「君たちはどう生きるか」ネタバレあり解説

アニメ映画

映画「君たちはどう生きるか」を鑑賞してきました。

本作はポスター以外の宣伝を一切せず、ストーリーを含んだすべてが謎のまま公開されました。

今回の記事は、ネタバレを含んだ内容となります。

ダニー
ダニー

まだ観てない人は気を付けてね!

管理人
管理人

鑑賞後の考察を楽しみたい人や、ネタバレを知ってから作品を鑑賞したい人、再鑑賞前のインプットにお役立てください。

ストーリー

戦時中の日本が舞台です。

戦火にて母を失った主人公眞人(まひと)。

父は母の妹(つまり叔母)と再婚することに。

母の実家(かなり裕福な家庭)へ引っ越すことになり、さらに、新しい母のお腹には父との間にできた新たな命が。

新しい家には、アオサギが嫌な顔でこちらを観ている。

新しい母との関係もぎくしゃく。

学校も上手くいかず、初日から殴り合いの喧嘩に。

あげく自傷行為で頭部を傷つけ、しばらく安静にすることとなります。

その後、不思議な世界への冒険が始まります。

新しい母を探して辿り着いた場所は大叔父が建てた塔。

そこは異世界への入り口となっており、その中で新しい母を探すというストーリーとなっております。

 



宮「﨑」駿

本作のエンドロールを観て私はとっても驚きました。

宮﨑駿という表記だったからです。

これまでの作品では宮駿でした。

これは、ある種、新しい自分、シン・ミヤザキとしてのスタートを意味しているような予感がします。

それを踏まえると、これまでの作品との大きな違いも何となく頷けますよね。

監督自身の背景と繋がる

宮崎駿監督作品では、監督自身や、監督のお母さまを思わせる人物や設定が多数登場します。

風立ちぬの堀越二郎、ラピュタのドーラなどですね。

本作も同様です。

親の再婚や、実家が宮崎航空興学という会社を経営していたこと、また、宇都宮で空襲を経験していることなどが重なっています。

ナツコの苦悩

本作に登場する継母のナツコ。

多感な眞人にとっては、あまり好きになれない存在でした。

しかし、彼女も結構苦労しているんだと思います。

後継ぎ(父)のための結婚、

ばあやたちは亡き姉のことをよく言い、裕福な自分をくさすようなセリフも浴びせる、

ひどいつわりに加え、新しい息子は馴染んでくれない…。

それでもなお、彼の自傷行為に気づき

「ごめんさないね…」

と語ることができる包容力を持っていると。

こうして観ると、彼女の辛さとか、登場人物としての重要さを感じられるのではないでしょうか。

そんなナツコを、主人公眞人がラストどのように向き合うのか。

ここは一つの見どころですね。

 



過去作へのオマージュ

本作は、宮崎駿監督自身の背景と繋がっていることもあり、過去作のオマージュが多くあったような気がします。

そもそも現実世界の時代設定は風立ちぬに似ています。

意思を持った石の存在はラピュタを彷彿とさせます。

ワラワラというチャーミングなキャラクターは、もののけ姫

巨大魚は崖の上のポニョにも出てきました。

ナツコを救い出そうとするものの、顔に紙が貼り付くシーンは千と千尋の神隠し

建物や父との再会シーン、塔を登るシーンはカリオストロの城

といったように、かなり多くの宮崎駿監督作品を意識したシーンが多分にあります。

1度の鑑賞では気づけなかっただけで、本当はもっとあるはずです。

後継者の存在

前述のように、「君たちはどう生きるか」は宮崎駿監督自身や、これまで作ってきた作品への思いがこもっています。

そして、ストーリーは、大叔父が自分の後継者として眞人を選ぼうとするというのが、一つ重要なポイントです。

結局眞人は、現実世界へ帰ることを選択します。

これってつまり、宮崎駿監督が自分の後継者を育てたり、見つけたりすることに繋がっているんだと思うんです。

実際に後継者として誰かを思っているのかどうか、その真意のほどはわかりません。

本作のように、見つからなかったという結論かもしれないし、宮崎吾郎監督かもしれない、庵野秀明監督かもしれない。 

 



結局あの世界は何なのか?

ここからは、眞人が迷い込んだあの世界が、結局のところどういった世界なのかを解説していきます。

失われたものたちの本

本作は、ジョン・コナリーの「失われたものたちの本」を原作のひとつとしています。

そこから推察すると、あの世界は、これまでの宮崎駿監督作品や、その他のアニメ、漫画などのファンタジー作品の世界を描いているという見方ができます。

 



輪廻転生・死の世界

本作は、死や生まれ変わりを感じる描写がいくつもあります。

一番わかりやすいのはワラワラです。

彼らは、飢えてなくなった子どもの魂のような存在で、お腹いっぱいになると、まるでDNAのようになって空へと昇っていきます。

あの海の世界は、餓鬼道や地獄道を表しているのでしょう。

「この世界には死んでいるものの方が多い」という桐子のセリフもみられましたね。

オウムの世界は人間の世界。

彼らは言われたままになんの疑問も持たずに行動する人間を象徴しているわけですね。

ちょっと怖い論点

最後に、今一つ分からないのが、なぜ、あの世界でナツコのお腹の子が求められていたのかということです。

単に新たな後継者として必要だというならば、そこまで恐くないです。

でも、そうであれば眞人は必要ないはずです。

眞人は赤ん坊が大きくなるまでの繋ぎのようなものなのか…。

はたまた、赤ん坊を贄にして何かを得ようとしていたのか…。

ここだけはよくわかりませんでした。

ナツコが横になっているあのシーンも合わせて、かなり不気味で不穏です。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

ダニー
ダニー

「君たちはどう生きるか」のネタバレあり解説をお届けしました。

管理人
管理人

ここまで考察したものの、もしかしたら宮崎駿監督の頭の中や思いを散文的に表現したものである可能性も多分にあります…笑

 

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