“ジェンコ貿易会社” と ”ロス” が重要です。
映画「ゴッドファーザー2」
現在と過去を行き来するため、初めて観るとややわかりにくい印象を受ける作品です。
ここでシリーズを断念した人、多いのではないでしょうか。
”「ゴッドファーザー3」は不評だし、デニーロ観られたしもういいか”と。
私はそうでした…。
でも2023年の年明けにようやく三部作全てを観ることができ、「ゴッドファーザー3」もかなり感動しました。
マイケルの人生のクライマックスを見届けずして、”ゴッドファーザー観た”とは言えません!
マイケルの人生を、何とか最後まで見届けてほしい!!
そこで!今回の記事では、挫折してしまいがちな、「ゴッドファーザー2」をわかりやすく解説し、「ゴッドファーザー3」に繋げていただこうと思います!
2つの時代に分かれている
「ゴッドファーザー2」は、はっきりと2つの時代に分かれています。
現在のマイケル(アル・パチーノ)の時代と、
若き日のビト・コルレオーネ(ロバート・デ・ニーロ)の時代です。
この時代をクッキリ分けるのではなく、度々行き来するような構成になっています。
なぜこのような分かりにくい構成になっているのかというと、マイケルのドンとしての歩みと、ビトが成り上がっていく様子を、比較しながら楽しめるようになっている訳です。
真面目なマイケルと、カリスマのビト。
この2人を比較することで、マイケルの苦悩をよりくっきりと浮かび上がらせているのですね。
マイケルのパート
マイケル(アル・パチーノ)のパートは、ドンになった現在の苦悩を描いています。
1958年から1959年のアメリカが主な舞台です。
前作でビト(マーロン・ブランド)に向かって”僕はなるよ”言ったように、”表へ出て人を操る大人物”になるべく組織を大きくしようとします。
そのため、裏社会を越え、政界や財界と強いパイプを持つ、ユダヤ系の”ロス”との関係をよりよくしたいというのがマイケルパートの肝になります。
その様は冷酷ですが、つまるところは妻や子どもたちのために、組織をなるべくクリーンにしようという思いの表れなのです。
しかし、結果的に、妻は自分のもとを離れ、実の兄も殺すことに。
なぜこんなに上手くいかない。父はどのように家族と組織を守っていたのだろう…。
このような葛藤を描いているのです。
ロスについて
この物語のキーパーソン、ユダヤ系の”ロス”。
結局は彼が黒幕です。
マイケルの寝室を襲撃したのも、フランクを殺そうとしたのも、彼が糸をひいています。
マイケルは嘘か本当かわからないように言葉を伝えるキャラクターなので、表面上のセリフではわかりにくいですが、”ロス”が黒幕であるとインプットしながら観るといいでしょう。
最もややこしいのが、フランクが襲われるシーンです。
”マイケルがよろしくとよ!”
というセリフがあるからですね。
これは、相手側のブラフ(嘘)なので、真に受けないようにしましょう。
黒幕の”ロス”の内通者として、兄”フレド”が繋がっていたので、殺害されたという訳です。
公聴会について
物語中盤では、連邦議会上院で組織犯罪に対する特別委員会が開かれます。
この特別委員会は、表向きは実業家となっているマイケルが、本当はゴッドファーザーとして犯罪行為をしているのではないかということを審議するものです。
これも”ロス”の仕業で、マイケルを引きずり下ろすための策略なのです。
結果的に、マイケルは勝利するのですが、父との約束である上院議員との繋がりにストップをかけられたり、コルレオーネファミリーの組織の成り立ちを表したりと、非常に重要なシーンなのです。
ビトのパート
ビト(ロバート・デ・ニーロ)のパートは、組織の成り立ちや、ビトのカリスマ性を描いています。
1901年から1925年までのシチリアとアメリカが主な舞台です。
ビト・コルレオーネが、いかにして成り上がっていったかがメインストーリーです。
出生地であるシチリアを、地元マフィアに家族を殺され、それを機に離れ、アメリカに渡り、クレメンザと出会い、成り上がり、復讐するまでを描きます。
ビトのパートはわかりやすいです。
少しややこしい、名前と生業について解説しておきます。
生い立ちについて
ビトは元々、アンドリーニという姓でした。
父・兄・母を、故郷コルレオーネ村のマフィアのドン・チッチオに殺され、移民船にてアメリカへ逃亡します。
ニューヨークの入国管理官に、コルレオーネがミドルネームであると間違われ、そのままビト・コルレオーネと名乗って生きることになりました。
生業について
ニューヨークに渡り、大人になったビトは、
食品店→窃盗団→相談役・ジェンコ貿易会社 と成り上がっていきます。
初めは食品店で働き、妻も子も設けましたが、ニューヨークのマフィア、ドン・ファヌッチに職を奪われます。
同時期に、後に彼の右腕となるクレメンザと出会い、窃盗を生業にして稼ぎを得ます。
やがて、ファヌッチを殺害し、その噂は町の人々にとって公然の秘密となり、ファヌッチに苦しめられた人々から信頼を勝ち取ることとなり、ビトは町の相談役のような存在へ。
そして、活躍の幅を広がるために、カモフラージュ的に、表向きの商売・肩書きとしてオリーブオイル輸入業である”ジェンコ貿易会社”を立ち上げたのでありました。
この”ジェンコ貿易会社”の名が、マイケルパートの公聴会でも登場し、物語が繋がる訳であります。
また、オリーブオイル事業は、シチリア島から輸入したものです。
シチリア島の一番の協力者というのが、トマシーノという人物で、ドン・チッチオ襲撃の際に、脚を撃ち抜かれた人物です。
トマシーノは、ドン・トマシーノとして、車いすに乗って「ゴッドファーザー3」に登場し、マイケルを指南する重要人物です。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「ゴッドファーザー2」のストーリーを簡潔にお伝えしました。
マイケルパートは特に複雑なストーリーなので、ご参考いただければ幸いです!
さあ、「ゴッドファーザー3」にいってみよう!
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