「エブエブ」7冠から紐解く、近年の傾向
2023年3月13日に、第95回アカデミー賞の授賞式が行われました。
「エブエブ」が最多7冠という、もの凄い偉業を果たしました。
2020年代は、部門ごとにばらける傾向がありました。
ここまでたくさんの受賞というのは、2019年の「ボヘミアン・ラプソディー」の4冠以来の快挙となります。
すごいね「エブエブ」
今回の記事では、私なりに2023年のアカデミー賞について、ゴールデングローブ賞と比較したり作品の内容を考慮したりしながら振り返ってみようと思います。
2023年アカデミー賞の結果
「エブエブ」は最も優れた作品に贈られる作品賞をはじめ、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、編集賞の7冠を制覇しました。
ミシェル・ヨーとキー・ホイ・クァンが受賞したことは、かなり凄いことのように感じます。
どちらも第一線は退いていたといっても過言ではない俳優だからです。
これからまた活躍の機会が増えると思うと、何だか嬉しいですね。
また、「イニシェリン島の精霊」や「フェイブルマンズ」、「トップガン・マーヴェリック」、「アバターWoW」などかなりの粒ぞろいだった今回のノミネート作品の中での作品賞受賞は、中々の偉業であるといえるでしょう。
監督賞や脚本賞でも同様のことがいえますね。
昨年度と比較して
2022年のアカデミー賞作品賞は「コーダ愛のうた」が受賞しました。
何となく、傾向としては、家族愛や絆のようなものが、人々の心に響き、受賞に繋がりやすいような気がしますね。
社会的な背景も加味すると納得です。
ゴールデングローブ賞と比較して
ゴールデングローブ賞はスピルバーグ監督の「フェイブルマンズ」がドラマ部門、「イニシェリン島の精霊」がコメディ・ミュージカル部門で受賞しました。
やはり何となくこれまでの歴代受賞作品を観てもわかるように、ゴールデングローブ賞の方が、玄人感がありますね。
「エブエブ」はコメディ・ミュージカル部門でしたが、難解な部分の多い、分かる人には分かる感じの「イニシェリン島の精霊」に敗れてしまうという結果に。
個人的なアカデミー賞への思い
ここからは、個人的な感想や、今後の賞レースへの考えを述べていきたいと思います。
「バビロン」にも…
個人的には、今回の期間中に観たものや、ノミネートされたものの中では、「バビロン」が一番好みでした。
デイミアン・チャゼル監督は「ラ・ラ・ランド」で6部門を受賞した上に史上最年少という偉業を達成しています。
甘んじることなくこれからも精進せよという戒めもありつつ、「バビロン」はお金のかけ方や、映画業界をダーティに描いたという部分が印象悪かったのかもしれません。
でも、何か受賞して、もう少し上映期間伸びればもう一回観に行けるのになあなんて思ってたのでした。
ブラッド・ピットに助演男優賞は、相応しいと思うんですがね。
私の「バビロン」への思いはこちらをお読みください。
兎に角、私は映画への愛がたくさん詰まった「バビロン」が大好きです。
3回も観に行ってたもんね笑
「エブエブ」も「フェイブルマンズ」も
しかしながら、アカデミー賞の「エブエブ」も、ゴールデングローブ賞の「フェイブルマンズ」も、映画への愛はたくさん詰まっています。
近年の感染症の影響で大きなダメージを受け、それに負けないように、映画讃歌的な作品を作る傾向があるように思います。
賞の結果に関係なく、これからもみんなで映画をたくさん観て、たくさんいい映画が生まれるように、応援していきましょう👍
俳優への賞
「〇〇系で初の受賞」みたいな煽りを多く目にします。
今回の「エブエブ」コンビがそうですよね。
「コーダ」も視覚障害者ということで大きな注目を集めました。
ここから先は、性的マイノリティに対する受賞をどうするのかが気になるところです。
男優とするのか、女優とするのか、選び難い人たちも現れてくることでしょう。
中道的な部門を新たに作るのか、それともそういう人や作品はアンタッチャブルにするのか…。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
2023年アカデミー賞の結果から、様々なことを考えてみました。
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