演技の秘訣はホワイトな環境
映画「怪物」を鑑賞しました。
第76回カンヌ国際映画祭にて脚本賞クィアパルム賞を受賞。
監督は「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞、「ベイビー・ブローカー」でエキュメニカル審査員賞した日本が誇る是枝裕和。
音楽は先日惜しくもお亡くなりになられ、今作が最後の映画劇伴となった坂本龍一。
脚本は「花束みたいな恋をした」「大豆田とわ子と三人の元夫」など数々のヒット作をとばす坂元裕二。
キャストには安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子ら実力派が揃っているなど、
話題の尽きない作品です。
今回の記事では、映画「怪物」の見どころと、観る前に押さえておくべきポイントをお伝えしていきます。
大きな湖のある郊外の町。
映画公式サイトより引用
息子を愛するシングルマザー、
生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。
それは、よくある子供同士のケンカに見えた。
しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、
大事になっていく。
そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した―。
監督:是枝裕和
私は是枝監督の映画が好きです。
日本らしさをみせつつ、カンヌらしい国際的な視点を盛り込むことができ、かつ一般的な認知度も高いとっても偉大な監督の一人だと思っています。
キャストのセレクトもとっても好みです。
今回も、決して商業的な臭いのしないキャスティングなのではないでしょうか。(アイドルっぽい人はほとんどいませんね)
振り返ってみると、「誰も知らない」「そして父になる」「海街diary」「万引き家族」のどれも好きです。
今作でも日本独特の閉鎖的でじめっとした雰囲気や文化を感じさせつつ、あっと驚くような展開に心を震わせてくれますよ。
音楽:坂本龍一
坂本龍一さんは2023年3月に癌が原因でお亡くなりになりました。
今作が遺作となっております。
坂本龍一さんは1970年代後半に「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」のメンバーとして活躍し、日本のテクノシーンを盛り上げました。
クラシックからポピュラー音楽まで幅広い分野で才能を発揮し、映画音楽でも世界的に評価されています。
『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞を、映画『ラストエンペラー』(87)の音楽ではアカデミー賞作曲賞、グラミー賞、他を受賞した実績があります。
また、昨年10月に公開された「アフター・ヤン」でも素晴らしい音楽を手掛けました。
今作でもその音楽は観客の心を震わせます。
涙が出ますよ。
キャスト
今作はキャストも非常に豪華です。
実力派、個性派、バランスよく揃っています。
安藤サクラ
もはや日本の映画界になくてはならない存在ですね。
今作ではシングルマザーの役を務めています。
見事にはまっています。
あの役は、安藤サクラさん以外には考えられない。
「ある男」でもシングルマザー役でしたね。
永山瑛太
永山瑛太さんは、担任教師役を演じています。
最近は2枚目というよりも、少々癖のある役を演じることが多くなっているような印象です。
ドラマ「エルピス」では陰鬱な雰囲気のある役を演じていました。
今作でもなかなかのくせ者。
ドンキのお兄さんという印象はとっぱらいましょう。
角田晃広
角田さんの演技も素晴らしい。
角田さんは坂元裕二さんと「大豆田とわ子と三人の元夫」でもタッグを組んでいるあたり、相性がいいのかもしれません。
「いだてん」「半沢直樹」など、ドラマの印象がどうしても強いですが、今回でその印象も変わりそう。
コント師ではなく、小学校教頭にしか見えませんから。
3年かけて書いた脚本
是枝監督が脚本をかかずに映画を作ったのはデビュー作以来。
今回は坂本さんと意見を交換しながら何と3年の月日をかけて完成したそうです。
撮影現場の働き方改革
今作を作るにあたり、是枝監督は映画撮影現場の働き方にも気を配っていたそうです。
安藤サクラさんは、第46回日本アカデミー賞のスピーチにおいて、俳優と母親の両立の難しさを涙ながらに語っていました。
「怪物」の撮影現場では、キャストが撮影現場に子どもを連れてきたときに、面倒を見られるよう、保育士の資格を持ったスタッフを雇ったのだそう。
俳優がパフォーマンスを最大限に発揮できる環境を整えるのもまた、監督の腕のみせどころなのですね。
ブラックな映画業界の光となって、これからも牽引していっていただきたいです!
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「怪物」の見どころをお伝えしました。
今年の日本映画を語る上では、絶対に外せない作品です。
ぜひ劇場で鑑賞を!!
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