クリストファー・ノーラン監督のSF映画「インターステラー」
2014年の公開と10年前ながら、今なお色褪せず、高い評価を受け続ける作品です。
私はこの『インターステラー』がノーラン監督作の中で一番好き。
今回の記事は、「インターステラー」をより楽しく味わうための解説記事です。
まだ観たことがないという人は、まずはご鑑賞ください。
ネタバレ注意！
製作総指揮に○○○が
『インターステラー』の製作総指揮に、キップ・ソーン博士というノーベル物理学賞を受賞した本物の学者が参加しているんです。
「アインシュタインの最後の宿題」と呼ばれる、「重力波」の謎を解明した超すごい人。
「重力波」とは、ブラックホールのように、巨大な質量をもつものが、特定の運動をすることで、時間と空間（時空）が歪む現象のことを言います。
これ、物語全体で登場しがちです。分かっていると随分楽しめると思います。
その道のプロがしっかりと監修していることが、SFとして楽しめる由縁となっているんですね。
ティモシー・シャラメ
主人公「クーパー」の息子役として、今や超売れっ子のティモシー・シャラメが出演しています。
めちゃくちゃ若い。
ティモシーファンとしては絶対に押さえておきたいところ。キュートな顔ですが、まだセクシーさはありません笑
ちなみに、大人役は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のケイシー・アフレックです。
豪華です。
ノーランはアポロが好き
クリストファー・ノーランはアポロ宇宙船が大好き。宇宙船そのものですが、あの頃の宇宙開発が好きだったんですね。
本作で登場するロケットも、当時のアポロ宇宙船風のデザインです。あまり最新のデザインではありません。
ハイテクが好きじゃないノーラン監督らしいですね。
また、物語の序盤で、クーパーが捏造説を唱える教師に怒りだすシーンも、ノーランの想いの投影と言えるでしょう。
あえて古ぼけた映像
『インターステラー』で古いのは、宇宙船だけではございません。
映像そのものも、古い雰囲気に仕上げています。
1960年代とか、70年代の映画のような、ぼやけた映像に近づけているんです。
なにか懐かしい感じがするのはそのせいでしょう。
また、CGもほとんど使っておらず、SFXを多用しています。
古い作品の雰囲気と、見事なSFX、本当に「2001年宇宙の旅」によく似た作品だと思います。
ノーラン監督はキューブリック監督をとても尊敬しているので、オマージュとして似せているんでしょう。
本棚に注目
マーフの部屋の本棚ですが、あれはノーラン監督の本棚をそのまま持ってきたそうです。
ノーラン監督は本が大好き。そして先述の通りスマホや電子機器のようなハイテク機器は嫌い。
そんなノーラン監督の趣味嗜好がよくわかります。
ノーラン監督の映画のアイデアは、ほとんどがこの本棚から生まれているといっても過言ではありません。
次回作の予想を立ててみるのも面白いですね！
スティーブンキングの「STAND」は、はっきりわかりました。
ドラマだけでも見応え十分
『インターステラー』は、ドラマ作品として観ても、十分に楽しめます。
SFとか宇宙科学とか分からなくても全然大丈夫。
親子の絆と別離。
宇宙での不安、緊張。
未来への希望、絶望。
勇気ある決断、信頼。
そして、「愛」ですね。
ノーランの作品すべてに言えることですが、「愛」を感じます。
SFなのに、強烈な「愛」で胸が熱くなる。だから私はノーランの作品が好きです。
特に『インターステラー』は「愛」が強い。
『インセプション』よりも
『メメント』よりも。
この２つだけ押さえておこう！
とはいえ、ある程度のSF要素は押さえておきたいですよね。
最後に2つだけ、これさえ押さえておけば何とかなるというポイントを2つだけ解説しておきます！
ウラシマ効果
高速で動く乗り物に乗っていると、時間の流れが遅くなる現象をご存知でしょうか。
高速の乗り物（宇宙船）に乗っている人と、乗っていない人（地球にいる人）では、時間の経過に差が出て、結果加齢にも差がでるというあれです。
この現象を「ウラシマ効果」と呼ぶんですね。
さらに、重力の強い場所の近くでは、その影響がより大きくなるんですって。
例えばブラックホールの傍では、さらに時間の流れが遅くなり、加齢の差が出るというわけです。
ピクサー作品の「バズライトイヤー」でも同じ理論が使われています！
5次元
こちらは伝えすぎると映画が面白くなくなるので、言葉の説明だけ。
5次元の移動は、「空間」と「時間」を越える移動ができることを意味します。
この事がとてもドラマチックに関わってきますので、ぜひストーリーと共にご堪能ください。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます！
改めて、私はノーラン作品の中で、『インターステラー』が一番好きです。
その理由は観測可能な「愛」を感じることができるから。
まずはドラマだけでいいです。興味が湧いたらSFな部分も掘り下げてみましょう。
繰り返し観る度に、面白くなるよね！
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