1992年に公開され、多くの観客を恐怖のどん底に突き落としたホラー映画『キャンディマン」』。
その名を現代に轟かせたのが、2021年に公開されたリメイク版です。
単なる焼き直しではない、現代社会への鋭いメッセージを込めた本作は、ホラー映画の枠を超えた衝撃を与えました。

製作がジョーダン・ピールというだけあって、かなりクセと社会的メッセージ性の強い作品です。詳しく解説していきましょう。

あらすじはこんな感じだよ!
シカゴの高級コンドミニアムに引っ越してきたヴィジュアルアーティストのアンソニー。創作活動のネタを探していた彼は、かつて公営住宅が建ち並んでいたカブリーニ=グリーン地区に伝わる都市伝説「キャンディマン」に興味を持つ。
元住人の老人から聞いたのは、白人による暴力で惨殺された黒人たちの悲惨な物語。アンソニーは、その忌まわしい過去に足を踏み入れてしまう。
キャンディマンの謎を追ううちに、アンソニー自身も想像を絶する恐怖に巻き込まれていく。そして、彼のルーツが、キャンディマンの伝説と深く関わっていたことが明らかになる。
キャンディマンとは何者なのか?アンソニーに待ち受ける運命とは?恐怖と謎が連鎖し、物語は予想外の方向へ進んでいく。
ジョーダン・ピールの作品に込められた、黒人差別の告発とジャパニーズホラーの影響
リメイク版『キャンディマン』の製作を務めたジョーダン・ピール監督は、これまでも作品を通して、黒人差別に対する力強いメッセージを伝えてきました。
- 『ゲット・アウト』(2017年):
- 白人至上主義のコミュニティに迷い込んだ黒人男性の恐怖を描き、根深い人種差別を浮き彫りにしました。
- 『アス』(2019年):
- アメリカ社会における格差と分断を、ドッペルゲンガーという形で表現し、社会問題を提起しました。
- 『NOPE/ノープ』(2022年):
- 映画界における有色人種への差別や搾取をテーマにしました。
これらの作品に共通するのは、ホラーやサスペンスというエンターテイメントの中に、社会に対する鋭い批判を織り込んでいる点です。
特に黒人に対するものですね。
また、ジョーダン・ピール監督は、黒沢清監督や『リング』の中田秀夫監督など、ジャパニーズホラーの巨匠たちの作品を愛好していることでも知られています。
そのため、彼の作品には、ジャパニーズホラー独特のじっとりとした恐怖や、因果応報の要素が色濃く反映されています。
『キャンディマン』リメイクに込められた、ジャパニーズホラー的な恐怖と因果
リメイク版『キャンディマン』もまた、ジョーダン・ピール監督のジャパニーズホラーへの傾倒が感じられる作品です。本作では、キャンディマンの恐怖が、噂や都市伝説を通して人から人へと伝播していく様子が、まるで呪いが拡散していくかのように描かれています。
この恐怖の伝播は、『リング』や黒沢清監督の『CURE キュア』などのジャパニーズホラー作品に見られる、じっとりとした恐怖や、逃れられない因果が巡る恐怖を彷彿とさせます。
さらに、本作では、主人公アンソニーが実はキャンディマンと深く関係していたというストーリー展開が描かれます。この展開は、怪異の要因を探っていくという、ジャパニーズホラーによく見られるロジカルな展開を彷彿とさせます。
ニア・ダコスタ監督の才能
本作のメガホンを取ったのは、新鋭の女性監督ニア・ダコスタです。彼女は、本作でその才能を高く評価され、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品『ザ・マーベルズ』の監督にも抜擢されました。
ダコスタ監督は、本作で、視覚的に美しい映像と、観客を恐怖に突き落とす演出を巧みに融合させています。特に、鏡を使った演出は、彼女の才能が遺憾なく発揮されたシーンと言えるでしょう。
「キャンディマン」とは何者なのか?
「鏡に向かって5回その名を唱えると、殺人鬼が現れる」という都市伝説。本作の主人公、アンソニーは、この都市伝説に魅了され、創作活動の題材とします。しかし、彼がキャンディマンの謎に迫るにつれ、想像を絶する恐怖が彼を襲い始めます。
キャンディマンは、単なる殺人鬼ではありません。
彼は、虐げられてきた黒人の象徴であり、白人による暴力の犠牲となった黒人たちの怨念が具現化した存在なのです。
恐怖の連鎖と、現代社会への警鐘
本作は、ジャパニーズホラーのような因果が巡るような恐怖を描いています。
キャンディマンの恐怖は、連鎖的に人々に伝播し、誰も逃れることはできません。
この恐怖の連鎖は、現代社会における差別や偏見の連鎖を象徴しているかのようです。
リメイク版「キャンディマン」が見せる新たな恐怖
リメイク版「キャンディマン」は、オリジナル版の要素を継承しつつも、新たな恐怖を描き出しています。特に、鏡を使った演出は、観客に視覚的な恐怖を与えると同時に、鏡が持つ象徴的な意味を強調しています。
鏡がキャンディマンを呼び出すアイテムである点はオリジナル版もリメイク版も共通です。しかし、リメイク版では鏡が単なるアイテムではなく、物語の重要なテーマを象徴する要素として扱われています。鏡は、自己と他者、現実と虚構、過去と現在といった、さまざまな境界線を曖昧にする役割を果たします。
特に、アートギャラリーでの殺戮シーンでは、鏡に映るキャンディマンのシルエットが効果的に使われ、視覚的に強い印象を与えます。鏡を使った視覚的な演出は、観客に強い印象を与え、恐怖を増幅させる効果があります。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
リメイク版『キャンディマン』は、単なるホラー映画ではありません。本作は、恐怖を通して、現代社会が抱える闇を浮き彫りにし、観客に深い洞察を与える作品です。

観終わった後、あなたは恐怖を感じると同時に、社会について深く考えさせられるでしょう。
本作は、ホラー映画ファンだけでなく、社会問題に関心がある人にもぜひ観ていただきたい作品です。

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