拳を振り上げるだけで終わらないかどうか
映画『おんどりの鳴く前に』を観た後の解説です。
映画を観た後の人に向けて、ストーリーのネタバレを踏まえた上での記事になります。この記事を読むと、作品に込められたメッセージがよりよくお分かりいただけると思いますので、是非、映画を観た後に余韻に浸りながら疑問を解消していただければ幸いです。
まだ観てない人は、先に観る前解説を読んで、映画を観た後にこの記事を読んでね!
冒頭のニワトリ
本作の冒頭は、1羽のニワトリがトラックから落ちるシーンから始まります。
このニワトリ、要所要所で出てきて、映画の最後もこのニワトリのアップで終わるんですね。
このニワトリが、村で起こった一部始終を見守るような、そんな作りになっているんです。
続いて、もう少し本作の細部に迫ってみようと思います。
ずぶずぶな関係が象徴する事
本作では、村長と神父、医者、検察官がずぶずぶの関係にあるように描かれています。
そして、正義感の強い若い警官が犠牲になり、主人公である警官は葛藤してしまうわけです。
これ、何を表しているのかというと、ルーマニアという国そのものを描いているんですね。
なんと、この映画の登場人物にはモデルがいるんです。
モデルとなった人物
監督自身がこの村長にはモデルがいると言及していて、出演俳優も似た人をキャスティングしているそうです。
ルーマニア国民であれば一目で分かるんだとか。
おそらくこのモデルとなった人物は二人。
一人はチャウシェスク前大統領で、もう一人は政治家のジョルジェスクだと思われます。
チャウシェスク前大統領は、1989年のルーマニア革命にて、処刑されています。夫婦ともにです。これ、本作のラストと非常に似通っているなと思いませんか。また、彼の息子はその立場を利用して、当時オリンピックで金メダルを獲得したコマネチを強制的に愛人にし、彼女を精神的にも肉体的にも追い込んだ上、未成年の内から飲酒や女性への性的暴行など、やりたい放題だったそうです。この事実もまた、映画のストーリーと被る部分がありますよね。
国民たちは貧困で苦しむ中、チャウシェスク前大統領の周りの一部の権力者は、そんなめちゃくちゃな行動をしてもお咎めなしだったのです。
しかし、人々の不満はいよいよ爆発し、演説中に彼に対する不満を訴え、それに賛同する人々が次々に立ち上がり、彼を処刑まで追い込んだのであります。
本作で言うと、主人公が最後の最後に勇気を振り絞った結果となります。
しかし、ルーマニアの政治家の汚職は今日もなお続いています。
ジョルジェスクは2024年に大統領選に出馬するほどの人物なんですが、約5万人のフォロワーを有するTikTokインフルエンサーを買収していたことがスキャンダルになりました。
彼に関しても、結構見た目が似てるんですよね。
本作の監督は、チャウシェスクから今日まで続くルーマニアの腐敗を訴えるために、本作を作ったのではないかと思われます。
そして、それに賛同する人々がたくさんいるからこそ、本作が本国でヒットしたというわけですね。
加えて、映画同様に、ルーマニアでは宗教と政治の関係もズブズブだそうです。
日本もアメリカも同じ
こういったことは、世界中で起こっているんだと思います。
日本でも兵庫県知事の問題が起こりましたよね。あの件の裏側はテレビでハッキリと報道されませんが、兵庫県民は分かっている。そんな雰囲気を感じます。私利私欲に渦巻いているに違いありません。
また、アメリカではドナルド・トランプが再選を果たしました。あれもまた多くの起業家がトランプを指示したことが大きいでしょう。当選時のパーティ、もの凄かったですもんね。イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグ。世界を牛耳る企業の関係者、大金持ちがズラリです。彼らを抑えておけば、印象操作なんてたやすい。なんでもできます。トランプの支持率がどれほどのものか分かりませんが、金で勝った選挙だと言うことは間違いないでしょう。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『おんどりの鳴く前に』の観た後解説をお届けしました。
これは、全世界に向けたメッセージでもあるのではないでしょうか。
立ち上がる勇気を持ってたいよね…。
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