映画業界の未来をかけた壮大なミッション…!
クリストファー・ノーラン監督の映画「TENET」がAmazon Prime Videoの見放題に追加されました。
こちらの作品、サブスクリプションに、なかなか追加されませんでした。
人気作品なのに、かなり時間がかかったよね。どうして???
それには深~い理由があるのです!!!
今回の記事では、なかなかサブスクに追加されなかった理由と、ノーラン監督に課された壮大なミッションの因果関係。
そして物語の道しるべとなるヒントをお伝えします!!
ノーラン監督のミッション
「TENET」は、コロナ禍で公開が延期されました。
世界中の映画館が閉まっていた、まさにあの時期に公開を予定していましたが、苦しくも延期に。
そしていよいよアメリカの経済活動再開と共に、映画館も徐々に営業を始めた2020年9月3日に公開されることに。
しかし、世間では、コロナ禍でAmazon Prime Video、Netflixを始めとした、映像のサブスクリプションサービスが、一気にスタンダードとなり、映画は、ローコストで、家で観るものであるという価値観が広がりをみせました。
それに打ち勝つには、圧倒的にビッグスケールで、エンタテイメント性に富んだ作品でなければならない。
はたして、「TENET」は、コロナ禍におけるサブスクに打ち勝つことができるのか?!
これからの映画界を背負って、公開された訳であります!
結果は?!
テネットは最終的に365億円ほどの興行収入となりました。
制作費200億円をチャラにするには600億が必要と言われているのですが、
ロサンゼルスと、ニューヨークという主要都市で劇場が閉鎖していたことを加味すると、十分に、検討したのではないでしょうか。
何より、IMAX作品の魅力を世界中に知らしめたことこそが、映画を映画館で観るという大義を果たしたことに他ならないと、私は思います。
私もノーラン監督作品だけは、できるだけIMAXで観たいと思うようになりました。
サブスクには流したくない!
ノーラン監督は、「TENET」をサブスクで流すことを断じて拒否したそうです。(このとき、ディズニー作品実写版「ムーラン」も公開予定だったのですが、Disney+で有料放映することを决めました)
なぜなら、ノーラン監督は、IMAXカメラの撮影に強いこだわりがあり、スマホ、PC、テレビなどの小さい画面で自分の作品を観られることが嫌だったからです。
だからこそ、先述のノーラン監督のミッションは、より思いの強いものになっている訳であります!
サブスクで観られるメリット
しかし、ノーラン監督の思いとは裏腹に、サブスクで観られるメリットもございます。
それは、巻き戻したり、一時停止して考えたりできることです。
「TENET」は非常に難解な構成になっております。
絶対に、一見ではわかりません笑
そのため、何度も繰り返し観られることはとても嬉しいです。
私も、見放題期間中は、何度も観ると思います。
考えすぎなくても…いい!
先述の通り、「TENET」は、非常に難解なストーリーです。
時間を逆行する装置の仕組みは、よくある時間転移装置とは一味違います。
指定した時間にタイムワープするのではなく、同じ時間を要して逆行する必要があるという複雑な決まりがあります。
それ故、全てを理解するのはなかなかにハードル高め。キチンとわかり切るには、量子物理学や宇宙に関する知識を学ぶ必要すらあるでしょう。
「難しすぎてわからなかったら嫌だなぁ」
そんなあなたに朗報。
劇中の登場人物のセリフに、
「考えすぎなくてもいい。感じなさい。」
というものがあります。
「燃えよドラゴン」のオマージュです笑
全てを理解しなくても十分に楽しめます。
知りたい人は、二度三度観て楽しみましょう!!
しかしながら、やはり道標や要点が分かっていたほうが、映画の味わいは深まりますので、ここからは少しだけ解説を。
あのシーンがCGじゃない?!
ノーラン監督は、CGを嫌っています。
その為、インセプションを除いた作品の多くが、CGなしのカットばかり。
「ダークナイト」のトレーラーの横転も、「インターステラー」の宇宙船も、本物を使って撮影しているのです!
そのこだわりは、「TENET」も同様。
それを踏まえた上で、カーチェイスのシーンや、飛行機の衝突、爆破のシーンなどを観ればまた、視え方が変わってきませんか?
200億円の制作費も頷けますよ!
ニール=ノーラン監督
ノーラン監督は、自身に似たルックスの登場人物を作品の中に登場させることが多いです。
「TENET」では、主人公の一番の協力者、ニールが該当します。
彼もまた、世界を救うべく、壮大なミッションに挑むのです。
他にもノーラン監督自身とクロスオーバーして映画を観ると、一つの指標になるはずです…!
後ろから本を読む
ノーラン監督は、小説や雑誌を後ろから読む習慣があります。
そうすることで、なぜそのような結末になったのかを、ミステリアスに楽しむことができるからだそうです。
「TENET」もそんな感覚で観ると、ストーリーを紐解くことができます。
瞬間瞬間でシーンに疑問を感じても、観ていくうちにわかるようになることが多々あるので、安心しながら観てください。
正直なところ、私も残り1時間までは、かなり意味不明でした笑
ちなみに、ノーラン監督の初期作、「メメント」もそんな感じ。
TENETとは
タイトルにもなっており、劇中にも何度か登場する「TENET(テネット)」とは、直訳すると「主義」という意味です。
しかしこのTENETは、逆から読んでもTENETと読めますよね。
これが、物語の時間の行き来とも繋がっているという、何とも洒落たネーミングな訳であります。
ケネス・ブラナー
今作で悪役を演じるケネス・ブラナー。
彼は映画監督としても相当な人物です。
「ベルファスト」という作品では、戦争で大切なものを奪われることを、それはもう見事に描いています。
「TENET」もまた、現在の某国の暴走を示唆するような箇所が含まれています。
戦争や兵器の脅威や愚かさについて、映画で闘う。
ノーラン監督とケネス・ブラナーの超大作をどうぞお楽しみください!
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「TENET」でノーラン監督に課されたミッションと、映画を紐解くキーワードを解説しました。
本当に素晴らしい作品ですので、ぜひ見放題のうちにご鑑賞ください。
あと、IMAXで鑑賞できるチャンスが来たらぜひ!
コメント