先日、いくつかの映画を観にいきました。
その中で、気になった作品が2つ。
「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」
「SHE SAID その名を暴け」
どちらの作品も、ハッキリ言って、あまりタイトルとストーリーがあっていません。
一方は、失敗することからドラマが生まれる素晴らしい映画だったし、
一方は、あらすじの時点で名前は暴かれてるだろって。
映画をたくさん観るようになって、邦題にひっかかることがたまにあります。
そのため、この日本語版タイトル”邦題”がいかにして付けられているのかがとても気になりました。
確かに!誰がどんな風に決めてるんだろ…?
今回の記事では、どうしてこういう邦題になったのかを探るべく、外国映画の邦題について調べたことをお伝えします。
邦題は誰がつけている?
洋画の邦題は、基本的には映画の配給会社がつけています。
配給会社とは、映画製作会社が作った映画を上映する権利を買い取り、映画館での上映に向けた宣伝や営業を行う会社が「配給会社」です。
一般の物流で言えば卸売業に当たります。:TOHOシネマズホームページより引用。
映画製作会社→配給会社→興行会社の順番で映画は我々鑑賞者のもとまでくるわけですね。
日本では東宝、東映、松竹が配給会社の大手三社です。
とはいえ、興行会社としても、東宝はTOHOシネマズ、松竹はMOVIXと、東映も少しあります。
なにせ、この大手三社が邦題を決めるケースが多いというわけですね。
もちろん、配給会社は、映画の上映権をお金を出して買っているのだから、少しでも多くの人に観てもらって、利益を出したい。
そんな思いでネーミングしている訳です。
内容に沿うより、いかに呼べるか
そのため、ストーリーに沿ったタイトルよりも、”いかに人を呼べるか”ということを念頭においてタイトルがつけられます。
日本人は、タイトルから多くの情報を得る傾向が強いので、インパクトのあるタイトルを付けようと工夫しているのでしょう。
最近の洋画のネーミングは難しい?
少し前なら、原題をそのままカタカナにすればいいタイトルも多くありました。
「チャーリーズ・エンジェル」「バックトゥザフューチャー」「メン・イン・ブラック」「ファイト・クラブ」など、そのままでも分かりやすく、カッコいいタイトルですよね。
また、「マスク」「レオン」「マトリックス」など、主人公や関係のストーリーに関係する単語のみのタイトルをそのまま使えるものも。
しかし、最近の洋画は、少し捻ったタイトルで、かつ短い単語というのが流行りであるため、そのまま使用すると日本人にはウケづらいのではないかと危惧されているようです。
例えば「CODA」や「マリグナント」など、長い副題がくっついてるパターンが多いです。
また、その”わかりやすさ”や”ウケるかどうか”を最も懸念し、かつ短いタイトルがトレンド化しているのが、ディズニー作品です。
「Onward」→「二分の一の魔法」
「Soul」→「ソウルフル・ワールド」
「Christopher Robin」→「プーと大人になった僕」
「Coco」→「リメンバー・ミー」
「frozen」→「アナと雪の女王」
など、結構違いますよね…。
対象年齢が低いことを考慮した結果なのでしょう。
バッドな邦題
ここからは、上記の理由を踏まえた上でも、私が思う”あまりよろしくない邦題”をお伝えします。
暴力脱獄
原題「Cool Hand Luke」です。
タイトルのせいで、ポール・ニューマンが恐ろしい暴力をふるうのかと思いきや、全然そんなんじゃありません。
サスペリア2
原題「Profondo Rosso」です。
これは本当にひどい!
そもそも、「サスペリア」よりも前に作られた作品で、ストーリーのつながりもストーリーも全然違います!
魔女ものではなく、めちゃくちゃよくできたサスペンスなんです。
日本で「サスペリア」が流行ったから、同じ監督だし「サスペリア2」にしちゃおうぜという安直さが露見したひどい付け方。
バス男
原題は「Napoleon Dynamite」です。主人公の名前からきています。
私はこちらの映画大好きなのですが、電車男に便乗してひどい邦題をつけられちゃった作品です。
むちゃくちゃ笑えるし、熱い映画なので、ぜひご鑑賞を。
変態村
原題「Calvaire」で、イエスが磔にされた丘の地名です。ぜんぜん変態関係ない。
しかも、カンヌ国際映画祭に出品、アムステルダム・ファンタスティック映画祭グランプリ受賞という大変優れた作品なのです。
このタイトルのせいで、イロモノ・オカルト色を強く感じますよね。いやはや、惜しい。
グッドな邦題
ここからは、むしろ、邦題でよくなったと感じる作品をいくつか。
羊たちの沈黙
「The Silence of the Lambs」
直訳ですが、漢字入りで見た目もいいです。
博士の異常な愛情
「Dr.StrangeLove」
ストレンジラブ博士じゃあ、流行らなかったかも。
キューブリックがタイトルをそのまま使えといったのを逆手にとったんですね。
時計仕掛けのオレンジ
「A Clockwork Orange」
これも良いです。またもやキューブリック。
漢字とカタカナがバランスいい。
海の上のピアニスト
原題「La leggenda del pianista sull’oceano」
英題「The Legend of 1900」
イタリア映画なので、英題もあります。
イタリアの原題は「海のピアニストの伝説」という直訳に。
これは、英題が結構違ってますよね。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
洋画の邦題について解説しました!
批判的なことも述べましたが、最近は結構、タイトルそのままのパターンも増えてきているので、結構嬉しい。
「RRR」に変な副題がなくてよかったです笑
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