映画『ノマドランド』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
2020年に公開され、第93回アカデミー賞で作品賞、監督賞、F・マクドーマンドに対する主演女優賞という3部門を制覇したもの凄い作品です。
F・マクドーマンドは『ファーゴ』『スリー・ビルボード』でもアカデミー賞を獲っている女優だよ。
主人公はキャンピングカーで各地を放浪する、現代のノマド(遊牧民)と呼べる女性です。
彼女は同じような境遇の人々と交流していきますが、人々の多くは俳優ではなく実際に放浪生活を送る人々。
経済的に恵まれていなくとも、美しい風景と共に生きる。
そんな生き方もいいんじゃないかと、考えさせられる作品です。
かなり衝撃を受けました…。
今回の記事では、『ノマドランド』の見どころと解説をお届けします。
ワーキャンパー
主人公のような人々は”ワーキャンパー”と呼ばれます。
ワークとキャンパーを合わせた造語です。
アメリカでは、大企業が去って過疎化してしまう地方の町というのが、発生します。
そういう町では、会社がなくなることで、仕事が無くなり、人が去り、やがてインフラもなくなっていくんです。
その結果、ヴァンに乗って色んなところで働く”ワーキャンパー”が増えていくというわけです。
彼らのほとんどは、定職につきにくい高齢者で、中でも女性の方が多いんだとか。
女性の方が、年金が少ないことが要因ですね。(500ドルくらいです)
Amazonの倉庫
あの大企業Amazonはワーキャンパーに支えられているんです。
Amazonの巨大倉庫の多くは、ほとんど人が住んでいないような、アメリカの僻地にしかありません。
そのため、キャンピングカーで生活するワーキャンパーが貴重な労働力となるんです。
特に、感謝祭(ブラックフライデー)、クリスマス、年末年始などの書き入れ時は必要不可欠。
そして、Amazonでの仕事が終わると、今度は農場での収穫、キャンプ場といったように、色々な場所へ流れながら働くのです。
歳をとるほど若返る
『ノマドランド』を観て思ったのが、彼らの生き方は、苦労もあるものの、とても自由で、それ故にどんどん若返っていくのではないかということです。
もう少し詳しく言うと、失うもの守るものがないから自由であり、どんどん自然の中に溶け込んでいくから自然に、若々しくなっていくように感じたんです。
実在するワーキャンパーの第一人者であるボブ・ウェルズという人が本作に出演しているのですが、こんなセリフを語ります。
”最後の別れの言葉を交わす人なんて誰もいないよ。僕は、「いつかどこかでまた会おう」とだけ言うことにしているのだ”
何とも気持ちがいいですよね…。心のどこかでそんな生活を羨む自分もいます。
また、アメリカ人の子孫は大体が、アメリカンドリームを信じて大陸へやってきた人たちです。
遺伝子的に、こういったものに憧れや親近感を覚えるんでしょうね。(私は完全な日本人ですが)
本作の監督もそうです。
クロエ・ジャオ監督も、中国という大陸から、イギリスを経て、アメリカという大陸へ憧れをもってやってきました。
自然に溶け込むあの感じは、なるべく大きな画面で見ていただきたいところです。
音楽と自然の美しさ、凄まじいですよ。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『ノマドランド』の見どころと感想をお伝えしました。
自然に溶け込むあの暮らし…。いつかは私も…と想像してしまいます。
失うものが無くなると、人は強いし、自由になれるのかもしれないね。
X(旧Twitter)はこちら
https://twitter.com/bit0tabi
Instagramはこちら
https://www.instagram.com/bit0tabi/
Facebookはこちら
https://www.facebook.com/bit0tabi/
noteはこちら
https://note.com/bit0tabi
コメント