Depends on your point of view, Hendley.
映画「大脱走」を鑑賞しました。
私は今作が大好きです!
DVDも持っているほどで、学生時代に何度も鑑賞しました。
当時は昔の映画を掘り下げている時期で、スティーブ・マックイーンの魅力にはまり、彼の演技や服装ばかりに目がいきました。
確かに、マックイーンがカッコいい映画だよね!
しかし前回の鑑賞からかなりの時間が経ち、社会人になってから観たのも、映画館で観たのも初めて。
大人になった今わかる面白さをはっきりと感じることができました。
今回の記事では、「大脱走」を映画館で観た感想と、大人になってから気づいた見どころを解説いたします!
STORY:
ドイツ北部第三捕虜収容所に札付きの脱走常習者、連合軍空軍将校らが移送されてきた。ヒルツ(スティーヴ・マックィーン)は鉄条網に近寄って威嚇射撃を受け、独房入り第一号に。トンネル掘りのベテラン、ダニー(チャールズ・ブロンソン)は、収容所敷地内から外に広がる森までの距離を目測していた。そんなある日、“ビッグX”こと空軍中隊長バートレット(リチャード・アッテンボロー)が入所。その指揮の下、脱走計画が立案される。
午前十時の映画祭より引用
本当にあったお話
「大脱走」は実話を元にしたお話です。
1944年3月にドイツ空軍の第三空軍捕虜収容所から76名の捕虜が脱走した史実を元にした映画で、
1950年に出版されたポール・ブリックヒルの同名のノンフィクション『The Great Escape』を原作としています。
また、その第三空軍捕虜収容所に収容されたアメリカ人捕虜のノートが発見されています。
こんな映画のような出来事が実際にあったなんて…。
もの凄いことだと思います。
彼らはどうして捕虜になったの?
以前、「戦場のメリークリスマス」の記事で、捕虜ってそもそも何なのか?どうして殺されずに生かされているのか?ということはご紹介しました。
今回は、負傷していない彼らがどうして捕虜として捕まったのかがとても気になりました。
「大脱走」に登場する軍人たちは、ほとんどが空軍です。
つまり、飛行機乗り。
ドイツの空で撃墜されたのちドイツ空軍に捕虜として捕まったんですね。
飛行機に乗ってない飛行機乗りなんて、軍人としては丸裸同然。
しかも降りた場所はドイツの戦地の真っ只中、仕方なく捕虜になったという感じでしょうか。
どうしてあんなに脱走したがるの?
「大脱走」に登場するメインキャラクターたちは、みな脱走がしたくてしたくてたまらないやつらばかりで、しかもそれぞれが脱走に関する何かのエキスパートなのです。
①どうしてこんなに脱走へのモチベーションが高く、②脱走者として秀でた者が集まってしまったのでしょうか。
それは、映画の冒頭で語られます。
まず①の脱走へのモチベーションの高さですが、これは脱走することで、敵をかく乱したり、敵国の兵力を割こうというねらいからです。
捕虜として捕まったからといって、大人しくしているのは、真の軍人とは言えない!タフな男たちが集まった訳ですね。
では②のなぜそんなタフで秀でた者が集まったかというと、これはドイツ側の作戦で、もう脱走の癖のある問題児は、一か所にまとめて管理しちゃおう!というものなんです。
このドイツの作戦は、73人の脱走を許してしまったことであえなく失敗になる訳ですが…。
しかし、脱走した50人をまとめて射殺したことは、この作戦の意図するところと繋がっていたんですね。
あの行為は、ジュネーブ条約違反であり、決して許されない重大な戦争犯罪ですが。
この映画最大の胸糞悪い、腹立たしいポイントですね。
ドイツ兵にもいろいろいた
今回鑑賞して、とても面白く感じたのが、ドイツ側の所長の立ち位置です。
彼は、空軍出身で、かなり品や軍人としての誇りの高い人物でした。
同じドイツ人でありながら、ゲシュタポの要人と話す時は、明かに嫌な態度を見せています。
また、第三収容所の捕虜はほとんどが空軍出身であるため、どこか尊敬の念や同族的な気持ちを抱いているようにも感じられました。
他にも、看守の一人「白イタチ」は、ドイツ軍に対する不満や愚痴をこぼすシーンが見られます。
第二次世界大戦中のドイツであっても、ヒトラーが嫌いな人もいれば、軍の在り方に疑問を抱く人がいたということがよくわかりますね!
史実においても、脱走者のために地図を描いたり、調達の手助けをしたりする人は実在したそうですよ。
荒野の3人
「大脱走」はジョン・スタージェスが監督を務めています。
ジョン・スタージェス監督は「荒野の七人」を手掛けた人物で、「荒野の七人」にはスティーブ・マックイーンとチャールズ・ブロンソン、ジェームス・コバーンも出演しています。
そのため、馴染みの出演者である彼らは、「大脱走」でもかなりいい役を演じています。
ほとんどの脱走者が死を遂げる中、マックイーンも、チャーブロも、ジェーコバも、最後まで生き残りますしね。
このシーンに注目!
「大脱走」は、コミカルで爽やかな物語ながら、哀愁や切なさを感じさせるシーンもありつつ、人間讃歌的な美しさもある映画です。
個人的に好きなシーンをいくつかご紹介します。
「Wao…!」密造酒のシーン
この映画で私が一番好きなシーンです。
独立記念日に向けて、アメリカ兵の3人がジャガイモから焼酎を密造するシーン。
できた焼酎を試飲するのですが、あまりの強烈さに一口で喉が焼け、かすれた声で「Wao…!」と言っちゃうんです。
マックイーンのかすれ具合が絶妙で、とてもコミカルで愛嬌があります。
追い詰められたアイブス
独房でヒルツと仲良くなる通称「モグラ」のアイブス。
彼は始めこそ飄々としたキャラクターだったのですが、長い捕虜生活に加えて、計1か月に及ぶ独房により、精神的に参ってしまいます。
それにとどめを刺すように、頼りの綱であったトンネルがばれてしまったことで、とうとう限界に。
鉄条網を登る直前の彼の表情はあまりにも切ない。
調達屋と白イタチ
ジェームズ・ガーナー演じる「調達屋」のヘンドリーはとってもカッコいいキャラクターです。
彼と看守の「白イタチ」が交流するシーンはとても笑えます!
調達のために、あの手この手で彼を油断させようし、それに毎度ぐらつく白イタチ。
タバコを吹きかけるシーンも、コーヒーを勧めるシーンも声を出して笑ってしまいました。
ヒルツの壁当て(ラストシーン)
ヒルツは独房に入る際、グローブとボールを持って入ります。
その後、独房の中での15日、壁当てをして過ごすのです。
この一連の流れは劇中何度か見られます。
最後の最後でもこのシーンは登場し、ヒルツが壁にボールをあてる音と共に、映画は幕を降ろします。
ここに、不屈の精神や、何があっても立ち向かう心の強さ、どんな時でも明るいヒルツの人間性が表れているように感じられます。
人間讃歌的な美しさが漂う素晴らしいラストですね…。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「大脱走」の感想や見どころをお伝えしました。
豪華キャストとマックイーンのアクション以外にも見どころたっぷりだね!
戦争映画でありながら、爽やかで笑えるシーンがたくさんありつつ、人間讃歌的なドラマまで魅せる、素晴らしい作品です。
個人的には映画館で初めてインターミッションでトイレにいけたのも貴重な経験でした笑
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