『プロメテウス』人間を創ったのは誰か?

SF映画

人間を創ったのはだーれだ

映画『プロメテウス』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。

本作は、エイリアンシリーズの続編で、監督は再びリドリー・スコットにもどっています。

成り行きとしては、『エイリアン3』『エイリアン4』が興行的に失敗し、続く『エイリアンvsプレデター』でいよいよシリーズが駄目になってきたので、FOXが何とかしようと、ジェームズ・キャメロン監督にオファーしたものの、断られてしまいました。

そして、リドリー・スコット監督が引き受けたという経緯になります。

bitotabi
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何とも贅沢な采配です。

本作は、リドリー・スコットが作った『エイリアン』の前日譚的な話になっています。

ほとんど説明が無いので分かりにくいんですが、『エイリアン』で初めにノストロモ号のクルーたちがエイリアンの卵に遭遇する前に、宇宙船に乗った巨大な人間の亡骸を目撃します。その正体に迫るような内容になっているんですね。

ダニー
ダニー

なるほど…!

その上、宗教や神話、オカルトをごちゃ混ぜにしたような内容ですので、『エイリアン』を観ていない人はもちろん、観た人でも分かりにくいストーリーとなっています。

今回の記事では、難解な『プロメテウス』についていくつか解説をお伝えしていきます。

人間を創ったのは誰か

『プロメテウス』の根本的なテーマは、「人間を創ったのは誰か」を問うというものです。

冒頭のシーンで、巨人が降り立つ惑星は地球。

そして、キャビアみたいものを食べるのは、自分の身体を犠牲にして、地球に人類の種を蒔いたという描写なんです。

人間の成り立ちは、ダーウィンの進化論が一般的な解釈で、単細胞から徐々に進化を続けた結果、人間になったというのが通説です。

しかし、『プロメテウス』では、遥か昔、宇宙人が地球にやってきて人間を創ったのだというストーリーになっています。

こういった論を信じている人も、一定数いるんですよ。

そして、リドリー・スコットもその一人。(後述しますがキューブリックも)

しかし、こういう論で、否定されるのはダーウィンだけではありません。そう、宗教にも反する考え方なんです。

宗教の世界では、神が人間を創ったとされていますが、この論だと神が宇宙人だということになりますよね。

『プロメテウス』は神=宇宙人なのだと論じている作品なんです。

エジプトのピラミッドがその代表的な例。当時の技術で作れたはずがないので、宇宙人が指南したり作ったりしたはずであるという説ですね。(ヨーロッパ人の妬みだという考え方もありますが)

ですので、『プロメテウス』は、彼ら(宇宙人)が来て人間にいろんなことを教えたというオカルト信仰を盛り込んでいる映画なのです。

 



タイトルについて

『プロメテウス』というタイトル。

当時エイリアンシリーズはすでにオワコンになりつつあったので、あえて全く別の作品であるというねらいで、エイリアンというタイトルを付けなかったんです。

なので、『プロメテウス』は『エイリアン』との繋がりを断つ商業的な意味もあったんです。

ちなみに、「プロメテウス」という言葉は、人間に火を与えた超常的な存在を示唆するタイトルになっています。

ギリシャ神話に登場する神の名前で、人間に火を与えたことで神の世界から追放されてしまうんですね。

火を与えられた人類は、大きく発展し、段々と神の所業に近づくほどに発展していきます。

なので、『プロメテウス』というタイトルには、人間が神の領域に入っていくという意味が込められているのです。

人間と同じ見た目のロボット(デヴィッド)を作る点で、神に近づいたという意味ですね。

 



2001年宇宙の旅との繋がり

『プロメテウス』はキューブリックの傑作『2001年宇宙の旅』とよく似ています。

キューブリックも、神=宇宙人説を支持していた一人なんです。

ロボットや人間が、神の世界へ入ろうとするという点が非常に近しいですよね。

リドリー・スコットは、キューブリック大好きですから。

先日公開された『ナポレオン』も『バリーリンドン』をかなり強く意識していましたしね。

ちなみに、オマージュも込められています。

乗組員のコールドスリープ中に操縦しているのがデヴィッドというロボットです。

『2001年宇宙の旅』のデヴィッド・ボーマン船長と同じ名前ですね。

ちなみに、『シャイニング』のオマージュも見られます。

ラストの斧での戦闘と、隙間から覗くシーンにご注目ください。

 



あと、『メッセージ』という映画ともよく似ています。

同じような場所がチラッと出てきますし、初めの創造主の宇宙船の形がそっくりなんです。バカうけみたいな形のやつ。

『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はリドリー・スコットと『ブレードランナー2049』を共同して作っているので、一番弟子のような立ち位置なのかもしれません。

ここにも注目!

『プロメテウス』では、今一つ彼らの目的がよく分からないんですが、ざっくりいうと宇宙人(創造主)に会いたいのが数名。

そして、社長は宇宙人(創造主)に会って、ヤンチャだった若い頃に戻りたいんです。永遠の命をほしいんです。ドラゴンボールのフリーザとかピッコロ大魔王みたいな感じですね。

だから、若いアクターに老け顔メイクを施しているというわけなんです。

どうしてここまで色々なことがわかりにくくなってしまったかというと、シナリオに後から色々足したから理由がごちゃごちゃになってしまったんだそうです。

後から足して、長くなりすぎたからカットして、全然分かんなくなってしまったと…。

先述の社長の若いシーンも、ブルーレイとかには収録されているかもしれません。

あと、なぜ宇宙人(創造主)はせっかく創った人間たちを攻撃したかというと、最後に地球へ行った仲間が人間に殺されてしまったからなんです。

その仲間というのが、イエス・キリスト

イエス・キリストは実は宇宙人で、彼らに指南しにやってきたんですが、人間に殺されたから、人間を邪悪で凶暴なものだと感じて、滅ぼそうとしたというわけなんですよ。

最後に、地形を調べる道具が超カッコイイです。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画『プロメテウス』について、詳しく解説しました。

bitotabi
bitotabi

ポイントは1点、「誰が人間を創ったか」です!

ダニー
ダニー

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