『アイ・アム・ア・コメディアン』彼がテレビから消えた理由

ドキュメント・ノンフィクション系映画

不幸の中に、笑いを見つける

ウーマンラッシュアワーの村本大輔に密着したドキュメンタリー『アイ・アム・ア・コメディアン』を鑑賞しました。

ウーマンラッシュアワーの村本は、2017,8,9年のTHE・MANZAIで、原発問題や米軍基地、LGBTのような日本の漫才師が触らない部分に触れたことによってその都度大炎上しました。

そして、とうとう政治家Aの名前を大々的に出してしまったことで、テレビから消えてしまったんですね。

そんな彼が今日までどうして来たのか、そして今何をしているのかを知ることができるドキュメンタリーでした。

bitotabi
bitotabi

私は、気楽なお笑いが好きなので、ぶっちゃけ村本の政治的なネタは苦手だったんですが、あの突き抜け方はカッコいいなとも思っていました。そしてこの映画を観て、彼があのスタイルに変わった理由を知り、応援したくなったし、彼のネタを改めて観てみたいなと思っています。

ダニー
ダニー

どうして政治とか人権的な問題をネタにするようになったの?

きっかけは熊本震災から1年後の2017年に、彼が現地をロケで訪れたことでした。

1年経つというのに、まだまだプレハブの簡易住宅が立ち並んでいて、復興が進んでいないのだいうことを知ったんです。そして、その場で現地の人々を勇気づけるために漫才を披露したんですね。涙を流す人や、ゲラゲラ笑う人。そういう人たちを直に観て、彼は変わったんです。

辛い立場にいる人たちから目を逸らしてはいけない。そういった使命をもっているんですね。

熊本の後も、自分のそれまでの無知を思いしり、いろんなことを知ろうとして現地に赴いた。

福島や自分の故郷である福井では、原発について、

大阪の鶴橋では、日本で暮らす朝鮮系の人々について。

そういった自分が知らなかったことを知る流れでもって、2019年のあのネタに繋がるというわけです。

そして、あのネタの後に、ジョージ・カーリンというコメディアンの存在を知ります。

ジョージ・カーリンは、アメリカ合衆国の政治や社会問題を痛烈に批判する笑いで有名なコメディアンです。

そもそも、アメリカのスタンダップコメディでは政治や社会、人権的な問題に触れることが基本なんです。

『ジョーカー』で、アーサーが目指していたやつですね。

だから彼は、アメリカに渡ることを決意したのです。

まだまだ普通の芸人が触れられない、ストロングスタイルで走っていこうとしていると。

そんな彼なので、吉本でも割と危うい位置にいるんだとか。ある大御所芸人に「おまえああいうネタやめろや」「何考えとんねん」と、つめられた際、「あなただってチャップリンに比べれば大したことないですよね」と言い返したんですって。そりゃあぐうの音もでませんわな。

映画の後半は、これからアメリカに渡ろうと準備していた矢先に、コロナショックが来てしまったところを密着しています。

村本はこれでかなり経済的にも精神的にもダメージを受けてしまい、挙句身内の不幸まで。

彼自身が、辛い立場になってしまうわけなんです。

さあ、そんな彼が一体どのように自分自身と、お笑いと向き合ったのか。

「お笑いで世界を変えたい」「議員になるよりも、これが世界で一番の仕事」「不幸の中に笑いを見つける」

これらのセリフがグサグサと突き刺さってきました。感動しますよ。

ダニー
ダニー

最後までお読みいただきありがとうございます!

bitotabi
bitotabi

ウーマンラッシュアワーの漫才や村本のことが苦手な人も、ぜひこの映画を観てみてほしいです。きっと、彼に対する想いは変わります。

 

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