日本アカデミー賞について考える【第48回予想も】

映画

第48回日本アカデミー賞授賞式が、3月14日に開催されます。

普段そこまで映画の賞、特に日本の賞は意識せずに映画を観る私ですが、やはり気にはなりますよね。2024年に鑑賞した映画で、どれが最もいい作品だと評されるのか。

ダニー
ダニー

映画館の予告編の時間にも、年末辺りから必ず流れてるもんね。

bitotabi
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しかしながら、ぶっちゃけたところ、あまり信用していないというのが本音です。

今回の記事ではその理由を述べていきたいと思います。

日本アカデミー賞の評価を訝しむ理由

映画館で日本アカデミー賞の宣伝動画をご覧になったことはあるでしょうか?

あれ、最後にもの凄い数の協賛企業の名前が出てくるんですよ。

大昔はアカデミー賞会員から集めたお金だけでやってたそうなんですが、さすがにそれだけではやっていけませんよね。豪華会場で有名俳優をお招きするわけですから。

加えて、授賞式のTV放送は日本テレビです。

俳優や監督など、映画関係者が会員であり、さらに大手の協賛企業、そしてテレビ局。こんなに利害関係が生まれて、果たして正式なジャッジがくだるものなのでしょうか。

「大手映画配給会社の作品が優遇されているのでは?」

「芸術性や作家性の高い映画より、話題性や著名俳優出演作が選ばれる傾向があるだろう」

と、訝しむ声が多いわけです。私も割とそっちよりです。

特に、年によってその傾向が顕著に出ることがあるんですよね…。

作品賞にフューチャーすると、

第42回
最優秀作品賞:『万引き家族』
優秀作品賞:『カメラを止めるな!』『孤狼の血』『北の桜守』『空飛ぶタイヤ』

第43回
最優秀作品賞:『新聞記者』
優秀作品賞:『キングダム』『蜜蜂と遠雷』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』『翔んで埼玉』

第44回
最優秀作品賞:『ミッドナイトスワン』
優秀作品賞:『罪の声』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『Fukushima 50』『浅田家!』

第45回
最優秀作品賞:『ドライブ・マイ・カー』
優秀作品賞:『孤狼の血 LEVEL2』『素晴らしき世界』『護られなかった者たちへ』『キネマの神様』

第46回
最優秀作品賞:『ある男』
優秀作品賞:『シン・ウルトラマン』『月の満ち欠け』『ハケンアニメ!』『流浪の月』

第47回
最優秀作品賞:『ゴジラ‐1.0』
優秀作品賞:『怪物』『こんにちは、母さん』『福田村事件』『PERFECT DAYS』

第48回
最優秀作品賞:『未定』
優秀作品賞:『キングダム 大将軍の帰還』『侍タイムスリッパー』『正体』『夜明けのすべて』『ラストマイル』

なんとな~く、このラインナップに相応しくない作品が存在するのが、分かりますよね。コメディとか、エンタメを入れるなら、そうとうに面白いものでないと納得いかなくないですか?

キングダム、めっちゃ浮いてますよね。これは日テレがお金を出して作ってるからだと思います。

結局優秀賞の時点で、協賛や俳優の事務所の力が大きく働いているんだと思うんですよね。

『万引き家族』や『ドライブ・マイ・カー』みたいに世界的な賞を獲った作品は流石にないがしろにしないんで、そういう年はいいと思うんですよ。

個人的に。43・44回はいかがなものかと思いますね…。コロナ禍もあるのかもしれませんが。

そして、2024年の作品に贈られる第48回。これもぶっちゃけ、微妙です…。またキングダム入ってるし。

とはいえ、映画を観ることに対する興味を多くの人に持たせたり、海外の映画関係者との交流の場になっていたりと、映画産業を盛り上げる側面もあると思うので、なんとか公正で公平な映画賞になっていってほしいですね。

次は俳優賞にも注目してみましょう。

俳優賞もなんだか…

第42回~48回の主演男優賞はこんな感じ。

第42回最優秀賞 役所広司「孤狼の血」
岡田准一「散り椿」
舘ひろし「終わった人」
濱津隆之「カメラを止めるな!」
リリー・フランキー「万引き家族」

第43回最優秀賞 松坂桃李「新聞記者」
笑福亭鶴瓶「閉鎖病棟-それぞれの朝-」
菅田将暉「アルキメデスの大戦」
中井貴一「記憶にございません!」
GACKT「翔んで埼玉」

第44回最優秀賞 草彅剛「ミッドナイトスワン」
小栗旬「罪の声」
佐藤浩市「Fukushima 50」
菅田将暉「糸」
二宮和也「浅田家!」

第45回最優秀賞 西島秀俊「ドライブ・マイ・カー」
佐藤健「護られなかった者たちへ」
菅田将暉「花束みたいな恋をした」
松坂桃李「孤狼の血 LEVEL2」
役所広司「すばらしき世界」

