使い捨ての命の価値は
『Micky 17』を鑑賞しました。
『パラサイト半地下の家族』のポン・ジュノ監督の作品ということで、見逃せない作品なのではないでしょうか。
しかも今回はSF作品ということで、より気になりますよね。
で、ですね、ポン・ジュノ監督の作品の何がすごいかというと、表面的なストーリーの面白さに加えて、その裏に込められた社会的なメッセージも強く込められているからなんです。
その両方に心が揺らされてしまう。倍以上の面白さがあると言えるんですね。

今回の記事では、ポン・ジュノ監督の最新作『Micky 17』の表と裏の面白さを解説していきます。ストーリーの結末に関するネタバレはしないので安心してお読みください。

公式サイトのあらすじはこんな感じ!
人生失敗だらけの男“ミッキー”が手に入れたのは、何度でも生まれ変われる夢の仕事、のはずが……!?
それは身勝手な権力者たちの過酷すぎる業務命令で次々と死んでは生き返る任務、まさに究極の“死にゲー”だった!
しかしブラック企業のどん底で搾取されるミッキーの前にある日、手違いで自分のコピーが同時に現れ、事態は一変。
使い捨てワーカー代表、ミッキーの逆襲がはじまる!https://wwws.warnerbros.co.jp/mickey17/index.html
それではまず、表の面白さ、単純なストーリーの魅力やキャスティング、その他の見どころについてお伝えしていきます。
表の面白さ
ポン・ジュノ監督のSF、しかも舞台は宇宙ということなんですが、割と宇宙じゃなくても成立するような、内容です。
というのも、人間ドラマが中心だからなんですね。
異星でかつかなり厳しい環境において、人間関係というのは、集団というのは、どのようになっていくのか。そこに最もフォーカスをあてている感じ。
でももちろん、高い技術の美術やCGなどの特殊技術でもって、SF感もしっかりと味わうことができますよ。
その最たるものが、異星人の存在ですね。虫っぽい見た目の宇宙人が冒頭から登場するんですけど、これ割と『グエムル』っぽい。
ポン・ジュノ監督はああいうデザインが好きなんでしょうね。でも今回のやつらは結構可愛いですよ。
主演はロバート・パティンソンです。『TENET』でめっちゃカッコいい役をやってた人ですね。使い捨てのミッキーに見事に成りきってます。喜怒哀楽が非常に豊かでいい。『TENET』のクールな役とはちょっと違って、親近感を覚えます。
特に注目していただきたいキャストは、マーク・ラファロでしょうか。英語が上手く話せない、財力だけの社長を演じてるんですが、この演技がすごい。これまでマーク・ラファロってどちらかというと女性の上手く口説き落とすような色男っぽい役が多かったと思うんですけど、今度は全く逆。イラっとする役ですよ笑
あと、『NOPE』『ミナリ』のスティーブン・ユアンも友人役で出てます。韓国系として、ポン・ジュノ監督の想いを背負ってそうです。
裏の面白さ
ここからは、表立ったストーリーの裏に隠されたメッセージを考察していきます。
若干のネタバレを含みますのでご注意ください。
まず、「expendable」という制度について。使い捨てのように簡単に命を粗末にされる。
次に、意思の疎通のできる「異星人」の存在。
これが何を意味するのかというと、やはり戦争に対するメッセージでしょうね。
金儲けだけを考えている馬鹿でマヌケなリーダーのせいで、たくさんの命がまるで使い捨てのかのように扱われる。
食事もお粗末。
それっぽいことだけ言って、パフォーマンスして、鼓舞する。
K国かA国か、はたまたR国かU国か、Gエリアの問題、具体的にどの争い、どのリーダーを指しているのかは分かりかねますが、どれにも共通した点はあるはずです。
あるいは徴兵制に関するメッセージのようにも見えますね。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
『Micky 17』の表と裏の見どころについて解説しました。

めちゃくちゃ面白い作品です。コメディかつスリリングかつ、ドラマチックなSF。必見です。

ぜひ映画館で!
X(旧Twitter)はこちら
https://twitter.com/bit0tabi
Instagramはこちら
https://www.instagram.com/bit0tabi/
Facebookはこちら
https://www.facebook.com/bit0tabi/
noteはこちら
https://note.com/bit0tabi
コメント