地平線は上か下じゃなきゃ面白くない!
映画「フェイブルマンズ」を鑑賞しました。
スティーブン・スピルバーグの自伝映画で、第95回アカデミー賞作品賞にノミネートされており、注目すべき作品の一つです。
今回の記事では、映画「フェイブルマンズ」の感想や見どころを解説します!
映画のストーリーに関する内容が含まれますので、鑑賞後にお読みください!
STORY
初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になったサミー・フェイブルマン少年は、8ミリカメラを手に家族の休暇や旅行の記録係となり、妹や友人たちが出演する作品を制作する。そんなサミーを芸術家の母は応援するが、科学者の父は不真面目な趣味だと考えていた。そんな中、一家は西部へと引っ越し、そこでの様々な出来事がサミーの未来を変えていく―。
TOHO作品紹介より引用
キャストに注目
今作は、「フェイブルマンズ」というだけあって、フェイブルマン家のキャストの魅力が非常に光っていました。
父(ポール・ダノ)
父親役を演じるのはポール・ダノ。
真面目で誠実な父を演じています。
精力的な妻や一心に映画にのめりこむ息子とのギャップに戸惑う際に見せる切ない表情がとてもいい感じです。
母(ミシェル・ウィリアムズ)
母を演じるミシェル・ウィリアムズ。
家庭を持ち、4人の子どもを持ちつつも、奔放で明るい場所を好む性格です。
夫や子どものために、母親としての役割を果たさねばという思いと、自分らしさの狭間で揺れる葛藤を見事に演じていました。
妹たち
今作は結構重めのファミリードラマ的な仕上がりになっています。
それをいい具合に明るくしてくれるのが3人の妹たち。
とてもキュートでした。
幼さも相まって、下の二人はお母さんらしく奔放さが目立ちますが、長女(メガネの子)は家庭の問題にも向き合う姿勢を時折みせます。
ジュリア・バターズが演じています。
感情が高ぶった時の演技は迫真。思わず涙が出ますよ。
デヴィッド・リンチ
デヴィッド・リンチは、ジョン・フォード監督役で登場します。
わずかの出演ながら、強烈なインパクトです。
「フェイブルマンズ」に出てきた中で、最も心に刺さるセリフを放ちますので、お見逃しなく!
映画に生きること
「フェイブルマンズ」は、スピルバーグ監督の少年時代を描いただけでなく、映画をつくること、映画人になるということはどういうことか、人生をどう生きるべきかということにおいても非常に学びの深いストーリーでした。
自分を偽らない
自由に生きることを選択した母。
一見、家庭からの逃避のように捉えられますが、そうではないようです。
無理をして家庭に居続けるのではなく、自分らしく生きるために、家族のもとを去っていく。
どんな状況にあっても、自分自身を偽らないことを教訓としてスピルバーグ監督に伝えたのでした。
危険で過酷
今作のキーマンの一人、大叔父さんから、「映画や芸術で食っていくためには、家族と訣別してでも没頭せよ」と諭されます。
また、スピルバーグ監督は、高校の卒業ムービーにおいて、映像化することは危険を伴うのだと知ります。
よかれと思って、美しく撮ったつもりでも、撮られた当人にとっては「自分はこんな人間ではない、これでは誤解されてしまう」と、傷つける可能性や影響力の大きさを体感するのでした。
少年時代の作品
「フェイブルマンズ」に登場した、ボーイスカウト時代に撮影した映画。
この映画、実はYouTubeで観ることができます。
血糊を使った演出は、当時まだハリウッドでも使用されていなかったアイデアだそうですよ。
すごいなあスピルバーグ少年。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「フェイブルマンズ」の感想や見どころを解説しました!
スピルバーグ監督のことをある程度予習していた私にとっても、結構ハードに感じる家族ドラマ。
それだけ、スピルバーグ監督のような大人物は、様々な刺激を受けて成長を続けているというこでしょうね。
映像に残すことの危険性というものを教えてくれる点では、道徳的な価値も高い作品だと思います。
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