シネ・ヌーヴォにて、大島渚監督特集の「悦楽」を鑑賞しました。
私は、大島渚監督作品を「戦場のメリークリスマス」観たことがありませんでした。
ずっと気にはなっていたのですが、古く、重いテーマの作品が多いイメージで、なかなか重い腰が上がりませんでした。(実は、黒澤明監督作も)
そのため、シネヌーヴォでの劇場公開を機に、観にいった次第です。
思っていたよりも、とてもわかりやすく、過激ながらも、むしろ道徳的な作品でした!!詳しく解説していきます。
STORY
山田風太郎原作を映画化。 失恋した男 がひょんなことから大金を得る。 その金で 次々と女遍歴を始めるが··。死を前にした 性について徹底的に描こうとするが、 映倫 が「注意」を連発。性表現の積年の思いが、 後年の『愛のコリーダ』につながる。
劇場チラシより引用
やや難解な設定のように思えますが、意外とシンプルです。
好きな女性のために殺しをした主人公が、弱みにつけこまれ、横領で汚れた金を、代わりに預かることになる。好きな女性の結婚を機に、その金を1年間で使い切る。その使い道は、別の女性を買うというものだった…。
といった感じです。
まずは、加賀まりこさんについて解説します!
加賀まりこさんが美しい
「悦楽」で主人公が愛する女性は加賀まりこさんが演じています。
1960年代の加賀まりこさんは、本当にお美しい。
まさにコケティッシュな女性、カメラ映えし、映画が引き締まります。
「悦楽」では、序盤で女学生を演じていました。
気になったので年齢を調べてみると、
「悦楽」の公開は1965年。
加賀まりこさんの生まれは1943年。
撮影時期を逆算すると、20~22歳といったところでしょうか。
なるほど。学生風も、和装もよく似合う訳です。
「悦楽」というタイトル
「悦楽」とは喜びを得て楽しむこと、満足することを意味します。
今作では、報われない恋を続け、されまでまともに恋愛や性の快楽を得てこなかった主人公が、それらをお金で獲得する様を描いています。
はじめは、女性に対して遠慮や上品な振る舞いが見られましたが、
次第に乱暴さが目立ってきました。
色欲への溺れっぷりや、女性を乱暴にする時の怪しい笑顔からは、恐ろしさすら感じました。
かなり道徳的な作品
私は大島渚監督作品は、もっと性的でバイオレンスな作風かと思っていましたが、「悦楽」は大分違いました。
むしろ、かなり道徳的なお話です。
その理由は、主人公が、すべての女性とうまくいかないからです。
金で買う愛には欠陥があるし、プラトニックな愛でも、間に嘘が混じると、ほころんでいく。
ひとり一人の女性との関係を通じて、様々な失敗を教えてくれる作品でした。
意外と、「星の王子様」に近いようなストーリー構成だと思います笑
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「悦楽」について解説しました。
性的でバイオレンスかと思いきや、意外と道徳的で見やすい作品です。
加賀まりこさんの美しさも見逃せません!
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