執念と狂気の30年が詰まった傑作…!
フィル・ティペットという人物をご存知でしょうか。
彼がいなければ、「ジュラシックパーク」も「スターウォーズ」も存在しなかったといっても過言ではない、映画界の超重要人物なのです。
ええぇぇ!すごい人なんだね!!!
その通り!!
そんな氏が監督を務め、30年の制作期間をかけて生み出しだ新作「MAD GOD」の魅力と実際に観た感想をたっぷりとお伝えします!
STORY
地下深くへと送り込まれた孤高の暗殺者。異形のクリーチャーたちであふれるその暗黒世界で、狂気に満ちた地獄めぐりを繰り広げていく。
公式サイトより引用
クリーチャーの造形も、もちろんですがまずはこちらの作品が「ストップモーション」で撮影されている点を解説させてください!
ストップモーション
今作は「ストップモーションアニメ」です。
ストップモーションとは、いわゆるコマ撮り撮影です。
静止している人形や物体を、1コマ毎に少しずつ動かして撮影し、まるでそれ自身が連続して動いているかのように見せる撮影技法です。
CGが常態化した今、改めて注目されはじめている撮影技法のひとつであります。
先日紹介した「ギレルモ・デルトロのピノッキオ」もストップモーションアニメです。
本当に時間を要する撮影技法ですので、その執念と情熱はものすごいものであります。
このクオリティで、作品のほとんどをコマ撮りって、信じられないですよね…。
鑑賞前にぜひこちらの動画をご覧ください👇👇
フィル・ティペットについて
ここからは、フィル・ティペット監督に関する情報や、これまでの功績について解説いたします!
『スター・ウォーズ』『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズなど、誰もが知る名作の特殊効果の数々を手掛け、アカデミー賞を2度受賞、その後のSF作品に計り知れない影響を与えた巨匠フィル・ティペット。
今から約30年前、『ロボコップ2』(90)の撮影後に本作のアイデアを閃き、地道に制作を続けていた。だが、『ジュラシック・パーク』(93)で時代は大きく転換し、ティペットの代名詞である手作りの視覚効果から、業界が本格的にCG映像へと移行。「俺の仕事は絶滅した」とプロジェクトは中断された――。
それから20年後。ティペット・スタジオの若きクリエイターたちが奇跡的に当時の人形やセットを発見し、彼らの熱望により企画が再始動する。さらに、クラウドファンディングで世界中のファンからの応援も集まり、2021年シッチェス映画祭で上映され狂喜乱舞を呼んだ。CGに駆逐された<ストップモーションアニメ>の巨匠が放つ、魂の一撃。映画史に反撃の狼煙をあげる、最高傑作がここに完成した。
公式サイトより引用
かっこいいですよね。
反撃の狼煙…!
映画はCGでド派手にすればいいというものではない。
ノーラン監督のように、映画界で闘うひとりの人間として、フィル・ティペット監督を応援せざるをえません!
これまで関わった作品
フィル・ティペット監督の、これまでの功績について解説します。
本当にとんでもない偉業ですよ…!
<アカデミー賞®︎ 視覚効果賞受賞>
『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(83) (特別業績賞)
『ジュラシック・パーク』(93)
<その他の主なフィルモグラフィ>
『スター・ウォーズ』シリーズ
『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84)
『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』(86)
『ロボコップ』シリーズ
『ウィロー』(88)
『ジュラシック・パーク』(93)
『ドラゴンハート』(96)
『ホーンティング』(99)
『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズ
『エボリューション』(01)
『スパイダーウィックの謎』(08)
『トワイライト・サーガ』シリーズ
『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』(15/出演)
『マンダロリアン』(2021)
公式サイトより引用
いやーすごいですね!!
改めて、これらの作品の特殊効果にも注目してみたくなりました。
こちらの4足歩行ロボット、フィル・ティペット監督が生み出した特殊効果です。
「ロボコップ」で暴走するロボットも、氏の作品です。
制作に時間がかかった理由
フィル・ティペット監督は、失語症・双極性障害・ASDがあるとインタビューで語っています。
そのため、何事にも時間がかかってしまうそうで、今作を作るにあたって、絵画や絵コンテ、デザインなどを20年間じっくりと学んだと言っています。
ヒエロニムス・ボスの絵がルーツ
フィル・ティペット監督は、幼少期に父親からヒエロニムス・ボスの絵画を見せてもらっていたそうです。
確かにそれっぽい雰囲気がありますね!
めちゃくちゃ納得です。
グロテスクで怖くもあり、どこか可愛くも見える不思議な魅力。
ルーツはここにあったわけですね。
「マッドゴッド」にも多彩なキャラクターが登場します!
登場キャラクター
まさにキモカワです!!
画像は全て公式サイトより引用しております。
アサシン / THE ASSASSIN
ガスマスクと時限爆弾を装備し、地底世界に降りてきた主人公。
シー・イット / SHE-IT
剥き出しの大きな歯がチャームポイント。出刃包丁を振り回す。
クリープ / THE CREEP
ドラム缶の中に生息し、獲物に罠を仕掛ける。天敵はシー・イット。
シットマン / SHITMEN
大量生産される労働者。列車やローラーに轢かれたり、業火に焼かれたりする。
ミートボール / MEATBALL
ある場所から産まれ出た赤ちゃん。
アルケミスト / ALCHEMIST
ペストマスクと黒装束をまとい、浮遊する錬金術師。
インプ / THE IMP
多種のペットを飼っている、残忍な小人。
感想
ここからは、私の感想をお伝えします。
観てはいけないものを観てしまった感
中盤までにたくさん登場する、クリーチャーの数々。
グロテスクであり、エロティックでもあるように私は感じました。
なんだか、初めてアダルトビデオを観てしまった時のような。
残忍性極まる絵画を見た時のような…。
なんとも言えない興奮のようなものが込み上げてきました。
一人でひっそりと楽しみたい。そんな作品です。
これを観て美しいと、楽しいと感じてしまっていいものか…。
誰しも、何かしら大きなショックを受けることは間違いなしです。
2001年宇宙の旅
終盤の映像には息を呑みます。
2001年宇宙の旅のスターゲイトシークエンスをご存知でしょうか。
あの映像に近い、幻想的で、思わずフィルムの中に吸い込まれてしまうような感覚でした。
CGに頼らない、手作り感ならではのリアリティもまた、近しいものを感じます。
私の推しクリはアルケミスト
たくさんのクリーチャーが登場しましたが、私の推しはアルケミストです。
マントの揺らぎがカッコよく、モーションキャプチャーでどのように撮影したのかも気になるところ。
ふんわりした風を吹かせているのでしょうかね…。
ちょっとだけ人間も
少しだけ人間も出演していました。
しかし、物語の世界観に惹き込まれ過ぎて、人間に違和感を覚えるという逆転現象が起こります。
これがまた心地良かったです!
スターウォーズのような…
劇中、スターウォーズのような銃撃戦のシーンや、集団が動くシーンもありました。
これはもう、流石というほかありません。
音といい、視覚といい、繊細ながら迫力満点。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
僕にはちょっと早いかもしれないけど、面白そう…。
PG12だからね…。
「MAD GOD」の見どころと感想をお伝えしました!
執念のモーションキャプチャー。
大人なあなたはとくとご堪能ください。
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