第46回最優秀賞 妻夫木聡「ある男」
阿部サダヲ「死刑にいたる病」
大泉 洋「月の満ち欠け」
二宮和也「ラーゲリより愛を込めて」
松坂桃李「流浪の月」

第47回最優秀賞 役所広司「PERFECT DAYS」
阿部サダヲ「シャイロックの子供たち」
神木隆之介「ゴジラ-1.0」
鈴木亮平「エゴイスト」
水上恒司「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

第47回最優秀賞 未定
綾野剛「カラオケ行こ!」
草彅剛「碁盤斬り」
山口馬木也「侍タイムスリッパー」
山﨑賢人「キングダム 大将軍の帰還」
横浜流星「正体」

まあ、最優秀に関しては概ね納得。でも、これもなんか、優秀賞の時点で微妙なんですよね…。

もっといい演技してた人、何人もいたような気がするけど。

主演女優賞はこんな感じ。

第42回最優秀賞 安藤サクラ「万引き家族」
黒木華「日日是好日」
篠原涼子「人魚の眠る家」
松岡茉優「勝手にふるえてろ」
吉永小百合「北の桜守」

第43回最優秀賞 シム・ウンギョン「新聞記者」
二階堂ふみ「翔んで埼玉」
松岡茉優「蜜蜂と遠雷」
宮沢りえ「人間失格 太宰治と3人の女たち」
吉永小百合「最高の人生の見つけ方」

第44回最優秀賞 長澤まさみ「MOTHER マザー」
小松菜奈「糸」
永作博美「朝が来る」
長澤まさみ「コンフィデンスマンJP プリンセス編」
倍賞千恵子「男はつらいよ お帰り 寅さん」
広瀬すず「一度死んでみた」

第45回最優秀賞 有村架純「花束みたいな恋をした」
天海祐希「老後の資金がありません!」
永野芽郁「そして、バトンは渡された」
松岡茉優「騙し絵の牙」
吉永小百合「いのちの停車場」

第46回最優秀賞 岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」
のん「さかなのこ」
倍賞千恵子「PLAN 75」
広瀬すず「流浪の月」
吉岡里帆「ハケンアニメ!」

第47回最優秀賞 安藤サクラ「怪物」
綾瀬はるか「リボルバー・リリー」
杉咲 花「市子」
浜辺美波「ゴジラ-1.0」
吉永小百合「こんにちは、母さん」

第48回最優秀賞 未定
石原さとみ 「ミッシング」
上白石萌音「夜明けのすべて」
河合優実「あんのこと」
草笛光子「九十歳。何がめでたい」
満島ひかり「ラストマイル」

これも概ね納得。でも、年によっては微妙です。あと、吉永小百合のえこひいき感が否めない。

 



第48回を予想する

日本アカデミー賞のきな臭さを加味した予想はこちら。

優秀作品賞:『正体
主演男優賞:横浜流星
主演女優賞:河合優実
監督賞  :藤井道人
脚本賞  :野木亜紀子『ラストマイル』

ここまでのデータを観ると第43回の『新聞記者』がとにかく強かったんです。だから藤井道人が監督した作品は、何かしら見えない力が働いているような気がします。

さらに、主演の横浜流星を演技派として昇華させたい事務所や関係者の力も鑑みると、『正体』が強いんでしょうね。

加味しない個人的な評価はこんな感じです。

優秀作品賞:『侍タイムスリッパー
主演男優賞:山口馬木也
主演女優賞:石原さとみ
監督賞  :安田淳一
脚本賞  :野木亜紀子『ラストマイル』

『侍タイムスリッパー』がめちゃくちゃ面白かったし、よくできてるなと思いました。さらに、映画に対する愛の深さを感じることもできた。

こういう作品に優れた賞が与えられたらいいなと。

あと、第44回の主演女優賞最優秀賞が『マザー』の長澤まさみなんですよね。

これに匹敵するくらい、ボロボロの人間を演じ切った石原さとみにも賞を与えてほしいなと思いました。

そしてぶっちゃけ、『正体』で横浜流星が演じたラストシーンよりも、山口馬木也が『侍タイムスリッパー』でおにぎりを食べるシーンの方が人間らしさや感情が乗っかってたような気がします。もちろんラストも断然こっち。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます。

日本アカデミー賞について、私なりに思う所を述べさせていただきました。

bitotabi
bitotabi

さてさて、第48回の結果が楽しみです。

ダニー
ダニー

どっちとも全然違ったりして。

 

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