みんな、箱を持っている
映画『フォロウィング』をシネマートで鑑賞しました。
最新作『オッペンハイマー』でアカデミー賞7冠を達成した、クリストファー・ノーラン監督のデビュー作です。
ノーラン監督の作品といえば、壮大なものをイメージしがちかもしれませんが、本作は極めて地味な作品。お金もかかっていない。
『TENET』や『インセプション』のような大作のつもりで観ると、若干拍子抜けしてしまうでしょう。
でも、面白いんですよ。流石はノーラン監督って感じ。
そして、映画の宣伝に「この映画に仕掛けられたトリックは100%見破れない」と謳うだけあって、ネタバレ厳禁な作品です。
そこで今回の記事では、ネタバレなしで本作の見どころを解説します。
公式サイトのあらすじはこちら👇
作家志望の男ビルは、創作のヒントを得るため、通りすがりの人々のあとをつける行為を繰り返していた。ある日、ビルがいつものように男をつけていると、尾行していることがその男、コッブにバレてしまう。だが、コッブもまた、他人のアパートに不法に侵入し、私生活を覗き見る行為に取りつかれていた。ビルは次第にコッブに感化されていく。数日後、ビルはコッブと二人で侵入したアパートで見た写真の女性に興味を抱く。やがて、彼女の尾行を始めるビルだったが、その日を境に、彼は思わぬ事件に巻き込まれていく……。
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挑戦的なデビュー作
『フォロウィング』は、クリストファー・ノーラン監督のデビュー作です。
ノーラン監督は、UCLに入学し、英文学を専攻する傍ら、16ミリ映画を製作し始めました。
そして、初長編作品として作ったのが『フォロウィング』なのです。
世界的に有名になったのは、後の『メメント』ですが、『フォロウィング』にもノーラン監督らしさが随所に出ています。
それは、何と言っても、時系列を入れ替える仕掛けですね。
最新作『オッペンハイマー』もそうですし、『メメント』のそうです。時系列をあえて入れ替え、かつ様々な視点で展開することで、物語を複雑にし、鑑賞者に没入させる。
これを『フォロウィング』でも感じることができました。というか、本作が一番そこのみにエネルギーを注いでいるような感じすらしますね。
だから、デビュー作でも充分に楽しみやすいですし、ノーラン監督らしさを味わうことができます。この後に『メメント』を作るっていうのがよーくわかります。
舞台がロンドンというのもいいですね。
音楽もいい!
本作は、音楽もカッコいいんですよ。
スリリングな場面にマッチした音楽が、心を高揚させます。
撮影はノーラン監督自身が行っており、アクターも有名な人物ではありませんが、音楽だけはデヴィッド・ジュリアンという多くの作品を手掛けた人物が担当しています。
続く『メメント』『インソムニア』『プレステージ』で再びノーラン監督とタッグを組んでいますし、『キャビン』や『ディセント』などの人気ホラーの音楽も務めています。
ホラーっぽさと、上品さを演出したかったんだろうな思います。
随所に見られるキューブリック愛
前項で、ホラーっぽさと、上品さを演出したかったんだろうと述べました。
『フォロウィング』は刺激的な映像の中に、時に品のよい音楽や演出が観られます。
おそらく、どこかで『シャイニング』や『時計仕掛けのオレンジ』を意識して作っているだろうと思うんです。
主人公の部屋の壁には『シャイニング』のフライヤーが貼られていますし、タイプライターを触るシーンまであります。
空き巣に入るという設定はどことなく『時計仕掛けのオレンジ』と近い感じがしますね。
やっぱりノーラン監督は昔からキューブリックが好きなんだなと確信しました。
早くホラー撮ってくれないかな笑
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『フォロウィング』について、ネタバレなしで解説しました
デビュー作とはいえ、ノーラン監督らしさを感じられる素晴らしい作品です。
キューブリック愛にも注目だね!
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