洋楽歌詞解説『Don’t look back in anger』Oasis

音楽

洋楽の歌詞や背景について解説する記事です。

今回はOasisの『Don’t look back in anger』をご紹介。

bitotabi
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Oasisの中でも人気が高く、私も一番好きな1曲です。

直訳すると「怒りに振り返るな」という意味のこのタイトル。

2017年の5月22日にマンチェスター・アリーナで起こった爆破テロをご存じでしょうか?

コンサートの観客らと実行犯を含む計23名が死亡し、59名がけがを負って病院に搬送されたという大事件が、彼らの故郷マンチェスターで起こってしまったのです。

そして、その追悼式でこんな光景が。

ジョン・レノンの『Imagin』にインスパイアされて作られたこの曲ですが、もう何というか、それ以上の凄さをもつ曲になってしまったような感じがしますね。

この曲がみんなの心の中にあれば、戦争はなくなるかもしれない。そんな気さえします。

こういったメッセージに興味がある人は、ぜひ『ぼくは君たちを憎まないことにした』という映画も観てみてください。

概要

「Don’t Look Back in Anger」は、Oasisのセカンドアルバム『(What’s the Story) Morning Glory?』に収録されている楽曲で、1996年2月19日にシングルとしてリリースされました。この曲は、Oasisのリードギタリストであり主要なソングライターであるノエル・ギャラガーが作詞・作曲し、彼自身がリードボーカルを務めています。この曲は、UKシングルチャートで1位を獲得し、Oasisの代表曲の一つとなっています。

bitotabi
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ちなみに、映画では『To All the Boys: Always and Forever』(2021)や『BECK』(2010)で使用されています。

歌詞解説

Slip inside the eye of your mind
Don't you know you might find
A better place to play?
You said that you'd never been
But all the things that you've seen
Will slowly fade away
君の心の奥に滑り込む
もっと素敵な場所が見つかるかもしれないって知らないんだね
行ったことないって君は言ったけど
君が見たものはすべてゆっくりと消えていくんだよ

So I start a revolution from my bed
'Cause you said the brains I had went to my head
Step outside, summertime's in bloom
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
You ain't ever gonna burn my heart out
ベッドから革命を起こそう
君は僕の頭が狂ってるって言ったから
外に出ると夏が咲いている
暖炉のそばに立って
そんな顔しないで
君は僕のハートを燃やし尽くすことはないんだね

And so Sally can wait
She knows it's too late as we're walking on by
Her soul slides away
But don't look back in anger
I heard you say
サリーは待ってくれる
一緒に歩くには遅すぎるって知ってたから
彼女の魂はそこには無くって
でも怒りに振り返っちゃいけないって
君からそう聞いたんだ

Take me to the place where you go
Where nobody knows
If it's night or day
But please don't put your life in the hands
Of a rock and roll band
Who'll throw it all away
あなたがいくところに連れてって
誰も知らないところへ
昼でも夜でも構わないから
でもロック&ロールバンドなんかに人生を委ねないで
全てを投げ捨てるような彼らなんかに

I'm gonna start a revolution from my bed
'Cause you said the brains I had went to my head
Step outside 'cause summertime's in bloom
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
'Cause you ain't ever gonna burn my heart out
ベッドから革命を起こそう
君は僕の頭が狂ってるって言ったから
外に出ると夏が咲いている
暖炉のそばに立って
そんな顔しないで
君は僕のハートを燃やし尽くすことはないんだから

And so Sally can wait
She knows it's too late
As she's walking on by
My soul slides away
But don't look back in anger
I heard you say
サリーは待ってくれる
一緒に歩くには遅すぎるって知ってたから
僕の魂はそこには無くって
でも怒りに振り返っちゃいけないって
君からそう聞いたんだ

So Sally can wait
She knows it's too late
As we're walking on by
Her soul slides away
But don't look back in anger
I heard you say
サリーは待ってくれる
一緒に歩くには遅すぎるって知ってたから
彼女の魂はそこには無くって
でも怒りに振り返っちゃいけないって
君からそう聞いたんだ

