映画「タイタニック」の公開25周年を記念して、3Dリマスター上映が2023年2月に全国の劇場で公開されました。
やはり名作。色褪せませんね。
観客も大入りで、私の近所の映画館では、連日満員。
こんなにチケットが取りづらかったのは初めてでした。
若い人やカップルもたくさん見かけました。
今回の記事では、今なお多くの人々を魅了して止まない「タイタニック」を3つのフェーズで味わうための解説をします。
読んだあと、きっと、もっとタイタニックが好きになりますよ!
フェーズ1 ストーリーや音楽を味わう
「タイタニック」を観て、1番多くの人が感動するポイントは、やはり感動的で迫力のあるストーリーと音楽にあるでしょう。
パニック映画として
タイタニックは、大きく前半後半に別れています。
前半のおよそ90分、氷山衝突までは恋愛ドラマとして、後半はパニック映画としての側面を持ちます。
私は数年ぶりに、タイタニックを観て、後半のパニック映画としての質の高さに圧倒されました。
物凄くきめ細かくて、怖いです。
その臨場感やスリルを味合うだけでも、この映画には価値があります。
なぜここまで恐怖を感じさせられるかという演出の凄さについては、フェーズ2、3で触れます。
恋愛ドラマとして
レオナルド・ディカプリオと、ケイト・ウィンスレットの純愛をはじめとしたドラマチックなストーリーの数々と、セリーヌ・ディオンの歌う『My Heart Will Go On』はとっても素敵ですよね。
最近はエンドロールで声入りの曲がかかることって洋画ではあまりありませんしね。
特に、クライマックスは、結末が分かっていても泣けてしまいます。
しかし、この2人に関しては、実際の事件時に存在した人物ではなく、フィクションとなっています。
なぜ、このような恋愛要素を入れようと思ったのか。このあたりを探ることがフェーズ2、フェーズ3の味わい方です。
フェーズ2 実際の出来事を比較して味わう
「タイタニック」は1912年に当時最大級の豪華客船タイタニック号が、氷山との衝突により沈没した実際の出来事を基に作られた作品です。
アメリカへ渡る人々
「タイタニック」では、イギリスのサウサンプトン港から、ニューヨークへ向かって出航していましたね。
これももちろん事実と同じです。
タイタニック号には、イギリス人やアメリカ人、アイルランド人にイタリア人など、様々な人種が乗船していました。
1870年代から、1918年の第一次世界大戦まで、約40年間で、約2000万人もの人々がアメリカへ移住しました。
その玄関口となったのが、自由の女神のあるエリス島です。
西欧・北欧からの移民は比較的裕福な人々が多く、アメリカへ向かうタイミングが早かったことから、旧移民と呼ばれます。
イギリス・フランス・ベルギーなどがあてはまります。
一方、南欧・東欧の移民は貧困層が多く、アメリカへ向かう時期が旧移民より遅れたことから新移民と呼ばれます。
イタリア・スペイン・ポーランド。ロシアなどです。
ジャックの友人であるファブリツィオもイタリア人でしたね。
そういった、旧移民の人たちは、タイタニック号で一級に乗ることはできなかったという訳です。
このあたりの背景は、様々な映画で描かれることが多いので、覚えておくと便利です👍
タイタニック号
タイタニック号は、イギリスのホワイト・スター・ライン社が北大西洋航路用に計画し、造船家のアレクサンダー・カーライルとトーマス・アンドリューズによって設計された豪華客船です。
北アイルランドのベルファストにある造船所で建造されました。
映画の序盤で、アイルランド系の若者が「この船はアイルランド人が作ったんだぜ!」と言ったのはこの辺りに起因しています。
その他にも、映画で描かれていた現在のサルベージについてや、オカルトな話題についても様々エピソードがございます。
Wikipediaで”タイタニック号”を調べるとかなり詳しくまとまっていて面白いですよ。
実在した登場人物たち
映画の中に登場する、エドワード・ジョン・スミス船長、ホワイト・スター・ライン社の社長ブルース・イズメイなどは実在した人物なのです。
キャシー・ベイツ演じる、マーガレット・ブラウンも実在した人物です。
私は脇役の中では一番好きでした。野心的ながら、ジャックに対する親切さ、余裕と風格漂う印象がとても魅力的でしたね。
ミザリーの時とは、偉く違う、いい人役です笑
また、沈没船から楽器が見つかったことから、音楽家の存在も明らかになりました。
しかも、何と、バイオリンの持ち主が、ウォレス・ハートリーなる人物であることが、2013年に明らかなり、その人物とは、映画の中で、観客を勇気付けるために演奏を続けたあの音楽家たちのリーダーだったのであります!
