2010年に公開されたからこそ、
大きな意味を持つ作品。
映画「キッズ・オールライト」を鑑賞しました。
同性婚の女性二人と、その子どもたちに起こるドラマを描いた、コメディドラマです。
今作は、同性愛をテーマにしているため、前衛的な作品のように思われますが、実は保守的な作品であることが大変面白いのです!
それによって、メッセージ性がかなり強まっています。
同性愛なのに保守的ってどういうこと?
あと2010年に何があったの??
今回の記事では、なぜ同性愛で保守的なのか、メッセージ性が強まるのかをお伝えしつつ、その他の見どころも解説していくよ!
2010年公開に関しては、2008年にアメリカで決まった、ある法律が鍵なんだ!
STORY
18歳のジョニは、自分の母親ニックと同じ父親を持つ15歳の弟・レイザーそして、レイザーの母親ジュールスの4人暮らし。ママ二人と姉弟という少しいびつな家族だが、楽しく愛情に満ちた生活を送っている。しかし、1人暮らしを機にジョニは、まだ会ったことのない自分たちの医学上の父親・ポールに興味を持ち、レイザーと共にこっそり会いに行くことに。オーガニックレストランを経営し、気ままな独身生活を謳歌するポールに親しみを感じた2人。しかし、親2人にポールのことがばれたことから家族に少し異変が起きはじめる…。
TOHOシネマズ作品紹介より引用
それではここから解説に参りましょう!
タイトルと背景
原題は”THE KIDS ARE ALL RIGHT”です。
日本語で、”子どもたちは大丈夫”という意味で、アメリカでは子どもがお使いに行くときや一人で出かける時などに、”大丈夫、大丈夫!”みたいな感じでよく使われる表現です。
実は、この文章の前に”同性婚の子どもでも“がつくのです。
2004年頃、ブッシュ大統領が、同性婚を禁止する法律を推し進めました。
当時はイラク戦争真っ只中で、批判が集まっていたため、話題を逸らせる狙いがあったようです。
ブッシュの支持者の大半は、敬虔なキリスト教徒。
同性愛はよしとされていません。
そのため、票を集めるために行った施策だったわけです。
その影響で、2008年にカリフォルニア州で同性婚が法律で禁止されたことを受けて作った。
同性婚だと、子どもがキチンと育たないという風潮が強かったんですね。
そのため、2010年、その意見に対抗するかのように、この映画が公開されました。
アメリカでの反響は大変大きかったそうです。
監督自身もレズビアン
タイトルと背景からわかるように、リサ・チョロデンコ監督もレズビアンです。
映画と同じように、精子の提供を受け、子どもを出産。
ミュージシャンの女性と一緒に暮らしています。
彼女自身の現状を肯定するべく、強い思い、信念のようなものをぶつけるかのように、作られた映画なのです!
前衛的なようで保守的
「キッズ・オールライト」は、前衛的なようで実はかなり保守的な映画です。
家長役の女性は、
男性と同じように、家長の椅子に座って食卓を囲み。
子どもにも厳しい態度で接し。
家計を支える経済力をもつ。
という非常に昔ながらの家長制度といいますか、父親らしい役割を演じています。
実に保守的な家族の関係性です。
男性と女性の夫婦と変わらない。
また、変わらないのだから、普通のカップルだって、うまくいかないこともある。
つまりは、同性婚も通常婚も同じです。
というメッセージがこもっているのであります。
だから保守的な映画なんだね!
ゲイポルノはガチ
今作はコメディドラマなので、結構笑いどころが多いです。
中でも1番面白かったし感心したのが、レズビアンの二人が、ゲイポルノを好んで鑑賞していた点です。
二人いわく、レズポルノは偽物(ストレートの人が演技をしている)なのだとか。
それと違って、ゲイポルノは本物のゲイが出ているからいいのだそうです笑
私なりの感想
私は、性に対して寛容だと自負しています。
そのため、今作は非常に楽しく鑑賞できました。
同性婚への監督の強い思いや、屈しない心のようなものを感じ取ることができます。
ある意味、熱い映画です。
また、マーク・ラファロのような、ハンサムではないけれどセクシーな男性というのも、モテるんだなぁと感じました。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「キッズ・オールライト」の解説をお届けしました。
監督の同性婚に対する熱い思いがこもった映画です。
コミカルなので、気軽に同性婚について学びを得られます。オススメです。
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