.ghibli.jp/event/suzuki/
展示では、戦後の名古屋で育ち、昭和から平成、令和の時代を駆け続けている鈴木が「読んできた本」と「その時代背景」に注目します。
子供時代から読んできた漫画や小説、青春時代を経て、社会に出てから今もなお旺盛な好奇心で読み続けている歴史本やノンフィクション、評論本などを通し、鈴木がその作品や作家からどんな影響を受け、自身の思考術へとつなげていったのか、そしてどのように作り手と向き合い、編集者、プロデューサーとしてスタジオジブリ映画を確立していったのか。
この答えを鈴木敏夫の血肉となった8800冊の書籍や映画作品を通じて探ります。
それではここからは、個人的に気になったポイントや見どころ、学んだことを解説していきます。
おみくじ
今回の展覧会の最後に、湯婆婆と銭婆婆のおみくじコーナーがあります。
かなり気合の入った本格的な作りでした。
恋みくじの湯婆婆か、
開運みくじの銭婆婆の、
どちらかを選んで引きます!
おみくじを引きに行くと、夏木マリボイスで優しく話しかけてくれました。
「大吉」~「大凶」まで、幅広くバリエーションがあるようです!
そしておみくじには鈴木敏夫さんのありがたいお言葉が添えられています。
訪問の際はぜひ!!私の代わりに大吉を!!!笑
アニメージュの珍しい記事
アニメージュの創刊に携わった鈴木敏夫さん。
アニメージュをよりよい雑誌にするために働いた軌跡がたくさん展示されていました。
中でも私が気になったのが、手塚治虫さん、石ノ森章太郎さん、松本零士さんの対談記事です。
ディズニーアニメの素晴らしさを、いかに日本のアニメに落とし込むかを熱烈に語っている記事です。めちゃくちゃ面白いです。
手塚治虫さんって、宇宙人なんじゃないかと思うくらい、話の深みを感じます。
他にも、手塚治虫さんと藤子不二雄さんの対談や、宮崎駿さんや高畑勲さんのインタビュー記事も盛りだくさんでした!
トトロと火垂るの墓の上映
「トトロ」と「火垂るの墓」は同時上映だったことをご存じでしょうか。
そのために、鈴木敏夫さんがかなり功労しました。
高畑勲さんや東宝を何度も必死に説得し、汗と涙を流して上映までこじつけた、情熱的な働きぶりだったそうです。
「トトロ」こぼれ話
展示解説で、トトロの秘話も書かれていました。
上記のポスターの少女が、サツキでもメイでもない。
というのはそこそこ知られたお話です。
それには理由があります。
「トトロの隣に二人を描くと、バランスが悪くなる。そのため、二人の中間的なデザインの少女を描き、ポスターのバランスを整えた」
のだそうです。今ではちょっと考えられない手法ですよね。
「火垂るの墓」こぼれ話
こちらもポスターについて。
「明度を上げると、実は二人の頭上に戦闘機がうっすら見えている」
みたいな話を聞きます。
これの真相ですが、
「実は、どころではなく、当時公開時のポスターにはガッツリ戦闘機が描かれていた」
となります。
残念ながら撮影禁止だったため、写真は撮れませんでしたが、
私が実際に目にした展覧会のポスターには、しっかりと戦闘機が描かれていました。
「トトロ」「火垂るの墓」を公開する熱い思い
「トトロ」と「火垂るの墓」のキャッチコピーや宣伝文句を、鈴木敏夫さん自身のメモにこう書かれていました。
「現代日本への激しい怒りがこの二本の作品をうんだ!」
この理由は、トトロまでの日本映画は、海外っぽい場所を舞台として描かれることがほとんどだったことにあるそうです。
日本から、自然と四季の美しさが失われているから、日本を舞台にすることを避けている。だから日本を舞台にしたアニメがないのだ。
「火垂るの墓」はもちろん、戦争への怒りをこめて。
日本人が言葉にしない、できない、忘れかけている、そんな思いを、アニメで表現してやろうじゃないか!
そんな熱い思いが込められているのであります!!!
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
今回の記事では「鈴木敏夫とジブリ展」の見どころを紹介しました。
楽しいおみくじコーナーや、アニメージュのレア記事、鈴木敏夫さんや制作陣の熱い思いを体感できる楽しい展覧会です!
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