どれだけ深ければ愛と呼べるのか『熱のあとに』

ドラマ映画

こんなほのぼのしたものを愛と呼んでるなんて、みんな大丈夫?

映画『熱のあとに』を鑑賞しました。

愛したホスト・隼人を刺し殺そうとした沙苗は、事件から6年後、お見合いで出会った健太と結婚する。平穏な結婚生活が始まったと思っていた矢先、謎めいた隣人の女・足立が現れる。気さくな足立に心を許しかけていた時、明かされる秘密。そして全てを捧げた隼人の影に翻弄される沙苗。普通の生活へ引き戻してくれる健太の温もりを受け取りながらも、隼人への燃え上がるような想いを抱き続ける沙苗がたどり着いた、“愛し方”の結末とは――。

https://after-the-fever.com/

本作は2019年に実際に起こったある事件からインスパイアされたのだそうです。

その事件とは、「新宿ホスト殺人未遂事件」です。

ダニー
ダニー

他の映画でもあった、おぞましい事件だね…。

bitotabi
bitotabi

今回の記事では、実際の事件の概要や、橋本愛さんの演技の凄さ、感想についてお伝えしていきます!

新宿ホスト殺人未遂事件とは

事件の概要について解説します。

2019年12月3日、東京地裁でガールズバーの元店長・高岡由佳被告(21)の初公判が開かれた。事件が起きたのは5月23日。東京・新宿区のマンションで、高岡被告が20歳のホスト男性・琉月(るな)さんの腹部を刃物で刺し重症を負わせたこの事件、「好きで好きでしょうがないから刺した」といった供述に加え、警察に連行される高岡被告がうっすらと笑みを浮かべていたこと、ぐったりと横たわる被害者のそばで、両足を血に染めた高岡被告が平然とたばこをくゆらす写真がSNSで拡散されたことから大きな話題になった。

https://www.news-postseven.com/archives/20191205_1501710.html?DETAIL

壮絶な事件ですね…。

ちょっとググれば衝撃的な動画も出てきますので興味のある方は調べてみてください。

また、この事件を下敷きにして、『さがす』の片山慎三監督も『そこにいた男』という作品を創っています。

『そこにいた男』…ものすごい作品です。

事件についてよく分かりますし、めちゃくちゃグロテスクです。

正直、『熱のあとに』は、『そこにいた男』の続編、後日譚的な話なので、観ておくとより深い視座で作品を味わえるかもしれません。

勇気のある人はぜひ観てください。

 



2023年にも歌舞伎町で…

11月5日午前1時30分頃、新宿、歌舞伎町にてホスト店勤務の20代の男性が、女性に刃物で切り付けられる事件が発生。男性は首元をカッターナイフで刺されたが、命に別条はなかったという。刺したのは、20代の女性。警察は女性を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a06c66640208c09877f96cd1edcf2be1b0dc5a50

2023年の事件の恐ろしさはまた別のところにある気もしますが、何年たってもこういう愛僧極まった凶悪事件ってのは起こるもんですね。

阿部定の時から変わりません。

 



橋本愛の突き抜けた演技

本作の主演は橋本愛さんです。

彼女の演技はもう素晴らしいですね。

これまでも陰のある役は演じてこられましたが、今回の役は別格。

ハッキリ言って、異常な人間です。一見物腰柔らかだし、橋本愛さんの洗練された外見ですが、まあ、傷害で刑務所入ってますもんね。

彼女の異常な点は、衝動性よりも、人を愛することに対して自分の体験は常人のそれよりも秀でていると信じ切っているというところです。

物語が進むにつれて、彼女の方にも感情移入しそうになるんですが、仲野太賀さん演じる夫のセリフや、時折見せる異様な演技で我に返るんです。

不思議な体験でした。

特に、彼女が家の中で愛について語るシーンや、終盤のプラネタリウムのシーンはぞっとするほど。

もう、ホラーの域です。

プラネタリウムのシーンは、なぜ明るくなってからもっと悲惨な状況にしなかったのか気になりました。もっと恐くなってたろうに…。もったいない。(私がホラー脳なだけかもしれませんが)

 



感想

私は山本 英監督の次回作は、もっとハードなものか、ホラー作品を観てみたいなと感じました。

会話の流れやテンポが、とってもそれ向きだと思ったからです。

本作の根底に、「愛とはなんぞや」があるので、ちょっとカッコつけた演出のようなものが見え隠れしていたように感じて、それが若干ノイジーでした。

思い返してみれば、恋の6秒ルールだったり、

肌と肌をくっつけると、嘘を確立が半減するだったり、

恋愛的な、ポエミーな要素も多分にありました。

どうか次回作は、ノワールか、ホラーでお願いします!笑

 



そして、本作を観て最も強く感じたことは、

bitotabi
bitotabi

「愛って人それぞれなんだな」

ということ。

私は、割と「愛」というのは何よりも強いものだと本気で思っています。

働くにしたって、何かを守るにしたって、闘うにしたって、愛こそが一番最強だと。

宗教も趣味も性別も何もかも飛び越えてしまう力が愛にあると思っていました。

でも、愛ってかたちがないから、量感も人それぞれなんですよね。

ちょっと、改めて考えてみなきゃなと思いました。

もう一度、大好きな『インターステラー』を観ます。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画『熱のあとに』の見どころと感想、実際にあった事件についてお伝えしました。

bitotabi
bitotabi

もはやホラーの域な作品ですが、愛について再検討したくなりました。

ダニー
ダニー

山本監督、次はホラーをぜひ…!

 

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