僕は、どこか変わったかい?
映画『幸福』を鑑賞しました。
ヌーヴェル・ヴァーグを代表する監督、アニエス・ヴァルダの作品です。
『幸福』というタイトルですが、めちゃくちゃ恐いんですよ。
どんな映画なの…?
ここから先、結末に関するネタバレを含みます。
本作は『幸福』というタイトルですが、かなり恐さや不気味さで溢れています。
まず、冒頭。ひまわりがだんだん枯れていくショットが映しだされ、一体どんな映画なのだろうと惹きつけられます。
すでに何だか変なんですよ。嫌な予感がするのです。
10代のような見た目の若い夫婦の物語で、夫は凛々しく、妻はとても愛らしい。
二人いる子どももとっても可愛くて、貧しいながらも幸せそうな家庭。
そしてある日、旦那が郵便局の女性と親しくなり、やがて肉体関係にまで発展していくんです。
不倫関係は続きながら、家族みんなで公園へピクニックへ出かけた時、旦那はその関係を妻に打ち明けます。
どちらも本気で愛している、最近の僕の君への愛は変わったように感じたかい?と言って、妻も否定せず、二人は次の瞬間には草むらで愛の営みを始めます。
しかし、旦那の目が覚めると、妻が消えている…。
「こんな女性みかけませんでしたか?」と公園中の人々に尋ね、焦る夫。
ようやく見つかった妻は、水死体となって発見されるのです。
その後、夫はなんと郵便局の女と暮らす道を選んで映画は幕を閉じるんです。
ちなみに、夫のカミングアウトも、不倫相手に迫られたとか、自責の念にかられたとか、そういうわけではなく、ただしれーっと、「どっちも好きだし妻に言っとこうか」みたいな感じで打ち明けるんです。
妻の死で少しは落ち込む様子もみられましたが、再婚のスピード感はえげつないものがあります。
恋って何なんだろう。愛って何なんだろう。
そんなことを考えさせられる一本です。
フランスの文化や恋の仕方を知っていると、また見え方が変わるのでしょうか。
『5時から7時までのクレオ』や『ラ・ポワント・クールト』もゾッとするシーンが多い作品でしたが、『幸福』は別格です。
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『幸福』の解説と感想をお届けしました。
私の中で恐い映画ベスト10に入ってきそうな作品です。
映像の美しさも必見だよ。
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