「ブルース・ブラザース」を鑑賞しました。
町山智浩さんの解説を聞きながら、細部までたっぷり味わいながらの鑑賞。
今回の記事では、「ブルース・ブラザース」について、町山さんのお言葉を借りつつ、自分なりの解釈も交えまして、より楽しむための8つのポイントを解説します!
ただのコメディ・ミュージカルで終えるのは、もったいないですよ!!
黒人音楽の歴史を辿っている
「ブルース・ブラザース」は、黒人がこれまでたどってきた音楽の歴史をなぞって作られています。
この映画で歌われる曲を聴いて、「全然ブルースじゃねえじゃん!」と感じた人もおられるかもしれません。
そうなんです。この映画では、様々なジャンルの音楽が使われています。
しかし、そのほとんどが、黒人に関連するジャンルです。
カメオ出演する豪華アーティストも、黒人が多いです。
ゴスペル
教会のシーンですね。
ジェームス・ブラウンがカッコよく歌い上げます。
1930年頃がルーツです。
R&B・ソウル
レストランのシーンです。
アレサ・フランクリンが名曲「Think」を歌います。
1940年頃がルーツです。
ブルース
ブルースはもちろん何度か使用されますが、
ルーツを辿るという点において、重要なのは、
マックスウェルストリートでジョン・リー・フッカーがバンドと演奏しているシーンです。
ブギスタイルの生みの親です。
1903年がルーツとされています。2003年はブルース生誕100周年が合衆国で祝われたそうです。
ロックンロール
楽器店でレイ・チャールズとブルース・ブラザースバンドが歌うシーンです。
「シェイク・ユア・テイル・フェザー」という曲です。
1950年頃がルーツです。
元々は、レイではなく、リトル・リチャードが出演する予定だったとか。
私はこのライブシーンが一番好きです。色んな人が出ているし、子どもが楽しそう。
ミニー・ザ・ムーチャー
ミニー・ザ・ムーチャー【Minnie the Moocher】は1931年のキャブ・キャロウェイの曲です。
映画でも本人が歌っています。
黒人音楽で初めて100万枚以上売り上げた曲です。
カントリーは白人発祥
作中、しぶしぶカントリーを歌うシーンがあります。
これは、カントリーは白人の音楽で、南部での黒人への差別的な扱いを伝えています。
女性蔑視溢れる2曲目もすごい曲です。
ブルースブラザースの実は
これより先は、少々マニアックな情報を交えながら、「ブルース・ブラザース」の「実は」なお話を伝えていきます!
実は制作費が高い
「ブルース・ブラザース」は制作費がおよそ3000万ドル、つまり、日本円で30億円と言われています。
今にするとそこまで大した額には感じませんが、当時にすればもの凄い額です。
同時期の作品としては、「シャイニング(1200万ドル)」「エレファントマン(500万ドル)」「スターウォーズ帝国の逆襲(1800万ドル)」などがあります。
コミカルな作品ながら、かなり制作費がかかっていることがわかりますね。
おそらく、カーチェイスと、警察・市役所・州軍の協力、豪華アーティストのギャラなどが膨大だったのでしょう。(警察も州軍も本物)
レイア姫も出てる
豪華出演者の一人が「キャリー・フィッシャー」です。
スター・ウォーズシリーズで「レイア姫」を演じた女優です。
ほぼ同時期であったにもかかわらず、かなり印象の違う役を演じているのが面白いです。
片やお姫様、片やマフィアの爆弾娘です笑
ゴーストバスターズも出てる
ブルース弟役の「ダン・エイクロイド」はゴーストバスターズの一員です。
まだ20代で、若々しいです。
兄はコカインでヘロヘロ
ブルース兄役の「ジョン・ベルーシ」は、序盤の階段落ちのシーンで、足を怪我したそうです。
そのため、痛みを紛らわせるため、コカインをやりまくっていました。
撮影中逃げ出したりして大変だったそうです。
トーストの謎
ブルース弟が、トーストを焼いたり食べたりするシーンが何度かあります。
これ、全然何のジョークかわかりません笑
ブルースブラザーズは多くのシーンをカットしているそうです。(暗転が多いのもこれが理由かも)
恐らく、カットした中に、トーストの秘密があるのではないかと踏んでいます笑
ナチスのシーン
ナチスドイツが、パレードの為橋を封鎖するシーン。
あのシーンは、実際に、ナチス側が裁判で勝ってパレードをした出来事からきているそうです。(報道・表現の自由が認められたようです)
シカゴは、1890年代あたりに、ポーランド人、チェコ人、東欧系ユダヤ人が多く流入しているため、反ナチス、反白人至上主義なのです。
色んな人種が幸せに
冒頭の教会でのゴスペルシーンにて、ブルース弟が
「And God bless the United States of America!」
「アメリカ合衆国に祝福を!」
と言います。
実はこのセリフとっても重要です。映画全体のメッセージともとれます。
「ブルース・ブラザース」は白人が、黒人の音楽の歴史を辿ります。
また、大人も子どもも、盲目の人も、みな明るく笑顔です。
そして、様々な人種が、みんな一緒にいるシーンが多いです。
1980年にこんなに黒人をエキストラで出演させるのもとても珍しいことです。他の映画と比べれば一目瞭然。
そういった、人種平等的な描かれ方をしているからこそ、カントリーのライブシーンや、ナチスドイツの登場シーンがより映えるのだと思います。
ああいった不平等な世界が悪目立ちするって、とても素晴らしい事だとおもいます。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「ブルース・ブラザース」の見どころをたくさん紹介しました。
音楽の知識が身に着くだけでなく、笑えるだけでもない。
アメリカの幸せと平等を願った素晴らしい作品です。
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