彼のこのバイオリンは、1910年に婚約者からプレゼントされたものだそうで、より一層感動を引き立てますね…。
ちなみに、生存者の、酒ばっかり飲んでたパン焼き職人も実在します。
チャールズ・ジョン・ジョーキンという人物で、酒を飲んで内臓が温まっていたために生き残ったという噂です。
さあ、肝心のジャックとローズはというと…。(フェーズ3に続く)
フェーズ3 監督や背景について知る
フェーズ1でお伝えした通り、ジャックとローズは架空の人物です。(ローズに関してはモデルとなった人物がいるにはいますが、映画のようなロマンスはありません)
キャメロン監督のねらい
ジェームズ・キャメロン監督は、災害における感情的なインパクトを鑑賞者に伝えるためには、人間の喪失感を織り交ぜたラブストーリーやロマンスが不可欠だと考えました。
また、タイタニック号について調べている内に、乗客の中にも階級の差があるという事実を知り、格差恋愛をテーマに描いたそうです。
キャメロン監督はここが凄い
また、ジェームズ・キャメロン監督といえば、「アバター」や「ターミネーター」など、CGを多用する印象がありませんか?
しかし、「タイタニック」では特撮の割合が結構高いのです。
300mの巨大プールをセットで使っていますし、役者に左右反転で演じさせたりしています。
映画の終盤で人々が海へ落ちたり飛び込んだりするシーンでは、トイレットペーパーや紙を落とし、そこにCGを加えて人間が落ちる様を演出したのだとか。
あと、エンドロールではかなり多くのスタントマン、スタントウーマンの名前がズラリと並んでいます。
ちなみに、劇中でジャックが描いたスケッチは、全てジェームズ・キャメロン監督が描いたものだそうです。
特撮用のミニチュアも自分で作っちゃうことが多いのだそうですよ。
「タイタニック」は思わぬヒットだった?
また、本当は「タイタニック」製作前から、「アバター」の構想はできていたのですが、当時のCG技術では、まだ実現できないことが多すぎるということで、先に「タイタニック」に着手したそうです。
「タイタニック」は、日本での興行収入がいまだ第3位です。
262億円という驚異的な数字をたたき出しています。
しかし、「タイタニック」公開前は興行成績が低くなると予想されていたことをご存じですか?
制作費300億円に関わらず、結末を誰もが知っているような有名な事件がモチーフである。
加えて、船の映画は当たらないというジンクスが当時の映画業界にはあったそうです。
しかし、開いてみたら、日本でも世界中でも大ヒット。
日本に関して言えば、1年近く公開され続けるという超ロングランになりました。
実際に観れば納得ですよね。キャメロン監督の本気がわかります。
私なりの感想と考察
ここからは、私の感想を。
私は、「タイタニック」をまともに観るのは初めてでした。
テレビのロードショーで観た記憶はありますが、そこまでしっかりとは観ていなかったように思います。
公開時はまだ小学生だったので、まあ仕方がないです。
大人になった私が観て、どのように感じたのかをお伝えします。
大衆向け映画の最高峰
「タイタニック」は、大衆向け映画の最高峰の作品であるように思いました。
正直、25年経った今、あそこまで人を呼べる作品は「タイタニック」以外にはないと思います。
実際、「アバター」のリバイバルも、そこまで注目されなかったですしね。
「タイタニック」はストーリーが難しくない。
一度の鑑賞で、ほとんどの人が理解できるストーリーです。
キャメロン監督のねらい通り。
自分でフェーズ3までまとめておいてなんですが、フェーズ1で十分楽しめる作品です笑
ウットリできて、ハラハラできて、涙も流せる。
映画らしい魅力がたっぷり詰まった作品です。
究極のボーイミーツガール
もう一つ、「タイタニック」が人を魅了する理由の一つとして、究極のボーイミーツガール作品であることがいえます。
ボーイミーツガール作品とは、男女の出会いから始まり、愛を育んでいくストーリーの映画です。
「タイタニック」は、やはり、ディカプリオの魅力が強い。
美しくて、頼もしくて、ちょっと悪い。
女性が好きになる要素てんこ盛りなヒーローなのです。
私は、爆発的な流行は女性が作るものだと思っています。
タピオカ、ティックトック、たまごっち。世の中の流行のほとんどは、女性から注目を集めることで大ヒットしています。
「タイタニック」も然り。
当時も今も、女性を魅了するからこそ、もの凄いヒットに繋がっているのでしょう。
もちろん、男性が観ても、感動できますよ。
でも、やっぱり、「タイタニック」に関しては、絶対に女性の方が感動の度合いが大きいと私は思います。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「タイタニック」を味わうための3つのフェーズを紹介しました!
映画館で観られそうな人は、ぜひ映画館で。
大きな画面でしか分からない、細かくて繊細な特撮を見逃さぬよう!
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