So Sally can wait
She knows it's too late
As she's walking on by
My soul slides away
サリーは待ってくれる
一緒に歩くには遅すぎるって知ってたから
僕の魂はそこには無くって

But don't look back in anger
Don't look back in anger
I heard you say
At least not today
でも怒りに振り返っちゃいけないって
怒りに振り返っちゃいけないって
君からそう聞いたんだ
少なくとも今日ではない

この曲は大筋では過去のことを振り返っていつまでもクヨクヨしたりイライラしたりせずに前を向いていこうよってメッセージがこもっています。

しかし、恋人思い出とも、家族との関係ともとれるんですよね。

私は中道的に、この曲は現在と過去の二つに分かれているのかなと思います。

登場人物は3人いるんじゃないかなと。僕と、現在の恋人的な人と、そして過去の人。

さらに、その過去の人ってのは、ノエルのお母さんなんじゃないかな~と。

特にここですね。

So I start a revolution from my bed
'Cause you said the brains I had went to my head
Step outside, summertime's in bloom
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face

You ain't ever gonna burn my heart out

赤字の部分は、ノエルが母親に写真を撮ってもらった思い出を振り返っているという話があるんですよ。

ギャラガー兄弟の父親は家庭内暴力を振るう人だったそうで、お母さんは兄弟と共に一緒に家出したりなんかしていたそうです。

そこいくと、

So Sally can wait
She knows it's too late
As we're walking on by
Her soul slides away

の歌詞について、サリーはお母さんだとすると、一緒に家出した時の思い出を振り返っているような感じがしませんか?

小さいノエルがお母さんと一緒に父親から逃げる道中のような。そういった肉体的・精神的苦痛でお母さんは心ここにあらずだったけど、それでも彼に”Don’t look back in anger”と諭したと。

また、1976年に、お母さんは法的な離別権を獲得し、その6年後、3人の子供たちをつれて夫のもとから離れた。(兄ポールとギャラガー兄弟)

つまり、怒りの対象は過去に暴力を振るってきた父親であると。

そういった視点でとらえると、全体的に色々な見え方がしてきますよね。

もちろん、別れた恋人との関係としても捉えられます。

というか、真ん中の方の歌詞は、主語を無視したほうがすんなり理解できるかもしれませんね。

bitotabi
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ちなみにお母さんの名前はペギーです。

 



背景・豆知識

背景

ノエル・ギャラガーは、この曲のアイデアをパリでのライブ中に思いつきました。彼はアコースティックギターを弾きながら曲を作り始め、弟のリアム・ギャラガーが「So Sally can wait」というフレーズを口ずさんだことがきっかけで、歌詞が完成しました。この曲のピアノイントロは、ジョン・レノンの「Imagine」にインスパイアされています。また、歌詞の一部にはレノンの影響が見られ、「So I start a revolution from my bed」というフレーズは、レノンとオノ・ヨーコの有名なベッドイン抗議に由来しています。

豆知識

  • ノエル・ギャラガーは、当初「Wonderwall」を歌う予定でしたが、リアムがその曲を歌いたいと主張したため、ノエルが「Don’t Look Back in Anger」を歌うことになりました。
  • この曲は、ジョン・オズボーンの戯曲『Look Back in Anger』がロンドンのウエストエンドで初演されてからちょうど40年後に書かれました。
  • 「Don’t Look Back in Anger」は、NMEの「50 Most Explosive Choruses」で1位にランクインし、Rolling Stoneの読者投票では「90年代の最高の曲」の2位に選ばれました。
  • ノエル・ギャラガーは「Sally」という名前を特に意味もなく選んだと語っています。彼は「Sally」という名前がリズムやメロディに合ったため、歌詞に取り入れました。
bitotabi
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最後までお読みいただきありがとうございます。

この曲は、過去を振り返らずに前を向いて生きることの大切さを歌っています。Oasisのファンにとっても、ロック史においても重要な一曲です。

各国で戦争が止まない2024年の今日この頃。

この曲の力強いメッセージが少しでも届くことを願っています。

 

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