映画『ノセボ』を鑑賞しました。
本作はアイルランドを舞台に、ファッションデザイナーの主人公が謎の体調不良に悩まされていくスリラーホラーです。
2023年に鑑賞した中では、『TALK TO ME』に次ぐ面白いホラーでした。
ネタバレするとかなり面白くなくなってしまう作品ですので、鑑賞後にお読みください!
ネタバレ注意!
ファッションデザイナーのクリスティーンは、夫フェリックスや幼い娘ボブスと共にダブリン郊外で順風満帆な生活を送っていた。ある日の仕事中、彼女はダニに寄生された犬の幻影に襲われる。8カ月後、クリスティーンは筋肉の痙攣や記憶喪失、幻覚などを引き起こす原因不明の体調不良に悩まされていた。そんなクリスティーンの前に、彼女を助けに来たというフィリピン人の乳母ダイアナが訪ねてくる。雇った覚えのないダイアナを不審に思うクリスティーンだったが、ダイアナは伝統的な民間療法で彼女の不調を取り除き信頼を得る。クリスティーンは次第に民間療法にのめり込んでいくが、それは想像を絶する恐怖の始まりだった。
https://eiga.com/movie/100461/
とにかくダニ犬のシーンがやばい
本作の見どころのひとつとして、特殊効果の見事さがあります。
大量のダニに寄生された犬のビジュアルが、序盤に登場するのですが、これがとにかく気持ち悪い。
思い出しただけで、食欲が失せるレベルです笑
キモいシーンが好きな人にはたまらないかもしれないですね。
昔、実家で飼っていたペットの背中にも1匹これがついていて、少年だった私は何か分からず取って踏むと、大量の血が出てきたのを思い出しました笑
散りばめられたプラシーボ
本作のタイトルである「ノセボ」はプラシーボ効果を意味する言葉です。
作中には、いろいろなプラシーボや願掛け、ジンクスのようなものが仕掛けられています。
勝負靴、マクラをポンポンたたく、スプーンが床に落ちるなど、分かりやすい民間療法だけでなく、日常に何となく心掛けていることって、私たちにもたくさんあるんだなと感じさせられます。
誰しも、主人公のように、すがってしまうかもしれないという恐怖を共感させる上手い仕掛けですよね。
ファストファッションの問題
本作では、フィリピンの工場で、お針子さんとして働いていた女性が登場します。
劣悪な環境のせいで、不幸な事故により娘を亡くしてしまい、デザイナー(使う側)の主人公に復讐したというストーリーです。
この問題は、現実にも起こっています。
ほぼすべてのファストファッション企業が中国やインド、ベトナム、バングラデシュなどの国に工場を設立し、あるいはその国の下請け企業を雇っています。
フィリピンもそのひとつなんですね。
賃金についてといえば、最大利益を確保するため、ファストファションの生産工場のほとんどは、その地域の最低標準に賃金にしています。
国によって、最低標準以下のケースも少なくないのだとか。
そういった社会的なメッセージは、この作品からキャッチできますね。
デ・パルマショット
本作を観ていると、ところどころ、ブライアン・デ・パルマのショットに似たシーンが観られます。
主人公とダイアナを横から映すショットは、どちらにもピントが合っていて、『アンタッチャブル』そのものです。
また、『キャリー』を思わせるシーンも観られました。
デ・パルマ以外にも、特殊効果の不気味さにはクローネンバーグっぽさを感じますし、
『サスペリア』を思わせる赤いカーテンのショットも魅力的でした。
すごく、映画が好きな監督なんだろうなと感じることができますよ。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『ノセボ』の見どころをネタバレありで解説しました。
不気味すぎる特殊効果と、社会問題の両方から攻めてくる味わい深いホラーです。
名作のオマージュも見逃せないね。
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