どれだけの時間と労力と技術を込めて作ったのだろう…
映画『春の画』をシネリーブルで鑑賞しました。
本作は江戸時代に栄光を極めた、あの春画に関するドキュメンタリー映画です。
春画って、エッチな絵だよね?
私も昔のエロ本だろ?と思っていたけど、実際はそうじゃなかったみたい。
今回の記事では、『春の画』で得た学びをみなさんにもお伝えしていきます!
作品情報
エロティシズムだけではない、 多彩な表現内容、技巧、 その創造性! 表情豊かに描かれる 「性」と「生」を発見する 驚きのドキュメンタリー映画。
葛飾北斎、喜多川歌麿をはじめとする江戸の名だたる浮世絵師たちが、並々ならぬ情熱を注いだ春画。彫り・摺りの高度な技術も投入され、「美」「技」において超一級の芸術と呼べる作品が数多く生み出されたが、時代が江戸から明治に変わると“わいせつ物”として警察による取り締まりの対象となり、日本文化から姿を消してしまった。性別を問わず楽しめるアートとして再評価の機運が高まったのは、つい最近のこと。2013年、ロンドン・大英博物館での世界初の大規模な春画展に大勢の人が詰めかけ、その半数以上が女性で、2015年~16年の、東京と京都での日本初の「春画展」も動員29万人を記録し、その約半数が女性だった。
https://www.culture-pub.jp/harunoe/
ただのエロ本ではなかった
春画って、昔のエロ本だと思っていませんか?
男性がこそっとニヤッと読むようなものだと。
もちろんそういう側面もあったのかもしれませんが、どちらかというと、女性に読まれる機会が多かったのだとか。
嫁入り道具の一つとして、女性が持たされていたそうです。
いざという時に困らないよう、予習しておくためですね。ハウツー本みたいなものです。
それだけ、当時の性行為が子を授かったり、夫婦のコミュニケーションとして、大切にされていたのだということがわかります。
横尾忠則さんのお話
本作の中に、横尾忠則さんのインタビューがありました。
横尾忠則さんが春画に魅せられたきっかけとして、お母さまが関わっているそうです。
横尾忠則さんのお母さまが亡くなった際、腰巻きになんと春画を入れていたんですって。
上述の嫁入り道具だったということに説得力が増しますよね。
また、それを見た瞬間、横尾忠則と母が男女として繋がったような衝撃があったと語っていました。
(養子だったそうです)
そういったご経験から、横尾忠則さんは「宇宙的狂気愛」という絵を描き上げました。
喜多川歌麿の絵をモチーフにして、真似ゑもんのように自分を描いているような作品です。
何とこの絵の絵具には精液も混ぜたのだとか。
強烈なエネルギーを感じます。
いつか四国に行って、実際に見てみたいものです。
想像を絶する手間
春画が世界的に認められるようになったのは、その技術の高さにあります。
木の彫りかたから、色の付け方、そして刷り方まで、今の技術で再現することはかなり難しいそうです。
陰毛の一本一本をあれだけ細かく再現することや、性器の色にあれだけのグラデーションを版画で着けることは、信じられないほど高度な技術なんです。
春画の中には、愛に溢れたものあれば、奇妙な絵もたくさんあります。
どうしてそのような描きたいと思ったのか、絵を見たいと思ったのか、そのあたりが面白いところですよね。
江戸時代のバックグラウンドも大いに関わっているそうです。
そのあたりは、映画を観てお知りいただければと思います。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『春の画』で学んだことをお伝えしました。
かなり奥の深い作品だね。
江戸の人々の心に触れたような気さえします。
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