コンビニから消えた成人雑誌。
そこには僕らの知らないドラマがあった。
映画「グッドバイ、バッドマガジンズ」を鑑賞しました。
皆様、2018年1月から、コンビニで成人雑誌の販売がなくなったことをご存じでしたか?
今回紹介する「グッドバイ、バッドマガジンズ」はそんな成人雑誌にスポットをあてたお話。
成人誌という性質柄、雑誌の制作過程はあまり知られていない。その知られざる性的メディアの裏側で従事する者の苦悩や問題点を多数の関係者から取材。実話を元にした本作は脚本執筆に3年以上をかけ、また完全自主制作という制作スタイルを生かし、大手映画会社が作ることのできない忖度ナシ、配慮ナシの作品を完成させた。
映画公式サイトより引用
電子出版の台頭による出版不況、東京五輪開催決定によるコンビニからの成人雑誌撤退、さらに追い打ちをかけるように起きた新型コロナウイルスなど、激動の時代に生きた彼らにスポットを当てた業界内幕エンターテイメント。
成人雑誌って何?難しい本のこと?
エロ本だよ。
エロ本かぁ笑
それをテーマにしているってすごいねぇ。
今回の記事では、成人雑誌という攻めたテーマである今作が、一体どこまで実話を元にしているのかを解説していこうと思います。
STORY
オシャレなサブカル雑誌が大好きな詩織は念願かなって都内の出版社に就職。しかし、そこはオシャレのカケラもないどころか卑猥な写真と猥雑な言葉が飛び交う男性向け成人雑誌の編集部だった。理想とかけ離れた職場に最初こそテンションがダダ下がりの詩織だったが、女性編集長の澤木や女性ライターのハルなど、女性が「エロ」を追求している姿に刺激を受け成人雑誌に対して興味を持ち始める。しかし、そんな中、編集部で取り扱っていた雑誌で「とんでもないミス」が発覚。それを境に共に激務を戦ってきた同僚の編集者たちが次々と退社。オーバーワークで心も体も疲弊しきった詩織だったが、さらに追い打ちをかけるように衝撃的な事実を知ることになる。
公式サイトより引用
それでは解説に参りましょう!
どこまでが実話?
それではここから、一体どこまでが実話であるのかを解説していきましょう。
コンビニから成人雑誌は消えた?
結論から申し上げますと、これは断固真実とは言えません。
まず最も気になるこちらですが、東京オリンピックに備えて、2019年にコンビニ大手三社が、コンビニで成人向け雑誌の販売取りやめを実施したことは本当です。
しかしながら、実際に近所のコンビニに、2023年の今でも、それらしい雑誌が置かれていませんか?
私が映画鑑賞後に寄ったコンビニ(ファミマ)にはありました。
しかも、別に地方ではなく、大阪で最も賑わうエリアである、梅田界隈でです。
これは、東京オリンピックが終わったから、販売再開されたわけではなく、「ソフト成人雑誌」のような立ち位置で販売しているようです。
エロの他にも、スポーツやゴシップ、サブカルネタなどを掲載することで、グレーゾーン的な雑誌と位置付け、販売しているようですね。
あんま変わらん気がします笑
成人雑誌の編集部はあんな感じ?
これに関しては、横山監督自身が、「95%実話」だと語っています。
この映画のプロデューサーである宮嶋信光さんは、元々成人雑誌の編集部で働いていたそうです。
その当時を再現したため、編集現場の様子の再現度はかなり高いです。
床に落ちたアイスを食べる、終電まで働く、泊まりこむ。などは実際にそうなのだとか笑
また、映画のワンシーンであった、DVDのモザイク処理によるアクシデントも実話だそうです!
女性編集者はいる?
今作の主人公は、若い女性編集者でした。
これもまた、実際におられるそうです。
監督は複数名の女性編集者へ取材をしたのだとか。
これまた映画のワンシーンであった、同僚が男優役になったことなどは、実際にあった出来事だそうです笑
そのため、今作は、現場で今働く女性編集者に対し、とても勇気や活力を与えています。
私と成人雑誌
恥ずかしいけれど、ちょっと書いてみます笑
30歳以上の男性なら、一度は手にしたことくらいはありますよね、成人雑誌。
今の若者は、デジタルでそういった性的なものとファーストコンタクトするのでしょうが、私のようなアラサーはもっぱら紙媒体でした。
私は中学生の頃、結構田舎というか、ニュータウンに住んでいたので、近くにコンビニの類がありませんでした。
そのため、成人雑誌を買ったり読んだりするには、馴染みの本屋に行く必要が…。
そんなところで立ち読みしているのが誰かに見られようもんなら、エロ魔人のレッテルを即座に貼られてしまうことでしょう笑
そもそも、中学生はエロ本読んじゃダメですしね。
そのため、遠くのコンビニでコッソリ店員に隠れて盗み読んだり、友だちが家から持ってきたものを読んだりといった、密やかな楽しみ方をしていました。
高校時代の合宿で、OBが差し入れしてくれたこともありました笑
成人する頃には、デジタル機器が普及していたので、結局自分のお金でエロ本を買うことはありませんでしたね…。
一度入院した時に、お見舞いに友だちが持ってきたこともあったけど、いらんかったなぁ笑
振り返ってみると、意外といい思い出もあるものですね。
やはり、エロ本とはいえ、一つの文化が衰退を辿る様は、どこか寂しいものです。
感想
ぶっとんだ映画なのかと思っていましたが、メッセージ性があって逆に驚きました。
成人雑誌もそうですが、出版業界全体が、紙媒体からデジタルへの移行により、苦しい現状であることを実感できます。
一つの文化の衰退と、そこで働く者の苦しさや使命感。
そういったものがひしひしと伝わってきました。
エロいシーンはほとんどないので(単語は結構ありますが)、苦手な方も大丈夫ですよ。
主人公の女性編集者が、エロへの耐性と共に、力強さも身に着けて成長していく様に、笑って感動します。
タイトルを考えるシーン、最高でした。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「グッドバイ、バッドマガジンズ」がどこまで実話であるのかを解説しました!
思いがけず、感動しますよ。
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