「猫と、とうさん」猫と人の絆について考える

ドキュメント・ノンフィクション系映画

人生はままならない。多分、猫生も。

映画「猫と、とうさん」を鑑賞しました。

今回、マイ・ホン監督の舞台挨拶つきの上映会に運よく参加することができたので、そこで私が質問した内容や分かった事なども合わせてお伝えしていきます!

ダニー
ダニー

ラッキーだったね!

bitotabi
bitotabi

猫を4匹飼った経験のある私にとって、非常に学びの深い作品でした。

作品概要

俳優兼インフルエンサー、ベイエリアの技術者、路上で暮らす男性、消防士、スタントマン、トラック運転手。
一見何のつながりもない彼らに共通するのは、共に暮らす猫への愛だった。
誰にとっても未曽有の試練となった2020年を、愛猫とともに乗り越える9人の男たちを描いた本作。
メガホンを取るのは、マイ・ホン監督。夫が猫を愛するようになり、内面に深くポジティブな変化があったと感じた彼女はこう語る。
「彼はより柔らかく、より忍耐強く、何より思いやりのある人間に成長したようです。そのため、同じような変化を遂げた男性を探し、そのストーリーを記録したいと思うようになりました。人々が希望や救済、仲間を切実に求めていた1年のポートレートであると同時に、猫を大切にしながら今を生きる男性の姿を見て、前向きな変化のきっかけになることを願っています」

映画公式サイトより引用

本作は、ドキュメンタリー映画です。

たくさんの猫たちとその飼い主の男性にスポットの日々を切り取った内容になります。

コロナ禍を経て、猫と人との関わりや、人生の豊かさのようなものについて考えが深まる作品でした。

 



海外では猫好き男性がブーム

アメリカでは、InstagramなどのSNSで、猫を愛する男性に注目集まっています。

男性と飼い猫のツーショットなどを投稿すると、好印象で、一躍人気インフルエンサーになるような流行が、数年前からあるそうですね。

日本でもそれなりに人気でしょうが、アメリカでのそれとは少し勢いがことなります。

背景としては、感染症期間中に、多くの人がスマートデバイスでSNS動画を観る機会が増えたことがあるようです。

コロナ禍の巣ごもり期間中に、ペット動画に癒された経験、みなさんもあるのではないでしょうか。

何となく、海外の投稿が多かったような気がしませんか?

そういった猫好き男性のことを「Cat Daddies」と呼ぶそうです。

Daddyというと、父親を意味する言葉かと思われますが、英語圏では魅力的な男性を表すスラングでもあります。

本作は、その「Cat Daddies」を、そのままタイトルにしているのです。

映画に出てくる男性たちも、ほとんどが独身者でした。(パートナーはいるようでしたが)

そのため、「猫と、とうさん」というよりは「猫の、とうさん」といった感じです。

猫の個性

本作を観ると、猫って本当に個性的なんだなと実感できます。

猫を飼ったことがない人は猫に対して「クールで、人には懐きにくい」というイメージをお持ちかもしれません。

しかし、複数猫を飼った経験のある人ならお分かりいただけるかと思いますが、猫ってそれぞれ、全然性格が違うんですよ。

私が飼っていた4匹の猫も一匹一匹全然違う個性を持っていました。

いつでも膝や胸の上に乗ってきてどれだけ触っても怒らない子、

賢くてこちらの考えを全てわかっていそうな子、

猫同士は仲がいいけど人間にはそうでもない子、

こっちから触るとひっかくけど向こうからは寄ってくる子、

などなど。

本作に登場する消防署のフレームくんは、飼っていた子にそっくりで、ちょっとウルッときました。

あまりにも人懐っこくて、猫のイメージが変わったと消防署の男性たちが語っており、正しく私も同じ感動を覚えたからです。

ポンちゃんという名前のトラ猫で、他の猫に比べて間の抜けたところがあるのですが、もういつでもゴロゴロ喉を鳴らして、「ポンちゃん」と呼ぶと必ず返事をし、いつも私たちの傍にいてくれました。

舞台挨拶で質問してきた!

