映画「ボイリング・ポイント」を鑑賞しました。
ロンドンの人気レストランの多忙なある一日を切り取って、様々な社会問題を浮き彫りにした、緊張感あふれる作品でした。
とっても疲労感を味わえる作品でした。
その理由を解説します。
STORY
一年で最も賑わうクリスマス前の金曜日、ロンドンの人気高級レストラン。その日、オーナーシェフのアンディ(スティーヴン・グレアム)は妻子と別居し疲れきっていた。運悪く衛生管理検査があり評価を下げられ、次々とトラブルに見舞われるアンディ。気を取り直して開店するが、予約過多でスタッフたちは一触即発状態。そんな中、アンディのライバルシェフ・アリステア(ジェイソン・フレミング)が有名なグルメ評論家サラ(ルルド・フェイバース)を連れてサプライズ来店する。さらに、脅迫まがいの取引を持ちかけてきて…。もはや心身の限界点を超えつつあるアンディは、この波乱に満ちた一日を切り抜けられるのか……。
http://www.cetera.co.jp/boilingpoint/
2022年、最も疲れる映画
私は今作を「2022年で最も疲労感を味わえる映画」と断言できるでしょう。
それは、内容が退屈だからではありません。むしろその逆。
映画であることを忘れるほどの、緊張感が90分ずっと続くからです。
舞台はワーキングクラス
「ボイリング・ポイント」では、庶民的な人々の生活感や、仕事上の悩みを、ダイレクトに味わうことができます。
休日に観にいったのに、出勤したような疲労感でした笑
私を含め、多くの労働者階級に属する人は、あのレストランの現場や人間関係を、辛いほどに共感できるはずです。
ワンカットの臨場感
また、この映画の見どころの一つに「ワンカット」で撮影されているという点があります。
「ワンカット」とは映像を途切れさせることなく、カメラで取り続けて映画を作ることです。
そのため、物語が途切れることがありません。自分も厨房の一員としてそこにいるような何とも言えない臨場感でした。
本当に疲れます。時給もらいたいくらいです笑
ロンドンという街
今作の舞台は「ロンドン」です。
ロンドンという町が抱える人種や階級的な問題も映し出していました。
『ブレイディみかこ』さんのコメント
ブレイディみかこさんをご存じでしょうか。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者です。
この本では、ロンドンで暮らすブレイディみかこさんと、その息子の体験を通して、日本では味わい難い、ロンドンという町の多様さを知ることができます。
興味のある方はぜひご一読ください。感動しますよ。
そのブレイディみかこさんが以下のようにコメントしています。
この映画を見た翌日、英国でレストランに行った。
シネリーブル梅田のポップより引用
「夕べ、あの映画を見たんです」とウエイターに言うと、「あれはけっこう現実ですよ」とにやりと笑っていた。
それぐらい英国では誰もが見た作品だ。
あなたもきっとこれまでと同じ感覚ではレストランに座っていられなくなる。
私は、映画を観る前にこちらのコメントを拝読しました。
確かに言われてみれば、様々な事象が描かれています。
自傷する若者、アルコール依存症、薬物、人種差別、金銭トラブル、性的マイノリティなどなど…。
ロンドンの町が抱える多様な現実。
日本ではなかなかお目にかかれないことばかりです。
音楽がとてもいい
「ボイリング・ポイント」は音楽のセンスが抜群にいいです。
レストランでかかっているBGMや、エンディングのチルミュージックは、何とも粋でオシャレ。
エンドロールのデザートまで楽しめること間違いなし。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「ボイリング・ポイント」の見どころを解説しました。
臨場感と共感に溢れた作品であるため、かなりの疲労感を味わえます。
また、ロンドンをよく知る「ブレイディみかこ」さんからお墨付きをもらうほど、繊細なリアリティ。
なかなかお目にかかれない作品ですよ…!
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