これじゃあ、太平洋戦争の繰り返しに過ぎない
映画『戦雲‐いくさふむ‐』を映画館で鑑賞しました。
『標的の村』『沖縄スパイ戦史』の三上智恵監督によるドキュメンタリー映画です。
沖縄本島、与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島における、日米両政府の主導のもと急速な軍事要塞化の進行の様子。自衛隊ミサイル部隊の配備、弾薬庫の大増設、基地の地下化、全島民避難計画などの実態に迫っています。
これは強烈です。具体的に映像を目の当たりにすると、戦争を予感せずにはいられませんでした。島民の方々の重圧は、もっとすごいものでしょう。
恐いけど、知ってたいことだよね。
「中国が台湾を攻撃したら、日本も巻き込まれるかも…」
そんな不安を皆さんもお持ちなのではないでしょうか。
もっと細分化して考えてみましょう。
はたして攻められるのはどこなのでしょうか。
ほぼ間違いなく、台湾に最も近い、沖縄の離島や本当ですよね。
じゃあ、その備えも、もちろんそれらの島々に配備するはず。
具体的にどんなものか。
ミサイル部隊や弾薬庫なんですよ…。
実際に運び込まれる様子を見ると、ゾッとしますよ。
自分の住む所から、200m足らずの場所に、ミサイルがたくさん保管されているなんて、想像できますか?できませんよね。
だからこそ、映画で観られることはとても貴重だと思います。
さらに怖いなと思ったのが、じわじわと軍事設備が増えていくということ。
初めは自衛隊が入るだけ、次は迎撃用ミサイルを置くだけ、今度は…。というように。
いつの間にか射撃訓練まで行われるようになり、もう立派な軍事要塞と化しているんですよ。
しかも、島民の反対や意見をないがしろにして増えていっているという実態なんです。
また、島には反対派も多数派もいて、それによって島民が二分化してしまうことも問題。
私は、「反対派の人は島を出ればいいじゃん」と、かつては思っていましたが、そういう問題でもないんですよね。
一つは島を愛しているから。
沖縄は特に、独自の文化が根強く残っています。精霊信仰とか、自然や動物を愛する気持ちが特に強い。
もう一つは、財産や暮らしを捨てることになるから。
家や家畜はどうなってしまうのか。牛や山羊や馬まで一緒に避難させることはできるのだろうか。こういった懸念も強いはずです。
しかし、もっとも強い理由として今考えるのは、反戦への思いなのだと思います。
愛する島を再び戦場にするわけにはいかない。
再び日本で戦争の悲劇を繰り返すわけにはいかない。
そういう想いをもって、最前線で日本を守ろうとしてくれているのだと。
この問題を扱う上で、
「じゃあ代替案はあるのか?」
という考えが頭をよぎるかもしれません。
武には武で対抗するしかないだろうと。
じゃあ、別の都道府県を軍事要塞化すればいいのか。
そんなことはありませんよね。
武器を持たないというのが、私なりの答えです。
映画の中で徴兵忌避という言葉が出てきました。
徴兵を避けるということですね。戦争に行かない。自分は戦争には加担したくない。
これも、戦争を無くすための闘いなのです。
武器を持たない。抵抗しない。
そういった姿勢で、戦争への想いを伝える。できることなら、この道を選択したい。
沖縄本島、与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島――この美しい島々で、日米両政府の主導のもと急速な軍事要塞化が進行している。自衛隊ミサイル部隊の配備、弾薬庫の大増設、基地の地下化、そして全島民避難計画……。2022年には、「台湾有事」を想定した大規模な日米共同軍事演習「キーン・ソード23」と安保三文書の内容から、九州から南西諸島を主戦場とし、現地の人々の犠牲を事実上覚悟した防衛計画が露わになった。しかし、その真の恐ろしさを読み解き、報じるメディアはほとんどない。全国の空港・港湾の軍事拠点化・兵站基地化が進められていることをどれほどの日本人が知っているか。本当の「国防」とは何か。圧殺されるのは沖縄の声だけではない。
本作は2015年から8年かけ沖縄・南西諸島をめぐり取材を続けてきた映画作家でジャーナリストの三上智恵による渾身の最新レポートである。タイトルは、山里節子さんが「また戦雲(いくさふむ)が湧き出してくるよ、恐ろしくて眠れない」と歌う石垣島の抒情詩とぅばらーまの歌詞に由る。映画が映し出すのは、迫り来る戦争の脅威だけではない。過酷な歴史と豊かな自然に育まれた人々の暮らしや祭り――それらこそ、まやかしの「抑止力」の名のもとで今まさに蹂躙されようとしているかけがえのない何かであり、私たちの希望と祈りの源にほかならない。
https://ikusafumu.jp/
最後までお読みいただきありがとうございます。
映画『戦雲-いくさふむ‐』について解説しました。
ぜひ、ご自身の目で確かめてほしいです。賛成でも反対でも、知ってるか見ているかはとても重要だと思いますので。
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