クローネンバーグの新作は、史上最高。

SF映画

御年80歳のクローネンバーグ。
ファンを裏切らない圧巻の世界観。

映画「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」を鑑賞しました。

本作はボディホラーで有名なデヴィッド・クローネンバーグの最新作です。

「クラッシュ」「ザ・フライ」「ビデオドローム」などが有名どころ。

ダニー
ダニー

ボディホラーって?

bitotabi
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そのあたりの解説もふまえて、本作の見どころを紹介していくよ!

作品概要

そう遠くない未来。人工的な環境に適応するため進化し続けた人類は、その結果として生物学的構造が変容し、痛みの感覚が消え去った。体内で新たな臓器が生み出される加速進化症候群という病気を抱えたアーティストのソールは、パートナーのカプリースとともに、臓器にタトゥーを施して摘出するというショーを披露し、大きな注目と人気を集めていた。しかし、人類の誤った進化と暴走を監視する政府は、臓器登録所を設立し、ソールは政府から強い関心を持たれる存在となっていた。そんな彼のもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる。

作品公式サイトより引用

もう、あらすじから、やばそうな、攻めてそうな雰囲気がプンプンしますね。

ちなみに主演はヴィゴ・モーテンセン

「グリーンブック」で気性の荒いイタリア系ドライバーを演じた人です。

クローネンバーグ監督作品の常連で、これで4作目の出演なんです。

パートナー役のレア・セドゥの知的な雰囲気も素晴らしいし、

クリステン・スチュワートの素直な演技も素晴らしかったです。

クローネンバーグ監督は、女性を美しく描くのが本当にお上手だなと思います。

 



ボディホラーって?

作品をご覧になられた方はご存じかと思いますが、クローネンバーグ監督の作品の多くは、特殊メイクによって、身体やその一部をねっちょりと不気味に魅せるシーンが多いです。

それこそがボディホラー。

「ザ・フライ」のハエ人間。

「ビデオドローム」の銃人間。

「スキャナーズ」の頭の爆発。

「裸のランチ」のゴキブリタイプライターなどなど。

本作でも、クローネンバーグ監督ファンの方はかなり期待しているのではないでしょうか。

次項では本作で味わえるボディホラーや特殊メイクをお伝えします。

ボディホラーを堪能できる…が

本作でも、ボディホラーや特殊メイクは堪能できます。

ボディホラーとしては、耳人間が最もインパクト強めでした。

あと、痛みの無くなった人々という設定をいかして、身体を切るシーンが何度も登場します。

しかしながら、クローネンバーグ監督らしいねっちょり感は全然ありませんでした。

特殊メイクや造形はお見事なんですが、サラっとしている。

個人的にはねっちょりした気味の悪さを期待していたので、少し物足りない部分はありました。

でも、それを補うかたちで、素晴らしい見どころがございます。

 



椅子やベッドがキモカッコいい

本作では、魅力的な小道具が多数登場します。

特に関心をひかれたのが「オーキッド・ベッド」「ブレック・ファスター・チェア」「サーク」の3つ。

どれも同じ会社が作っているという設定で、造形がキモカッコいいんですよ…。

内臓っぽいというか、生き物っぽいというか、幽遊白書の闘技場っぽいというか笑

これらのおかげで、ねっちょり感がなくても十分にお腹いっぱいになれました。

特にブレック・ファスター・チェアに座って食事するシーンは最高。

 



セルフオマージュの数々

本作の公式サイトでクローネンバーグ監督はこのように語っています。

本作は私がこれまでしてきたことを進化させた作品です。私の作品を見たことのあるファンの方々なら、私の過去作で見たことのあるシーンや瞬間を見つけることができるでしょう。それは、人間の体と関連付けるという、以前から継続した私のテクノロジーに対する見解です。

映画公式サイトより引用

おっしゃる通り、これまでの作品によく似たシーンや設定が登場していました。

痛みと性的趣向は「クラッシュ」。

サークのリモコンはどこか変えるのようで、「裸のランチ」のゴキブリタイプライターを彷彿させます。

主人公の腹にジッパーが着くのは「ビデオドローム」とよく似ていますね。

外科手術っぽいシーンでは「戦慄の絆」を感じさせました。

感想

クローネンバーグ監督の作品の中では、比較的分かりやすいメッセージが込められているようにおもいました。

しかも、結構ポジティブな。

環境破壊に対する想いと、それに人類がどのように適応していくかという。

プラスチックを食べられるようになることは、進化であり、幸せであるのか。

また、そのように変わってしまった人間は、はたして構造上人間と呼ぶことができるのか。

それを調べるために人体を開くことは果たして是か非か。

といった感じですね。

めちゃくちゃ面白いし、クローネンバーグ監督にしか作れない世界観でした。

もっともっと新作を観たいです。

あと、ずっと昔に「クライム・オブ・ザ・フューチャー」という映画があったんですが、これはもっと意味不明でした笑

なぜ、ほぼ同じ名前にしたのでしょうね…。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」の見どころや感想をお伝えしました!

bitotabi
bitotabi

ボディホラーも小道具も味わえます。

メッセージが分かりやすく観やすい仕上がりです!

ダニー
ダニー

アート好きやホラー好きにオススメだよ!

 

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