まだ心を持っていたあの頃まで戻って 未来が信じられた、あの頃まで
クレヨンしんちゃんの映画『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』をNetflixで鑑賞しました。
![bitotabi](https://www.three-minutes-philosophy.com/wp-content/uploads/2023/07/SP-Studio-4.png)
子ども向けのアニメ、クレヨンしんちゃんですが、めちゃくちゃ大人の心に刺さるんですよ。
クレヨンしんちゃんの劇場版は、たまに本作のような明らかに大人向けの作品が存在します。『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』はその筆頭。
![ダニー](https://www.three-minutes-philosophy.com/wp-content/uploads/2022/11/danny.png)
ザッと、こんなお話だよ。
『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』は、クレヨンしんちゃんの劇場版のひとつ。物語は、しんのすけとその家族が、「モーレツランド」というテーマパークに招待されるところから始まる。
テーマパークは、昭和30年代の日本を再現していて、大人たちは懐かしさに浸りながら楽しむが、実はこのテーマパークは、大人たちを過去に戻してしまうことを企む組織の運営する施設だった。
大人たちは過去に取り込まれ、現実の世界に戻れなくなる。しんのすけとその仲間たちは、大人たちを救うために奮闘し、モーレツランドの秘密に迫っていく。
万博開催の今
この映画の舞台である「モーレツランド」は、1970年に開催された大阪万博を模した施設なんです。
現在60歳以上の方々にとっては、非常に懐かしい思い出でしょうね。
『20世紀少年』然り、この頃の万博の印象って、強烈だったんだと思います。見知らない私も、羨ましく思うほど。
だからこそ、2025年の大阪万博が、どうなるのかって、とっても気になりますよね。
数十年後の私たちの記憶にも残るような、インパクトの強いイベントになるんでしょうか。
各々思うところはあるでしょうが、ビッグイベントとして、一度は脚を運んでみたいものです。
昭和のノスタルジー
さて、『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』では、ヒロシやミサエや他の大人たちがみんなこの頃のノスタルジーに染まってしまい、抜け出したくても抜け出せない、そんな状況を描いています。
とにかく、昭和ネタがたくさん出てくるんですよ。そして、「あの頃はよかった」と皆が思ってしまうんですね。
ヒロシが泣きながら昭和を再現された街で車を走らせるシーンなんて、かなりグッときます。
私は平成生まれなので、昭和の空気を吸うことは生涯叶わなかったわけですが、どれほど違うものなんでしょうか。
また、最近では私のような平成に切り替わった世の中で若い時代を生きてきた世代に向けたテレビも多いような気がします。今の朝ドラがまさしくそんな感じですもんね。
そこ行くと、平成生まれのノスタルジーを扱った作品と言うのも、これから増えていきそうな気がします。
私が最近観たもので言うと、ドラマ『ブラッシュアップライフ』なんかもそんな感じでした。
使用された劇中歌
『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』では、劇中歌も、1970年前後のものが多く使用されています。
「ケンとメリー 〜愛と風のように〜」(1972年)
「白い色は恋人の色」(1969年)
「聖なる泉」(『モスラ対ゴジラ』より)(1964年)
「今日までそして明日から」(1971年)
ざっとこんな感じです。3つ目の「聖なる泉」は、東宝映画ならではって感じもするんですよ。
東宝映画ならではの演出
『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』の配給は東宝です。
「聖なる泉」の使用もそうなんですが、東宝映画ならではの演出がみられるんですよ。
本作の冒頭は、大怪獣が町を暴れるシーンから始まります。それを巨大ヒーローに変身したヒロシがやっつけると。
このアクションシーンがなかなかよくできているんですよね。
ウルトラマン映画の配給も東宝ですし、東宝といえばやっぱりゴジラ。ヒーローと怪獣の特撮を、アニメで魅せるという粋な演出。
こういった特撮のエッセンスが詰まっているのも、一部の大きいお友達にとっては大変嬉しいことでしょう。
名言の数々
『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』には、名言も多いです。
「懐かしいって、そんなにいいものなのかな?」
風間くんがテーマパークに夢中になる大人たちを見かねて発したセリフ。今その時を生きる子どもたちには、懐かしいという気持ちが理解できないんですね。これをどっち側として捉えるかが、一つ大人と子どもの壁なのかもしれません。
「もう一度やり直さなければいけない 日本人がこの町の住人たちのように、まだ心を持っていたあの頃まで戻って 未来が信じられた、あの頃まで」
これ、結構ギクッとしたんですよ。未来を信じる、希望を持つ。そういう感覚って、私は持ったことないんですよね。きっとよくなる。未来はもっと素晴らしくなるって。盲信できるのって、怖いけどどこか羨ましい気がします。
「本気で21世紀を生きたいのなら、行動しろ 未来を手に入れてみせろ」
これは説明は不要ですかね。未来を明るくする、今をよく生きるためには、行動しないといけない。考え続けなくてはいけない。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』について解説しました。
![bitotabi](https://www.three-minutes-philosophy.com/wp-content/uploads/2023/07/SP-Studio-4.png)
圧倒的に大人向けのクレヨンしんちゃんです。観たことがない人は騙されたと思ってぜひ。
![ダニー](https://www.three-minutes-philosophy.com/wp-content/uploads/2022/11/danny.png)
多分泣いちゃうよ。
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