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スティーブン・キングは、恐怖小説の巨匠として知られている巨匠。
彼の作品は、単なる恐怖を超えて、深い心理的なテーマを扱っています。
実はスティーブン・キングは自身が恐怖に感じることを乗り越えるために、小説を書くことが多いんです。
「小説にしてしまえば、それは嘘になる。そんな恐さは存在しないのだ!」
本になってしまったら、それはフィクションである。そういうマインドで書いているそうなんです。
スティーブン・スピルバーグも同じタイプなんだよね。
今回は、彼の代表作の一つである『ミザリー』に焦点を当て、キングがこの作品を通じてどのような恐怖を克服しようとしたのかを探ります。
『ミザリー』の概要
『ミザリー』は、ベストセラー作家ポール・シェルダンが、熱狂的なファンであるアニー・ウィルクスに監禁されるというストーリーです。アニーはポールの最新作に不満を持ち、彼に新しい結末を書かせようとします。
この緊迫した状況の中で、ポールは生き延びるために奮闘するというのが主なストーリーです。
キングの恐怖: 熱狂的なファン
スティーブン・キングは、自身の経験を基に『ミザリー』を書きました。
彼は、熱狂的なファンからのプレッシャーや期待に対する恐怖を感じていました。
アニー・ウィルクスは、その象徴とも言えるキャラクターです。
彼女の執拗な愛情と支配欲は、キングが感じたファンからの圧力を反映しています。
スティーブン・キングのルックスが欧米で好まれやすいものなのかどうかは分かりませんが、彼は今なおジーンズを履いて若々しくエネルギッシュであることは確かです。
創作の孤独とプレッシャー
『ミザリー』はまた、創作活動における孤独感やプレッシャーを描いています。
ポール・シェルダンがアニーに監禁される状況は、キング自身が感じた「書かなければならない」というプレッシャーや、創作の孤独を象徴しています。
キングは、この作品を通じて、自身の内面と向き合い、恐怖を乗り越えるための手段として執筆を行いました。
『シャイニング』も『ミザリー』も舞台がコロラドなんだよ。これはスティーブン・キングも実際に『シャイニング』を1年間コロラドで執筆した経験から来ているんだって!
薬物依存との戦い
執筆当時、キングは薬物依存からの回復過程にありました。
『ミザリー』は、彼が薬物依存と戦う中で感じた孤立感や絶望感を反映しています。
アニーの監禁による閉鎖的な状況は、キングが感じた絶望感を象徴しているのです。
コカインや咳止めシロップ、大麻だったと言われています。
他の作品における恐怖の克服
スティーブン・キングは他の作品でも自身の恐怖と向き合っています。
例えば、『シャイニング』はキングがアルコール依存症と戦っていた時期に書かれました。
主人公ジャック・トランスの狂気は、キング自身のアルコール依存症の象徴です。
『ペット・セメタリー』では、キングは家族の死に対する恐怖を描いています。
この作品は、彼が家族を失うことへの恐怖を克服するために書かれました。
主人公ルイス・クリードが死者を蘇らせようとする行為は、愛する者を失うことへの絶望感を反映しています。
また、『It』では、キングは子供時代の恐怖やトラウマをテーマにしています。
ペニーワイズという恐ろしい存在は、子供たちが直面する様々な恐怖の象徴です。
キングはこの作品を通じて、子供時代の恐怖を乗り越える過程を描いています。
映画『ミザリー』の見どころ
映画『ミザリー』は1990年に公開されました。
見どころは何といってもアニーを演じたキャシー・ベイツの鬼気迫る演技でしょう。
あの恐さなら、スティーブン・キングも納得したことと存じます。
本を愛するが故に、その愛のかたちがねじ曲がってしまっても気づくことのできない、そんなヒステリック横綱って感じの役ですね。
ちなみにキャシー・ベイツは、『タイタニック』で優しいモリーおばさんを演じており、比較して観るとこの人の演技の高さが実感できるかと思います。
また、作家ポールを演じたジェームズ・カーンも見逃せません。
とにかくいいように痛めつけられ、作戦もなかなかうまくいかないのがコメディのようですらあります。
ジェームズ・カーンといえば、『ゴッドファーザー』や『ローラーボール』の中で、割とイケイケの暴力男を演じている俳優なんですよね。
そんな彼がなす術もなくおばさんに殴られたり介抱されたりするのがたまらなくいいんですよね~。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
スティーブン・キングの『ミザリー』は、単なる恐怖小説ではありません。
彼の内面の恐怖や葛藤を描いた深い作品です。
映画も本もとっても面白いよ!
キングは、自身の恐怖を乗り越えるために執筆を続け、その結果として読者に強いメッセージを伝えているんですね。
『ミザリー』を通じて、私たちは彼の恐怖とその克服の過程を垣間見ることができるのです。
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