映画『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
本作はフィンランドの巨匠アキ・カウリスマキによる1994年の作品です。
最新作『枯れ葉』を観てからというもの、アキ・カウリスマキの世界にハマってしまいました。
アキ・カウリスマキはこんな監督だよ↓
社会の底辺に属する労働者や失業者を主人公に据え、踏みにじられる人間性とその回復を描くことが多い。恋愛・犯罪・死・旅・音楽といった古き良き映画の娯楽要素を受け継ぎつつ、大仰な演技や劇的なセリフ回しを排して等身大に演出するのが持ち味。飄々としながらも血の通った人間賛歌を天性のユーモアで成立させている。ロケーション撮影を多用して描かれる、フィンランドの庶民的な風俗・風景も見どころ。
Wikipediaより引用
結構大変な目に合っているのに、ユーモラスな世界で包み込むことによって、笑いに昇華しているんですよね。
また、アキ・カウリスマキ作品の多くは、男女が出会い、発展していくパターンになっています。
しかしながら、『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』は、労働者三部作や敗者三部作のようなドラマものとは違う種類の作品です。
アキ・カウリスマキ作品は、『愛しのタチアナ』や『真夜中の虹』のようなロードムービーも多く、本作もロードムービーではあるんですが、メインとなる人物たちが、バンドメンバーなんです。
レニングラード・カウボーイズは、この映画以降、現実的にも人気となるんですが、それについては前回の記事で詳しく説明していますので割愛します。
本作は、『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』の続編です。
前作でマッティ・ペロンパー演じるマネージャーがバンドメンバーのもとから去った者の、モーゼを名乗って再び現れるというストーリー。
ぶっちゃけ、前作に比べると、かなりパワーダウンは否めない。
まず、バンドメンバーがメキシコ風味な見た目やサウンドになってしまって、魅力がなくなってるんです…。
スーツにへんな髪型ってのが、カルト臭ムンムンでよかったのに…。
それを補うように、新メンバーがいっぱい出てきてこちらはビシッと見た目は決まってるんですが、キャラクター的に全然弱いんですよ…。
今回はアメリカを飛び出して、ヨーロッパ各地で撮影しています。
この各国ロケが本作の一番の見どころだとは思うんですが、いかんせん土地の魅力を伝えきれていない印象です。(実際にかなり弾丸ロケだったみたいですね)
この経験をもって、以降の作品はフィンランドでの撮影を主としたのだとか。
敗者三部作が素晴らしいものになったのは、本作が一つ布石になっていることは間違いないでしょう。
そう思うと本作も必要な過程で重要な作品の一つなのかもしれません。
また、タイトルにモーゼが入っているので、出エジプト記をもじったようなストーリーも好きな人には面白いかもしれません。
モーゼのように、バンドメンバーをマッティ・ペロンパーが導くという流れですね。小ネタもチョコチョコ出てきます。
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』について解説しました。
今一つの作品ではありますが、以降のアキ・カウリスマキ作品のブラッシュアップに繋がったことは間違いないでしょう。
Amazon Prime Videoで観られるよ♬
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