「愛ちゃん物語」をシネマート心斎橋で鑑賞しました。
「歴史から消えた小野小町」(2017)がカナザワ映画祭や東京学生映画祭で話題となった大野キャンディス真奈が、2年の構想・製作期間を経て完成させた長編初監督作品です。
予告で気になり、1週間限定公開とのことで、急いで観にいったよ。
今回の記事では、分かりうる作品のディティールや、見どころを紹介します。なるべくネタバレなしでお伝えします♬
STORY
愛ちゃん(16)は、仕事人間であり毒親の父、鉄男に過度に束縛され、
https://aichan.atemo.co.jp/
自由を知らずに成長した。
父とは一緒に食事もせず、メールだけの仲。
友達もおらず、オシャレも知らない愛ちゃんは、
ある日偶然、聖子さんと出会う。
文化も生活も異なる2人は、
一緒に過ごすなかで
家族のようで友達のような関係になっていく。
しかし、聖子さんにはある秘密があって…
普通って何?家族って?愛って?
ひとりぼっちだった愛ちゃんが見つけた「♡」とは?
ストーリーの魅力はもちろんですが、監督の大野キャンディス真奈さんも大変気になる存在です。
まずは、監督についておさえておきましょう!
監督:大野キャンディス真奈
大野キャンディス真奈さんは1997年生まれです。とうとう、私よりも圧倒的に若い映画監督が登場しました…。
しかも今作では、プロデュース・脚本・編集の全てを手掛けています。
すごすぎ。
Wikipediaのガセが面白い
1998年7月21日生まれ。東京藝術大学在学中。2018年に処女作『歴史から消えた小野小町』が映画祭に受賞し話題になる。現在は映画監督としてSHINPA映画祭など出演、活動をしているほか、ミュージックビデオ(アニメーション)、絵画制作活動、幼稚園でのワークショップなども開催している。
https://qui.tokyo/feature/candis-mana-220722
Wikipediaでは、ロシアと中国のクオーターという記述ですが、これは全くのガセ情報。
というのも、Wikipediaを自分で書いたそうです笑
キャンディスというミドルネームも「なんか書いちゃった」とのこと。
でも、大野キャンディス真奈とすることで、唯一無二の名前となる。
楽しく的確なセルフプロデュースですね!
LGBTは意識しない
特に時流に乗ったわけではなく、自然と聖子さん役を設定したそうです。
これがまた、若い監督ならでは。本当に素晴らしいです。
これからの映像作品は、こうでなくてはならないのかも。
ジェンダー平等に問題意識をもって作ったわけではなく、
全然違うんですよね。LGBTの問題とかも、もちろん発信していくことは大切ですけど本当は言葉にする必要もなく、それが普通でしょ、その人自身を見ることが大切でしょみたいな世界になったら良いなと思っています。
https://qui.tokyo/feature/candis-mana-220722
私はこの聖子さん役がとても好きになりました。
憧れと尊敬すら抱いています。
「私はいつでも120%よ!!」
これは間違いなく、今作のベストフレーズですね。
映画の見どころ
ここからは映画の見どころを紹介します!
「愛」があればいいじゃない?
今作のテーマはずばり「愛」です。
愛があれば、誰が友だちだって、親だっていいじゃない。
そんな、優しく、寛容な気持ちを、はぐくむことができる暖かい物語です。
いろいろ大変なこともあるけど、明るくほっこりと楽しめます。
愛ちゃんの成長ストーリー
今作は、聖子さんと話したり、いろいろなところに出かけたりすることで、愛ちゃんが成長する様を見守るような物語です。
大切な人と話すことの大切さや、聖子さんような寛容な人への憧れの想いを、再認識しました。
魔女の宅急便を観るように、愛ちゃんと一緒に成長してみましょう。
実際にある原宿のお店
原宿にあるいろんなお店が登場するのも見どころです!
the Virgin Mary(ザ バージン メリー)という古着屋さんや、クレープの老舗などが登場しますよ。
原宿によく行く人はもちろん、憧れている人も楽しめます。
ここがすごいぞ!「愛ちゃん物語」
ここからは私が個人的にグッときたポイントを解説します!
狂気と笑いの共存
お父さん役の保土田寛さんの演技を筆頭に、狂気と笑いが絶妙に共存していました。
お父さんは怖い人だけど、次の瞬間には笑いに変わるような演技をいれる。
佐藤二朗さんっぽい、親しみやすい俳優さんです。
物語全体としても、ちょっとゾッとするような場面もありつつ、すぐ笑いに変わる。
この感じは、ティム・バートンや「K-12」、「ロッキー・ホラーショー」のに近しいです。
あえて型にはめない
愛ちゃんと聖子さんが初めて出会うシーンでは、不思議な感覚を味わえます。
愛ちゃんが自分の想いをうわぁぁぁぁぁぁぁと話すのですが、そのシーンは愛ちゃんの思考に発話が追い付いていないような演出がみられました。
左右のスピーカーから違うセリフを同時に聞かせることで、何とも不思議な雰囲気に。
ここでもそのスピード感に、少し狂気すら感じます。
恐可愛いです笑
場面の転換や、メタな演出なども、普通の映画の型にはハマっていない。
この独特の雰囲気をこれからも育てていってほしいです!
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「愛ちゃん物語」の見どころや、大野キャンディス真奈監督について解説しました!
監督自身が「最高じゃん!」と語るこの作品。ぜひご鑑賞ください!
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