「i」西加奈子【読書備忘録】

暮らし

西加奈子さんの「i」を読みました。

先日読んだ「ふくわらい」があまりにも面白かったので、同じく西加奈子さんの著書を手に取りました。

「i」は、人気バラエティ番組アメトーークの読書好き芸人でも紹介されたそうで、かなり知名度のある一冊です。

この世界にアイは存在しません」という意味深なセリフで始まり、読み進めるほど、この言葉が意味を変えていくのが何とも心地よかったです。

管理人
管理人

私自身のコンプレックスにも優しく寄り添ってくれる一冊でした。

STORY

アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、養子としてやってきたアイ。
内戦、テロ、地震、貧困……世界には悲しいニュースがあふれている。
なのに、自分は恵まれた生活を送っている。
そのことを思うと、アイはなんだか苦しくなるが、どうしたらいいかわからない。
けれど、やがてアイは、親友と出会い、愛する人と家族になり、ひとりの女性として自らの手で扉を開ける――
たとえ理解できなくても、愛することはできる。
世界を変えられないとしても、想うことはできる。
西加奈子の渾身の叫びに、深く心を揺さぶられる長編小説。

Amazon販売ページより引用

印象的だった点

私は、長く大阪で育ち、現在も大阪で暮らしています。

しかし、阪神淡路大震災の時は、父の仕事の関係で、千葉に住んでいました。

その翌々年に、大阪へ帰ってきました。

そのため、幼さも相まって、震災は身近なものではありませんでした

また、2011年の東日本大震災の時は、大学の卒業旅行で海外にいました。

そのため、津波の恐怖にも瞬間的には感じることができず、3月12日に日本に戻った時に、ことの重大さ、悲惨さにようやく気付いた次第です。

社会全体がどんよりとした雰囲気残る中、新社会人を向かえ、忙しさの中でいつしか震災への想いは風化していったように思います。

この一連の流れがあってから、自身を何か、震災に寄り添うことのできない、不謹慎な人間のように感じてしまうことがままあります。

「i」を読んで、とても驚いたことがあります。

主人公のアイも、私と同じように、テロの脅威や震災に合わずにいることが、コンプレックスとなっていたことです。

私と同じような感覚でもって、悪いことをしたわけではないのに、「なぜ自分ではないのか」「自分だけ幸せでよいのか」と悩んでしまう人がいるということに救われました。

また、その気持ちとの向き合い方も処方してもらえたような気がします。

感染症や戦争で、いまだ心の落ち着かない昨今。

この本に出会えたことが有難いです。

印象的だったセリフ

「私の心は取り戻せる」

「その時間をきちんと過ごして、向かい合ったからこそできることがあると思う」

「恥ずかしがりながら、ずっと胸を痛めてればいいんじゃないかな」

今日の本学

最後までお読みいただきありがとうございます。

管理人
管理人

西加奈子さんの本は、本当に学びが深いです。共感でき過ぎて驚きます。私の悩みやコンプレックスに寄り添ってくれて有難い。

 

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