シネリーブルの舞台挨拶

私がマイ監督に質問したのは、

撮影が大変だった猫はいましたか?

という内容です。

私が飼っていた猫たちは、家族の前ではリラックスしていましたが、来客があるとみんな走ってどこかへ隠れてしまっていたからです。

マイ監督は、このように答えてくれました。

逃げたり隠れたりしてしまうことはありました。中でも、消防署のフレームくん。撮影スタッフが来ると、どこかへ行ってしまいましたね。消防署の職員の人たちから『今、フレームいるよ!』と連絡を受けて、何とか撮影できました

ここでフレームくんの名前が出てきて、私はさらに感動しました。

私がフレームくんと重ねていたポンちゃんが、一番来客に対して臆病だったからです。

加えて、マイ監督はこうもおっしゃっていました。

撮影するときは、カメラもライトも必要最低限にしていました。スタッフも猫が好きな人で

なるほど、やはり猫の撮影は、かなりデリケートなのですね。

マイ監督が猫を愛し、敬意を表していることも伺えます。

また、キャスティングについては、SNSでフォローしていた人たちを中心にしたそうです。

SNSを観れば、人柄や猫柄が何となく分かるし、猫の種類や飼い主の職業も多様なものにしたかったからだそうです。

さらに、SNSである程度著名な猫たちは、カメラや人に慣れていることが多く、撮影のハードルが下がることも狙いだったとか。

それでも、やはりそのままのすがたを撮影することは難しく、ゴロゴロと喉を鳴らす音を拾うのは特に困難だったと監督のパートナーであり、映画プロデューサーのデイブ・ボイルさんが語っていました。

右の男性がデイブ・ボイル氏

猫がマイクをおもちゃだと思って遊んでしまうので、喉の音は自分の飼い猫のものを録音して後から編集していれたと語っていました笑

デイブ・ボイルさんは日本語も流暢で、めちゃくちゃ面白い人でした。

 



なぜ猫を愛するのか

本作は、猫と人の繋がりや絆について物語っていました。

路上で生活する男性にとって、猫はどのような存在か。

現場で命を落とすかもしれない消防士にとっては。

国中を運転するトラックドライバーにとっては。

保護猫活動をする男性にとっては。

私なりにどうして人は猫を愛するのか、考えてみました。

猫って犬と違って、盲導犬や聴導犬のように人の介助をすることはないし、警察犬や災害救助犬のように人を守ることもなく、牧羊犬や猟犬のように人の指示に従って働く事もありませんよね。

これまでの歴史を振り返っても同じでしょう。

それなのになぜ、ここまで人との繋がりが強いのでしょうか。

それは、人が猫から癒しを受けたり、人が猫に奉仕することで安心感を得たいからなんだと思います。

実際、セラピー犬と同じく、セラピー猫は存在します。(映画でもラッキーという子がセラピー猫として病院にいく話が出ていました)

一緒にいることで癒され、安心できる。これはもう正しく家族と同じですね。

無償の愛を厭わない存在。

何も、それは猫に限ったものではありません。犬も、鳥も、爬虫類も、魚も、虫だって人によってはそんな存在かもしれませんね。

コロナ禍で感じた不安を癒してくれたのは、ペットの存在だったのではないでしょうか。

こちらに癒しや安心感、愛を与えてくれる最高のパートナー。

それが猫を含めたペットなんじゃないかな~と思いました。

飼っていた双子の猫
この子は18歳くらいの老猫で、まだ実家にいます

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

「猫と、とうさん」の感想を通じて、猫と人の繋がりについてお伝えしました。

ダニー
ダニー

観た後はきっと猫に会いたくなりますよ!

bitotabi
bitotabi

私も実家の猫に会いに行こうと思います。

 

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