映画『エターナル・ドーター』を鑑賞しました。
こちらは、現在開催している、配給会社A24の特集上映にて鑑賞できる作品です。
A24と言えば、『ミッドサマー』や『エブエブ』『聖なる鹿殺し』『ザ・ホエール』など、ホラーもドラマも攻めた作品が多いんです。
そして今回鑑賞した『エターナル・ドーター』これまた、攻めた映画でした…。
あらすじはこんな感じだよ↷
映画監督のジュリー(T・スウィントン)は年老いた母ロザリンド(T・スウィントン)を連れて人里離れたホテルにやってくる。ジュリーは謎めいたこの場所で母についての映画を作ろうとするが、やがて母の隠された秘密が明らかになり─。
https://kyoto.uplink.co.jp/movie/2023/14321
注目すべきポイントは、大きく2つ。
巨匠マーティン・スコセッシが製作を務めていること。
そして、オスカー女優のティルダ・スウィントンがジュリーとロザリンドの一人二役を演じているというところです。
今一人二役を演じさせて、ティルダ・スウィントンの右に出る人はいませんね。
『スノー・ピアサー』でも二役でしたし、ルカ・グァダニーノ版『サスペリア』ではなんと三役を演じ切っています。
何だか豪華で上質な映画を想像してしまいますが、『エターナル・ドーター』はかなり変化球の映画です。
最後まで観ればなんとな~くは分かりますが、それでも消化不良を起こす人が多いでしょう。
ここから先、ネタバレ注意!
『エターナル・ドーター』は、結局母はすでに他界して存在しなかったというオチでした。
では大筋の娘の行動は一体何だったのか。
一つは母との思い出のホテルに泊まりたかったという思いと、
そして、キチンと寄り添えなかったという贖罪の思い、
これらの精算のような旅だったんですね。
母が他界しても、なかなか一人の大人として前へ進めない、いつまで経っても母が大好き。
だからこそ『エターナル・ドーター(永遠に娘)』というタイトルになっているんだと思います。
また、『エターナル・ドーター』を創った意図として、2つのことが挙げられます。
1つ目は監督のジョアンナ・ホッグ監督の実の母親もまた、本作の編集中に還らぬ人となってしまったこと。
同じような悩みを抱えていたんでしょうね。
2つ目は、『スーベニア2部作』の後日譚的な話になっているからです。
『スーベニア2部作』はホッグ監督が学生だったころの出来事を描いた半自伝的な作品となっています。
主役の監督の卵の娘に抜擢されたのは、ティルダ・スウィントンの娘オナー・スウィントン・バーンで、母ロザリンドを演じたのがティルダ・スウィントンです。
そんなティルダ・スウィントンが、母ロザリンドだけでなく、年齢を重ねたジュリーの二役を演じたのが、今回の『エターナル・ドーター』なんですね。
『スーベニア2部作』を観れば、より立体的に映画を感じられると思います。
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『エターナル・ドーター』の解説記事をお伝えしました。
監督自身を重ねていることを意識するといいですよ。
興味がある人は『スーベニア2部作』を鑑賞してみてね!
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