『ニュー・オーダー』ヤバすぎるラストを解説

気づくと、一層恐ろしい

映画『ニューオーダー』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。

メキシコ映画で、2020年・第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を獲っている作品。

納得です。この映画はめちゃくちゃ怖い。こんなに絶望感を味わったのは久しぶりです。

『ニューオーダー』はこんな映画

ざっくりあらすじをお伝えすると、

裕福な家庭で育ったマリアンは、晴れの結婚式を向かえます。
自宅にゲストを招き、パーティは大盛況。
そんな折に、元使用人が金を貸してほしいと助けを求めてやってきます。
兄や母によって追い返されてしまった元使用人を、マリアンは不憫に思い後を追います。
一方、彼らの住む町の一部では、貧富の差に対する抗議デモで、人々が暴徒と化している。
やがてその怒りは、幸せな彼ら家族にも襲い掛かる…。

といった感じ。

主人公マリアンは、ずっと赤いスーツを着ています。

そして、暴徒たちは緑のペイント銃のようなものを使用しているんです。

これおそらくメキシコの国旗の色を表しているんじゃないかと。

調べたところ、白はカトリックへの信仰心を、赤は民族の統一を、緑は諸州の独立を象徴しているんだそうです。

主人公マリアンは、格差による問題を解消しようとしているので赤はしっくりきますね。

緑に関しては今一つハマりません。ではどうして緑のドロッとした演出をあそこまで執拗に使っているのでしょうか。

それは、なるべく目を背けずに観てほしいからだと思います。

血の赤の代わりに、緑を使うことで、恐ろしいリアリズムから一歩離れて鑑賞することができる。

そういったねらいなのではないでしょうか。

　

ラストについて

『ニューオーダー』は最後の最後にかなり急ぎ足で事件が収束していくので、一見どうなったのか分かりにくかったかもしれません。

簡単に言うと、軍人だけでなく、警察までも腐りきっていたという救いのないラストなんです。

マリアンを殺したのは、警察の一人です。

詳しく解説していきましょう。

ビクトル（兄や夫が相談していた警察）の部下は、マリアンを拘束している兵士集団を見つけて銃殺しました。

殺す側だった軍人たちが殺されているシーンがありましたよね。

しかし、その後マリアンをマルタの家に連れていき、射殺します。

加えてクリスチャンも殺し、彼に濡れ衣を着せるんです。

どうしてかというと、ビクトルの部下はダニエルが推察した通りに事を運び、兵士たちが得た身代金を横領したかったんです。

そして最後の最後の絞首刑のシーンは、その彼らが殺されたことを示唆しているのでしょう。

いやはや、何とも救いのない映画です。

　

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます！

映画『ニューオーダー』について詳しく解説しました。

　

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