『シビル・ウォー アメリカ最後の日』こんなにいい塩梅に仕上げてきますか…!

戦争映画

「だから質問はせず、記録に徹する」

映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』をTOHOで鑑賞しました。

「シビル・ウォー」というのは、内戦を意味する言葉で、物語の舞台はアメリカ。

もし、アメリカで内戦が起こったら…。そんな内容です。

トランプかカマラで政権の交代が迫っていることに加え、イスラエル・ガザ戦争、ロシア・ウクライナ戦争も続いており、もはや世界大戦にも発展しうる現状において、見逃せない1本だと言えるでしょう。

bitotabi
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痺れました。間違いなく2024年ベスト10に入る作品です。

今回の記事では、この映画のすごいところを大きく3つに分けて解説していきたいと思います。

ストーリーの肝心なところに関するネタバレはしないようにお伝えしますので、未見の方も安心してお読みください。

ダニー
ダニー

公式サイトのあらすじはこんな感じだよ。

連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。「国民の皆さん、我々は歴史的勝利に近づいている——」。就任 “3期目”に突入した権威主義的な大統領はテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、ホワイトハウスへと向かう。だが戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていくー

https://happinet-phantom.com/a24/civilwar/

あえてありえない設定に

本作はアメリカでもし内戦が起こったら、こうなるんじゃないかという内容の映画です。

全体的なメッセージとしては、もちろん戦争の愚かさや恐ろしさを伝え、反戦を願う気持ちが伺えます。

そのために、どのアメリカ人が観てもある程度角が立たないように設定を考えているんですね。

アレックス・ガーランド監督は、「右派と左派の観客が喧嘩をせずに議論できるよう、双方に共通点があるような映画にしたかった」とインタビューで語っています。

まず、政府軍や大統領が、どうして国民から避難されているか、その理由をはっきりとは描いていないんです。

また、政府軍と争う最大の勢力である「西部勢力」。

これは、テキサス州とカリフォルニア州が手を組んで闘っているという設定なんですね。

映画に登場する西部勢力のシンボル。星が2つしかありません。

テキサス州は保守派の人々が多い、いわゆる右寄りの州です。移民とか同性愛などに対して厳しいとされる州。

その反対に、カリフォルニア州は民主派の人々が多く、LGBTQや移民などに寛容な州です。これは、何となくイメージがつきやすいのではないでしょうか。

で、そんな二つの州がタッグを組むというのは、少々現実味にかけるわけであります。

しかし、そこは監督が腰が引けたということではなく、広くこの映画を観てもらいたい。

そういったガッツが込められているのではないかと、私は思います。

また、民主党と共和党の選挙が始まるにあたって、ヒートアップしすぎるのは危険だという警告でもあるのかなと感じました。

 



あえて軽妙な音楽を使う

また、映画を観て深刻になりすぎないよう、あえて軽妙な音楽を使っているところも素晴らしい。

この映画、流れとしては記者たちのロードムービーなんです。

男女の2人のチームに、古参の老人記者と若い新人カメラマンが仲間になって同行するという。

道中はそれはもう恐ろしい出来事に巻き込まれていくわけですが…。

でも、とっても危険な銃撃戦とか、死と隣り合わせの状況で流れる曲というのが、ロードムービーで使われるそれと同じような雰囲気なんです。

テクノポップだったり、カントリーだったり。

そのギャップのおかげで、本作をエンタメ作品、映画として落ち着いて観る状態に引き戻してくれるんですよね。

要所要所コミカルな演出があるのも、いいなと思います。

でも、不謹慎になりすぎないように絶妙に配慮した作りになっているんです。

そこで効いてくるのが、セリフです。

 



しっかりセリフで刺す

ポップな曲がかかったと思ったら、今度はグサリと刺さるようなセリフを出す。

そんなギャップで鑑賞者の心をぐらつかせるんですよ。

「誰だって最初の1歩が必要だろう」

「だから、質問はせずに記録に徹する」

「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」

などなどドキッとするセリフがいくつかありますので、気を抜けません。

また、銃撃の音の激しさも、シリアスで狂気に溢れた世界へ誘います。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』について解説しました。

bitotabi
bitotabi

今現在への警鐘を鳴らしつつ、誰もが観やすいような丁寧な作りに感得できる作品です。

ダニー
ダニー

今年最も観ておきたい映画かもしれないね。

 

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