あんた誰だ?
あんたの話を聞かせてくれよ。
映画「CURE」を鑑賞しました。
黒沢清監督が、国際的にブレイクするきっかけとなった作品。
東京国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、役所広司が最優秀男優賞を受賞しています。
1997年に公開された作品ながら、ジャパホラ好きの間では、今でも名作として語られることが多いです。
結構古いよね?
なんで名作なの???
今回の記事では、映画「CURE」の見どころを紹介いたします。
これを読めば、今作がなぜ名作と呼ばれているか納得いただけるはずです!
STORY
ひとりの娼婦が惨殺された。 現場に駆けつけ、その死体を見た刑事の高部 (役所広司) は、被害者の胸をX字型に切り裂くという殺人事件が、 秘かに連続していることを訝しがる。犯人もその殺意も明確な個々の事 件で、まったく無関係な複数の犯人が、な 特異な手口を共通して使い、なぜ犯人たちはそれを認識していないのか。高部の友人である心理学者・佐久間(うじきつよし)が犯人の精神分析を施しても、この謎を解く手掛かりは何も見つからない。そのころ、 東京近郊の海岸をひとりの若い男が さまよっていた。 記憶傷害を持つ彼は小学校の教師に助けられるが、 教師は男の不思 議な話術に引きずり込まれ、魔がさしたように妻をXの字に切り裂いて殺してしまう。その後、男は警官に保護され、 そして病院に収容されて同様の話術を警官や女医 と繰り返した。 警官と女医は、それぞれに殺人を犯し、被害者の胸を切り裂いてしまう。
松竹作品紹介ページより引用
かなり面白い設定ですよね。
異なる人物が、同じ手口で惨殺を紡ぐなんて…。
不可解過ぎて、気になり過ぎます。
私と「CURE」
私は今でこそホラー大好きですが、当時まだ10才にも満たないお子様でした。
1998年に公開された「リング」が、金ローで放映されていたのを、ブルブル震えながら観たり、ノストラダムスのオッサンの予言にビクビクしたりしていました。
そのため、「CURE」は名前すら知りませんでした。
こんなすごい作品が、あったなんて…。
大変驚きです。
タイトル「CURE」
”CURE”は、病気を治す治療を指す意味の言葉です。
なかなかシャレの効いたタイトルです。
当初のタイトルは「伝道師」でしたが、当時社会的に大きな問題となっていた”オウム真理教事件“を連想させ、宗教的な犯罪映画だと誤解されることを考慮し、「CURE」に変更されました。
大正解ですね。
“CURE”治療する
先述した通り、”CURE”は治療を表す言葉です。
教師、警官、医者など、生活の中で誰もがもつペルソナ。
ネガティブさを引き出し、快楽としての殺人を実行させることで、精神的な癒やしを与える催眠治療とでも申しましょうか。
ゾッとするシーン
「CURE」には、背筋が凍るような、ゾッとするシーンがたくさんございます。
”冒頭のポップな音楽に載せた惨殺”のギャップに戸惑い。
”警察官が白昼堂々、派出所前で同僚を撃つシーン”の旋律を覚え。
”間宮の住居を訪れた後のフラッシュ”に震えます。
また、このシーンは、「シャイニング」のダニーのフラッシュによく似ています。自身が洗脳されたかのような錯覚に震えることでしょう…。
役所広司の演技
「CURE」は、ほとんどがワンシーンワンカットで撮影されたそうです。
黒沢清監督は、映画の詳細や、シーンの真意について多くを語らず、主演の役所広司に演技を任せたそうです。
「Shall we ダンス?」で主演を務めて以降、大変人気のあった役所広司。
彼の演じる役は、はたして、いい人なのか悪い人なのか。強い人なのか弱い人なのか。頼りないのか情けないのか。
そういった幅の広さがある役所広司だからこそ、この映画が、独特のミステリアスさや難解な雰囲気を醸し出しているわけであります。
もちろん、萩原聖人も重要なキーマンです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「CURE」の見どころを解説しました。
邦画にも「セブン」や「サスペリア」のような猟奇的なサスペンスホラーがあることを実感できるでしょう!
怖そうだけど、面白そう…。
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