『Don’t Look Up』風刺効きすぎ

映画『Don’t Look Up』をNetflixで鑑賞しました。

2021年に公開されたアメリカのブラックコメディ映画で、監督はアダム・マッケイ。

レオナルド・ディカプリオやジェニファー・ローレンスなど豪華なキャストが出演しています。

ミシガン州立大学の天文学者ケイト・ディビアスキー（ジェニファー・ローレンス）と彼女の教授ランドール・ミンディ（レオナルド・ディカプリオ）は、地球に衝突する軌道を持つ彗星を発見します。彼らはこの情報を政府に伝えますが、大統領（メリル・ストリープ）やその側近たちは選挙やスキャンダルに夢中で、危機を真剣に受け止めません。メディアもまた、視聴率を優先し、彗星の話題を軽視します。

ケイトとランドールは、なんとかして人々に危機を知らせようと奮闘しますが、次第に彼ら自身もメディアの注目を浴びることになります。彗星の衝突が迫る中、果たして人類はどうなってしまうのか…。

　

この映画、とにかくキャストが豪華なんですよね。

レオナルド・ディカプリオ：ランドール・ミンディ博士役。ミシガン州立大学の天文学教授。

ジェニファー・ローレンス：ケイト・ディビアスキー役。ミシガン州立大学の天文学博士候補生。

メリル・ストリープ：ジャニー・オーリアン役。アメリカ合衆国大統領。

ケイト・ブランシェット：ブリー・エヴァンティー役。TV番組「The Daily Rip」の司会者。

ロブ・モーガン：クレイトン・“テディ”・オグルソープ博士役。NASAの惑星防衛調整局局長。

ジョナ・ヒル：ジェイソン・オーリアン役。大統領の息子で、アメリカ合衆国大統領首席補佐官。

マーク・ライランス：ピーター・イッシャーウェル役。BASH社のCEO。

タイラー・ペリー：ジャック・ブレマー役。TV番組「The Daily Rip」の司会者。

ティモシー・シャラメ：ユール役。

ロン・パールマン：ベネディクト・ドラスク大佐役。彗星破壊の任に就く軍人。

アリアナ・グランデ：ライリー・ビーナ役。超人気歌手。

キッド・カディ：DJ Chello役。

ヒメーシュ・パテル：フィリップ役。

メラニー・リンスキー：ジューン・ミンディ役。ランドール博士の妻。

ざっとあげてもこんな感じ。

映画が何本も撮れてしまいそうです。ジェニファー・ローレンスの元カレがヒメーシュ・パテル、新カレがティモシー・シャラメですからね。

もちろん、どの俳優の映画も凄いんですが、中でも目を引くのがジェニファー・ローレンスとディカプリオがそれぞれ激昂するシーン。

この映画、基本的にはコメディなんですけど、これらのシーンはあんまり笑えないんですよね。演技も上手すぎるし。

この映画の冒頭はこんな言葉から始まります。

"I want to die peacefully in my sleep like my grandfather, not screaming in terror like his passengers."　Michael Lee

「祖父のようにやすらかに死にたい 彼の乗客のように恐怖に叫ばずに」　マイケル・リー

まさにこの言葉に尽きるんですよ。

怖いことや真剣な話題から目を逸らして別のことを考えようよ。そういった近年の社会的風潮を風刺しているんですね。

この映画は、本当にあることだらけです。

地球が亡くなる危機であっても、大統領とその周りは選挙で勝つことを優先すしたり。

隕石衝突よりもセレブの恋愛を気にしたり。

メディアでヒステリックを起こすと精神異常だと茶化されたり。

専門家のことをカワイイとキャラ化して、本当の思いを伝えられなくしたり。

企業は使命よりも金儲けばかり考えたり。

古い考えのまま止まってる人がテレビの前で問題発言したり。

日本人は、政治に関心が無い人が多いとよく言われますし、私自身もそう感じています。

でもこれって、そういう風にデザインされちゃったんですよね。メディアや教育で。

テレビやインターネットのニュース報道は、ゴシップが中心で、そっちに気がいくようにデザインされていると私は思っています。

大きな政治スキャンダルがあると、それを打ち消してしまうレベルの芸能スキャンダルが同じタイミングで必ずと言っていいほど報道されます。で、政治の方はうやむやになっちゃうんですね。

また、日本の学校教育では特定の政治思想に偏った考えを教えてはいけないと強く釘を刺されます。まあこれは、偏向思想を押し付けないようにということなんですが、これによって教員側も考えることや伝える努力を辞めてしまうんですよね。というか、そもそも、教員自体も、政治について考えないようにデザインされているから、教えようがない。結果、教科書通りに教えてしまうと。これもまた、政治について考えないように作られた内容なわけです。

だから、テレビのように受け身ではなく、自分で考えて、自分で情報を取りにいけるデジタルの今の時代。お気楽なものに染まらず、キチンと情報を精査していきたいものですね。

　

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