『海底軍艦』埋めがたい20年のギャップ

映画

平穏な昭和 戦争の亡霊 20年のギャップ

海底軍艦』の4Kリマスター版を午前十時の映画祭で鑑賞しました。

bitotabi
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特撮はもちろん凄いんですが、私はドラマの方にとても感動したので、感想をお伝えしたいと思います。

ダニー
ダニー

まずは作品概要から!

作品概要

『海底軍艦』(1963年)は、本多猪四郎監督と円谷英二特撮による日本の特撮映画です。

カメラマンの旗中(高島忠夫)と助手の西部(藤木悠)は、ムウ帝国工作員による光國海運の楠見専務(上原謙)と秘書の神宮司真琴(藤山陽子)の誘拐を阻止した。後日、ムウ帝国から脅迫フィルムが届き、そこには1万2千年前に海底に沈んだムウ帝国が今なお強大な科学力で深海を支配している様子が映し出されていた。

午前十時の映画祭14「海底軍艦(4K)」| TOHOシネマズ
■概要:カメラマンの旗中(高島忠夫)と助手の西部(藤木悠)は、ムウ帝国工作員による光國海運の楠見専務(上原謙)と秘書の神宮司真琴(藤山陽子)の誘拐を阻止した。後日、ムウ帝国から脅迫フィルムが届き、そこには1万2千年前に海底に沈んだムウ帝国が今なお強大な科学力で深海を支配している様子が映し出されていた。■上映期間:202...

この映画の原作は明治時代のSF小説「海底軍艦」に基づいています。原作小説は、1900年に押川春浪によって書かれたもので、当時の技術や未来への夢を反映した冒険物語です。

原作では軍艦は空を飛びませんが、映画ではビュンビュン飛びます。流石は東宝の特撮です。

宇宙戦艦ヤマトやサンダーバードのアイデアは本作なしには生まれなかったでしょうね!

なお、本作には1968年に怪獣総進撃と併映で公開された20分短いものが存在するんですが、今回の4Kリマスター版は、公開当時1963年のオリジナル長尺版に近いそうです。

マスターポジをそのまま復元するのではなく、短縮版で切られたものを繋ぎ合わせて編集したのでかなり手間がかかっています。

 



感想:戦争から逃れられない人々

本作で私の心を揺さぶったのは、神宮司大佐。

20年間、愛国心を持ち続け、日本が世界の覇権を握るため、戦争に勝つために尽力してきたんです。

しかし、一方で、戦争が終わって平和な20年を過ごしてきた人々とは考え方が大きく乖離していた。

特に、戦争をほとんど経験していない若い世代にとっては、理解しがたいものであると。

何だったら、「歪んだ愛国心を持ち続ける戦争キチ〇イ」とまで揶揄されてしまうんですよね。

また、娘にとっても、自分を捨ててまで戦地へ向かった父を憎む想いを伝えられてしまう。

もう正に、戦争の亡霊になってしまっている神宮寺大佐。

これが非常に哀れでしたね…。最終的には娘を愛する気持ちで考えを改めるわけですが。でも、やはり心に沁みるのはこの両者の乖離なんですよ。

戦争をやっている時は、愛国心を持って、国のために闘うこと、そしてそれによって家族と離れることや、たくさんの人を殺めたり、身を挺して闘うことで(たとえ亡くなったとしても)英雄になることは美しく、素晴らしいことだとされるわけです。

でも、戦争が終わってもそれに固執していたらただの戦争キ〇ガイだとされてしまうと。

これって何かおかしいし、悲しいですよね…。なんか、コスプレとか、遊園地に行って遊んだりするのと同じ感覚を強要されているみたいです。一時はその世界観やルールに没頭するけど、日常にかえったら元に戻るべしっていう。

コスプレとか遊園地は数時間で終わるからいいですけど、戦争は話が違いますよね…。

だから『ランボー』(1だけですよ)とか『アメリカン・スナイパー』みたいな映画って作られるんだなって改めて思いました。

戦争が終わった後の辛さとか葛藤も考えないといけないんですね。

ロシア・ウクライナも、ガザの争いもいまだ継続中ですし、収束を願うばかりですが、戦線を離れた人々や、終わった後のことも考えるべきなんだと思います。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画『海底軍艦』についてお伝えしました。

bitotabi
bitotabi

非常に深いドラマを楽しめる作品です。

ダニー
ダニー

特撮も凄いんだよ!

 

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